共通テストプレ、第6問の比較の問題

先ほどですが、塾生から素晴らしい質問を頂戴したので、弊ブログで共有させていただけたらと思います。

なお、対象は高校2~3年生。

中学生や高校1年生は読まなくても全然大丈夫です。

個人的にはですが、高等英語で『比較が一番難しい』と思っています。

【比較における省略】

例えばですが、次の英文だとみなさんどのように訳すでしょうか?

①”He has twice as many books as I have.”

もちろん『彼は私の2倍本を持っている』ですね。

ちなみにですが、二つ目の”as”は基本接続詞ですので、後続には常に文章を意識してほしいです(※もちろん前置詞のこともあります)。

でも今回大切な話はそこではありません。

さらにこの文章の直前に、こんな文章があったらどうでしょうか??

“I have fifty books.”

そうなると当然、自ずと彼が持っている本の数は『100冊』ということが分かります。

『彼=私の2倍の本を持っている』ですので。

そうなると①の文章、全部を書く必要はないですよね?

①⇒”He has twice as many books.”だけでも、(あ、彼が持っているのは、2倍の100冊だね)と分かります。

とこんな感じで、英語における比較の文章は、比較対象が明らかな場合、特にその対象が直前に出てきた場合は省略されてしまいます(※というか、日本語でも省略されますね)。

I have fifty books.

He has twice as many books (as I have).

...、とここまではおそらく簡単に理解していただけたのではないでしょうか?

これが今回の共通テストプレの第6問で出題されました。

それがこちらです。

ちょっと見にくいですね。

下の段落の”Africa”から始まる文章が質問の箇所でした。

①Africa alone has lost hundreds of thousands, perhaps even millions, of objects to Western countries.

②The collection at the Weltmuseum, mentioned above, is merely the fifth largest collection of African artifacts in Europe.

※③In Germany, the Humboldt Forum has over twice as many African objects.

いや~…、何やら少し小難しくなっていますが、『本質は山口が先ほど書いた、小学生レベルの文章と同じ』ですのでご安心を。

ちなみに質問の詳細は、『③の文章の比較対象が分かりません』というものでした。

順を追って訳してみます。

①アフリカ単体で何十万、いや、おそらくは何百万もの品物がヨーロッパ諸国によって失われている。

※ちなみにですが、”lose A to B”で、『AをB(が原因)で失う』という用法があります(例文・She lost her mother to cancer.『彼女は母親を癌で亡くした』。)

②上記で取り上げた、ウェルト博物館の収蔵物の数は、ヨーロッパにおけるアフリカの古物としては5番目に過ぎない。

③ドイツにあるフンボルト博物館は、(ウェルト博物館の)2倍強のアフリカの古物を所有している。※(   )の部分が省略されている。

というわけで、③の文章ですが、『②でウェルト博物館の話したから、もうわざわざ書かんくてもいいよね??』ということで、(   )の部分が丸ごと省略されてしまったんですね。

省略されたものを補うならば、

③In Germany, the Humboldt Forum has over twice as many African objects (as has the Weltmuseum).

なお、2つ目の接続詞”as”は倒置が可能です。

山口が間違えたわけではありませんので!

余談ながらこの問題の選択肢は以下の通り。

②の文章から、『5番目はウェルト博物館』と分かっているので、この時点で『選択肢は①と②に絞り込まれます』(選択肢(D)がWeltmuseumなのは選択肢①と②だけなので)。

さらに、『それの倍以上がフンボルト博物館』と言っているので、該当するのが『(A)』のみ、これがフンボルト博物館ということが分かりますので、答えは『②』ということが分かります。

全部を読む必要なんてまったくナッシング。

というよりも、山口は全然読んでません。

全部読む必要がありませんので。

こんなのまともに全部読んでたら、時間内に読むことは不可能ですので。

ではどうすれば時間内に読んで正解にたどり着くのか?なのですが、それはここでは秘密ということで...。

いや、それはもちろん塾生のみなさんと共有させていただきます(笑)。

【模試の解説や学校の授業での解説は不充分】

ちなみに今回取りあげた『比較における比較対象の省略』『lose A to B』などは、模試の解説には載っておりません。

つまり…、模試の解説を使って一生懸命直しをしても、取りこぼしてしまう可能性があるということです。

さらにいえば、学校の授業でもここまで詳しく解説されることはありません。

それは河合塾や学校の先生方が悪いのではなく、単に『紙面と物理的な制約で、そこまでフォローできない』というのが理由です。

現に、模試の解説や学校の授業でのフォローが盤石なら、今回の質問は出てこなかったはず。

そんなわけで、模試の直しは隅から隅までやって、それでも分からなければ、どんどん質問に来てください。

こんなブログが書けてしまうくらい暇ックスです!

それにしても、今日はクリスマスなのにたくさんの塾生が自習に来てくれております・・・、て非受験生ばかりやないかい!

いや、きっとみんな自宅で黙々と勉強しているんですよね。

そんなわけで、メリークリスマス!

あ、これは山口の中学校です。

特に意味はありません。

【日本語は抒情的で、英語は構造が美しい】

なんて思いますね。

日本語は非常に自由度が高く、こんなに狭い島国なのに方言も多種多彩で、こんな言語は世界中で日本語だけなのではないか?とさえ思います。

山口が本気で九州弁しゃべったら、多分みなさん何を言っているのか全く分からないと思います(笑)。

一方、英語は見た目がものすごく美しいなと思います。

先ほどの文章、

the Humboldt Forum has over twice as many African objects as has the Weltmuseum.

ふたつの”as”を軸にして、SVOが対象になるんですよね。

もちろん、比較級における接続詞の”as”で倒置が起きる理由は、見た目の話などではなく、情報構造として一番重要なキーワード(新情報)を最後に持ってくるという性質があるからなのですが、それにしても英語は見た目が理路整然としていて、見た目に美しいな~などと思ってしまうわけです。

そんなわけでみなさん、『英語は視覚的要素がすごく大きい』です。

もちろん、『聞いたり話したり』するときに、視覚的要素が介入する余地など皆無ですが、大学入試のように『文章を読んで答える』のであれば、むしろ視覚的要素に頼るしかありません。

つまりは、文法が超重要ということで...。

(あれ?昨日のブログで9割暗記、文法が1割ゆーとったやんけ!)と思われそうですが、『単語やイディオムを覚えましょう』なんてのは当たり前の話。

野球なら『バットとグローブ買ってね。』レベルです。

野球というスポーツは『バットとグローブとボール』でやるわけで、野球のルールでやるわけではありません。

でもルールも知らなければ野球になりませんよね??

というわけで、バットとグローブを買って、練習をするのはみなさんです。

私たちがやるのは、効率の良い練習法を伝え、練習メニューを考えて、ルールを伝えていくこと。

頑張るのはみなさんだということを努々お忘れなきよう...。