リスニングについて熱く語りたいです
リスニングについては本当によく頂戴する質問で、これからも定期的にブログで紹介させていただくと思います。
まず簡潔に申し上げますと、
『リスニングの対策は大変厳しい・・・というか諦めた方がいいです』
となります。
いや、そんなこと言ったら身も蓋もないやんけ!、となってしまいますが、もちろん代替案はあります。
一言で言えば、他の教科で頑張る、もしくはリスニングウェイトが低い、もしくは二次でリスニングが無い大学を選ぶということです。
★以下、厳しい文章が続いていきますが、高校生のみなさんは何も悪くないです。
悪いのは全部、文〇科学省です。
そして『リスニングなんてできなくても、大学受験は全然大丈夫!』ということをしっかりとお伝えしていきますのでご安心くださいませ。
【そもそもリスニングの対策が一番膨大な時間がかかってしまう】
『4技能』という言葉は頻繁に耳にすると思います。
いわゆる『読む』『書く』『話す』『聞く』のスキルをひとまとめにしているのですが、圧倒的に難しいのが『聞く』、つまりリスニングだと考えています。
その他のスキルは、修練の度合いはさておき、考える余裕があるのです。
『読む』『書く』『話す』に関して言えば、できるできないはさておき、受験生には取り組む時間が与えられます。
しかしリスニングだけは『英語のスクリプトを音声で聞いた瞬間に理解しなければならない』のです。
はっきりと申し上げますが、山口もリスニングはニガテです。
例えば次の英文、とある試験の会話問題なのですが・・・
A:I guess it’s because I’m getting older, but I can’t help but despair over the diversification of family lifestyles that seems to be all the rage recently.. Divorce, married couples using different surnames, out-of-wedlock pregnancies, same-sex marriages, the list goes on and on, and I fear that the present and future generations will grow up feeling that this is the norm. What happened to family values? I have nothing against same-sex couples, for instance, but is it really necessary to go as far as marriage? Speaking of which, what is the situation regarding same-sex marriages in Japan?
B: Article 24 of…. (すみません、めちゃくちゃ長いのでこの辺で)
※『知識と教養の英会話』P148より抜粋
もちろん言うまでもありませんが、これは英会話であり、音声のみで流れてきます。
さらに当然なのですが、これを聞いた瞬間に理解しなければならないのです。
さらに当り前と言えば当たり前の話なのですが、
『文章を読んで理解できないのであれば、音声だけを聞いても当然理解できない』
ということになります。
ですので、『リスニングを上げたいのですがどうすればいいでしょうか?』という中高生のみなさんの問いかけに対して山口は、
『読む < 書く 話す <<<<<<<<<<< 聞く くらい難易度の差があるから、まずは読む力と書く力を伸ばしてほしい。
あと、リスニングを本気で何とかしたいと思っているのであれば、通常の英語学習に加えて、毎日3時間は英語の音声を聞き続けなければならないけど、その覚悟はある??』
と聞きます。
そもそも私たち日本人は、生まれた瞬間から世界的にも最もクセがある言語の代表格、日本語を10年も15年も聞き続けて今に至っているのです。
それを突然、まったく構造が異なる言語、つまり英語のリスニングなんてできるわけがないのです。
もちろん、『聞かないよりは聞いた方がよい』のは間違いありませんが、それにしたって途轍もなく膨大な時間がかかります。
こちらは少し前に紹介したリスニング教材の広告です。
『リスニングだけで1日3時間、それを最低1年間欠かさず継続する覚悟があれば、リスニング力は上がるかもしれない。』
と言えます。
それにしたって、ただ聞き流すだけではなく、
『最低限高等英文法は100%にする』
『英単語についても最低でも5~6000語は覚える(※この覚えるというのは、聞いた瞬間に意味がでるレベルです)』
ここまでやればリスニングを含めた英語力は確実に上がるとお約束できますが、そもそもほとんどの受験生にその時間はありませんので、まったくお勧めしません。
山口がこれをお勧めできるのは、
『将来英語で食べていきたい!』
『東大や東京外語、阪大などのように、英語が必須でなおかつウェイトが高い大学を受験する受験生』
のみです。
【だからこそ他教科を頑張ってほしい】
おそらく英語講師で『リスニングを捨てなさい』というのは、日本広しと言えども山口だけでしょう
ただ一つ言えるのは、
『リスニングなんてやらなくても、これまでにこのやり方で、当塾から名大・京大・医学部・早稲田・慶應・上智・MARCHや関関同立などの合格者は多数出ています』
ということ。
山口は常々、『大学受験レベルの英語でも、合計で2,000時間、最低でも1500時間はかかる』と申し上げております。
これにはリスニングを含めておりません。
母国語ではない言語を音声だけで理解する、というのはそれだけハードルが高く、本気でリスニングまで何とかしようというのであれば、ここにさらに
『最低でも1,000時間を加える』
ということになります。
そんなことをするくらいなら、他教科を頑張った方が遥かにコスパもタイパもいいですよね?
1,000時間って、『毎日3時間の学習を1年ほど継続』して初めて得られる時間です。
それで共通テストの配点があの程度ってありえないです。
そして多くの受験生が誤解しておりますが、
『共通テストの筆記とリスニングの比率は 1:1 ではありません』
違います。
それは文部科学省が勝手にそう言っているだけで、ほとんどの良心的な国公立大学は
『筆記 : リスニング 2:1または3:1 などに圧縮』してくれます。
ここ愛知県だと、名古屋大学や名古屋市立大学などはしっかりと『3:1』、つまり
『仮にリスニングで満点を取ったとしても、50点まで圧縮されてしまう』
のです。
仮にリスニング対策にかかる時間が『最低でも1000時間以上』とするならば、これほど時間帯効果が低い
やる意味がまったくないです。
もちろん、名古屋工業大学などのように『なぜか馬鹿正直に、筆記とリスニングの比率が1:1』という大学もありますが、そういう大学は英語そのものの配点比率が低かったりするので、やはり気にするほどの問題ではありません。
ちなみに京都大学などは、二次試験にリスニングを課しておりましたが、数年前に廃止になりました。
多分『リスニングなどやる意味がない、もっと学生に学んでほしいことがある』と判断したのでしょう。
【それでも本音で言えば、リスニングも頑張ってほしいです】
一応英語講師ですので。
でもそれならそれで、まずは
『英文法と英単語を隅から隅まで覚えつくす』
これが入り口です。
英文法が分からない、英単語の意味が分からない状態で音声だけを聞いても理解できる道理が無いからです。
だから『リスニングを何とかしたい!』と思っている高校生のみなさん、まずは手元にある英単語帳を隅から隅まで、完璧に覚えつくしてください。
もう一度先ほどの音声スクリプトを紹介します。
A:I guess it’s because I’m getting older, but I can’t help but despair over the diversification of family lifestyles that seems to be all the rage recently.. Divorce, married couples using different surnames, out-of-wedlock pregnancies, same-sex marriages, the list goes on and on, and I fear that the present and future generations will grow up feeling that this is the norm. What happened to family values? I have nothing against same-sex couples, for instance, but is it really necessary to go as far as marriage? Speaking of which, what is the situation regarding same-sex marriages in Japan?
diverstification
can’t help ~ing
despair over A
all the rage
これらの単語の意味が分からないのに、これが音で流れてきてどうやって理解できるのでしょうか?
しかも会話ですので、みなさんが考える時間などはゼロです。
聞いた瞬間に理解できなければなりません。
そんなとんでもない能力を何とかしようと思うのであれば、全身全霊毎日の学習をすべて英語に捧げてください。
もしも『いや、そんな時間はないし、そこまでやるつもりはないよ?』というのであれば、そこは要領よく、他教科の学習に割り充ててください。
重ねて申し上げますが、みなさんが悪いわけではありません。
こんな無茶ぶりをする文部〇学省が悪いのです。
★最後に余談ですが、当塾の都築先生、英語については受験英語も完璧、聞く方も話す方もペラペラなのですが・・・
『高校の3年間、すべて英語圏で生活し、日本人はまったくいない環境で24時間365日英語漬けの生活』
しかも毎日の授業、いわゆる高校の授業が全て英語で行われていて、ただひとりの日本人のために授業の難易度が落ちたり、課題が緩くなったりすることもありません。
本来、言語をマスターするというのはそれほどに厳しいのです。
日本で生活しながら英語をマスターしようというのですから、当塾の指導や課題が厳しいのは至極当然の話です。
そう言った認識なので山口は、N高校やH高校の緩い授業と課題が許せないのです。
学問を修めるのに、楽な道などあろうはずがありません。
自主性や主体性というのはもちろん大切ですが、公立高校受験しか体験したことが無い高校生がそれを身につけるのは、相当難しい・・・というよりもほとんどの場合は無理です。
だからこそ岡崎や刈谷の課題は厳しいのです。