なぜ英単語を覚えなければいけないのか??(高校生)
当塾の塾生は全員知っているとは思いますが、山口とにかく英単語にうるさいです。
ただ、いつもいつも抽象的な話になってしまいますので、もう少し具体的に『なぜ英単語を覚えなければいけないのか』についてお話させていただきます。
なお、山口が学生アルバイトの頃なども含めますと、延べ2,000人以上の受験生と関わってきましたが、英単語を学習せずにセンター試験で160点以上を取った生徒はただ1人だけであったことを最初にお伝えしておきます。
さて、もちろん英単語を学習しなければいけない理由は、単純に『』です。
英文法の理解に関しましては、高校英文法の最難関(個人的にそう思っているのですが)である、『比較』『強調構文と倒置』『分詞構文』などを含めても、正直100時間もあれば終わります。
それを受験レベルまで落とし込むには、その後の演習はもちろんマストですが、単純に理解するだけならそんなに時間はかかりません。
英単語が時間がかかるのは分かったとして、具体的にどうして時間がかかるのかをご説明いたします。
これも個人的になのですが、英単語の暗記には3つの段階があります。
1.英単語と日本語訳の意味を覚える
2.細かなニュアンスの違いまで覚える
3.語法まで完璧に覚える
1.については割愛いたします。
ただひたすら覚えるだけですので・・・。
2.の段階ですが、これを読んでいる高校生諸君は『盗む』という英単語の意味がすぐに出てくるでしょうか??
例えば『steal』であったり『rob』が出てくると思います。
ただ、日本語と違って、同じ盗むでも語法としてしっかりと使い分ける必要があります。
例えば、『steal』の対象は『お金・物』に向っているので、
〇Jim’s suitcase was stolen.(物が対象になっている)
×Jim was stolen his suitcase.(物ではなく、人が対象になっているのでこれは間違い)
逆に『rob』が対象とする目的語は『人』なので
〇Jim was robbed of his suitcase.
×Jim’s suitcase was robbed.(物が対象になっているのでこれは×)
などの細かいニュアンスまで使い分けられるようにしなければなりません。
同様に、『許す』という言葉一つとっても、『allow=許可する』『forgive=(罪などを)許す』、他にも日本語の『許す』はpermitやexcuseなどが挙げられますが、こういった細かいニュアンスまで学習する必要があります。
ちなみにこれくらいはセンター試験でも普通に出ます。
そして最もきつい第3段階・・・。
先日ですが塾生の子の単語チェックをやっていて、『apply』意味を聞いたところ即答で『申し込む』と返ってきました。
もちろんこれは間違いではありませんが、正しくは『自動詞の場合は”申し込む”(前置詞はfor)、他動詞の場合は”適用する””当てはめる”』ここまで答えて完答です。
もちろん、高校1年生で英単語帳1周目なら、『apply for=申し込む』で構いませんが、高校2年生や3年生は語法まで把握しておくことが求められます。
いやいやそこまでやる必要があるの??と思われるかもしれませんが、結論から言えばやらなければなりません。
そうじゃないと入試レベルの難解な長文は、読めないどころか誤読してしまう可能性があるからです。
At the heart of the enviromental issue is the basic question of how we apply the knowledge that science and technology make available to us to the decisions whice will determine our future.
正直なところこの素晴らしい文章、単語の解説ではなく、関係代名詞の解説をしたいくらいなのですが、今回は単語がテーマなのでそちらの話をさせていただきます。
ここでapplyの意味を『申し込む』しか知らないと、この文章の訳は破綻してしまいます。
そもそも、この文章では直後に目的語を取っていることから、しっかりと『このapplyは他動詞だ』と認識しなければなりません。
他動詞の『apply』は『apply A to B』で『AをBに適用する』ですので、きちんとtoまで探して訳す必要があります。
ちなみにそのtoはこれです。
At the heart of the enviromental issue is the basic question of how we apply the knowledge that science and technology make available to us to the decisions whice will determine our future.
手前のtoはmake availableの意味上の主語のtoですね。
・・・というわけで、本当の本当はこの文を3,000字くらいかけて解説したいのですが、色々とすっ飛ばしてしまいますね。
『環境問題の核心には、科学と技術によって私たちが使えるようになった知識を、私たちが決定するであろう決断にどのように適用するかという基本的な問題がある。』
これ、『申し込む』で訳すと大変なことになってしまいますよね。
以上が山口がみなさんにしつこく『単語単語』と言い続ける理由です。
高校1年生の段階で1の『単純な意味』、2年生の段階で『細かいニュアンス』、3年生で最後の『語法』までマスターしたいのです。
・・・で、これを高校3年生になってから一気にやるというのは、みなさん自身に大きな負担がかかってしまいますし、はっきり言って無謀です。
それにみなさんは、英語だけをやればいいわけではありません。
数学や社会、国語や理科など、英語以外の教科にも相当な時間を割かなければならないのです。
その中でも最も時間がかかり、最も得点に直結する『英単語学習』には、一刻も早く取り組んでほしいです。
文系は言わずもがな、英語が手を抜かれがちの理系の生徒諸君こそ、英語は大きなアドバンテージが取れる教科であることを最後にお伝えしておきます。
そしてひょっとしたら、(・・・いやいやこんなに難しい文章、読めるようになる必要があるの??)と思われるかもしれませんが、断言します。
この文章は誰でも読めるようになりますし、これが読めるならセンター試験レベルの長文は、日本語を読むよりもはるかに簡単に読めるようになることをみなさんにお約束いたします。
な~に大丈夫。
中学の時に英語で0点を2回取った山口でもこの程度は理解できるんです。
みなさんなら絶対にできますよ!(ただし時間はかかることを覚悟してくださいね)。