学年ビリだった山口が学年1位に指導させていただくという不思議
長い!
タイトルが長くてすみません。
『愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない』みたいな(※中高生諸君は分からないと思います)。
さて、タイトルの通りなのですが、今山口は学年1位の中学3年生の塾生を担当させていただいております。
完全1対1のマンツーマン指導は全ての生徒の学力や性格に合わせて指導ができるというところに大きなメリットがあるのですが、それは彼のように高い学力を持った生徒にも当てはまります。
彼は英語がニガテ(とは言っても総合学年1位なので、他に比べたらという話です)とのことで当塾に入塾を決めていただいたのですが、ま~早い!
最初の授業で公立高校入試レベルのものは説明し終えてしまったので、数回の授業を経て今は開成高校や灘高校クラスの問題にとりかかっています。
学校などの集団授業では、どうしてもその分母の平均値に合わせた指導をせざるを得ないので、彼のように120%で理解しきってしまった生徒も、先に進むことはできないのです。
その辺は先生方も葛藤されていることと存じます。
その点1対1だとどんどん先に進むこともできるので、非常にやりやすいです。
しかしながら・・・難しい!
高校生レベルというか、大学受験レベルの問題もあります。
次の英文は某難関高校の入試問題の、長文の一節です。
ぜひぜひ高校生も、大人のみなさんも読解に挑戦してみてください。
Last year the weather so kind , and the harvest promised to be so good that Jalpur was wondering whether he could sell all that he had and live with his son up the coast.
この長さで、しかも色々な語法要素が絡んでくると、もはや『後ろから訳す』などというやり方では手も足も出ません(試しに後ろから訳してみてもよいと思います)。
きちんと前から正しく順を追って訳していかなければなりません。
早速精読を・・・とその前に、大変なので番号を振っておきました。
この順番で①⇒④で訳していけば、必ずキャッチできます
①Last year the weather so kind ,② and the harvest promised to be so good③ that Jalpur was wondering whether he could sell all that he had ④and live with his son up the coast.
ではまず①から。
①Last year the weather so kind ,
この部分は簡単ですね。
『①昨年は天候が良かった』
これくらいの軽さでOKです。
続いて②
,② and the harvest promised to be so good
『収穫はとても良いものが約束されていたので』
『ので』を表す単語はありませんが、『天候が良かった』という前文の内容を受けているので、ここでは『収穫はとても良い』とい内容に因果関係があるのは明らかですので、『and = because』くらいで訳した方がいいです。
②もサラッとこんな感じで次の③
③ that Jalpur was wondering whether he could sell all that he had
前文の②で登場した『so』がポイントです。
soを発見したらまず『so~that構文』を疑う!
案の定直後に『that』が出て来たので、そのまま『so~that構文』で訳しましょう。
③(収穫はとても良いものが約束されていた)『ので、ジャルプールは、彼が彼が持っているもの全てを売ることができるかどうかについて考えていた』
ここはちょっと難しい!
まず『whether=~かどうか』という意味の接続詞であることが分からないとそもそも訳せないということが1点。
もう1点は、『sell』という他動詞の後に『all』という一見形容詞に見える単語が来ていること。
『sell』は必ず目的語が必要になる動詞なので、どんなに形容詞のように見えてもこの『all』は名詞でキャッチしなければなりません。
で、よく見るとその『all』の後に『that』が続いて、『he had』で文章が終わる・・・hadの目的語がないのでこの『that』は関係代名詞ということになります。
だから『all that he had =彼が持っているもの全て』という訳になります。
さあ、あとちょっと!
④and live with his son up the coast.
ここが一番恐ろしい・・・。
高校入試でこんなことやるのかと驚きました(ちなみに普通は高校入試レベルでは出ませんのでご安心を)。
そのまま訳してしまうと『彼の息子と高台に住む』となるわけですが、それだと意味的に(・・・??)となります。
伝わらないわけではないのですが、なんかもやっとした感じが残るのではないでしょうか?
ここではandという接続詞について考えなければなりません。
接続詞という品詞はその後に『必ず文章が続く』と教わったと思います(忘れていたらチェック)。
ですがこの文章、『and』という接続詞の後にいきなり『live』という動詞が来ている。
そう・・・実は『and』という接続詞は、『まったく同じ形のものを並列に並べる』という特性があるのです。
ここでは『and』の後に『live』という動詞の原形が続いているところがポイント。
そこでその前の③を眺めてみると・・・
③ that Jalpur was wondering whether he could sell all that he had
あ、『sell(売る)』という動詞の原形が続いている!
というわけで、この④の中の『and』は、③で登場した『sell以下』と、④で登場した『live以下』を並べていたのです!
・・・となると、③で登場した『sell以下』の前には『he could』という主語と助動詞がひっついているので、④で登場した『live以下』にも同じく『he could』をつけてあげる必要があります。
だから④の部分はこのようになります。
④and (he could)live with his son up the coast.
『そして彼の息子と高台に住むことが(できるかどうか)』
全部つなげるとこうなります!
①Last year the weather so kind ,② and the harvest promised to be so good③ that Jalpur was wondering whether he could sell all that he had ④and live with his son up the coast.
『①昨年は天候が良かった ②(そのため)収穫はとても良いものが約束されていた ③ので、ジャルプールは、彼が彼が持っているもの全てを売ることができるかどうかについて考えていた、④そして彼の息子と高台に住むことができるかどうかについても』
こんな感じです!
ちなみに模範解答はこう。
『昨年、天候に恵まれていました。収穫は申し分ないと見込まれていたので、ジャルプールは持っているものを全て売って、息子と高台に住むことができるかどうかを考えていました。』
う~ん美しい・・・。
とてもきれいな日本語ですね。
でも当然のことながら、実際に英文を読むときは、いちいちきれいな日本語に置き換える時間はないのです。
ですからどんなにぶさいくだと感じたとしても、『左から右に、英語の語順で』訳すことを心がけてください。
さて、本題に戻ります。
今回は授業でやっている内容を文字にしてしまったので、(ああなるほどね~)となったみなさんと(・・・ちょっと何言ってるのかよく分からない)となってしまったみなさんに別れると思います。
実際の授業では、完全1対1で指導していますので、目の前の塾生の反応を見ながら、時には戻ったり、様子を見て先に進めたりと調整しています。
学年が同じでも、1人として同じように進む授業はありません。
今回の彼の場合も、(彼は謙虚なのでそんなことは考えていませんが)明らかに通常の中学校でやる授業内容では持て余してしまっていることが分かったので、一気に難易度を上げて進めていきました。
そのままだと授業の満足度が上がらないことが目に見えていましたので。
極端な例を出しますが、せっかくお月謝を払って塾に通わせてみた結果、『受験に必要だから』という理由でひたすら『四則演算』や『百マス計算』の練習を授業えやり続けたら、その生徒は塾に通う意義を見出せなくなってしまうでしょう。
生徒が100人いたら100人の、1000人いたら1000人の指導があるのです。
そういった意味では、1人一人に合わせた指導という点においては、やはり『完全1対1』がやりやすいなと感じています。
(もちろんどの指導方法にも一長一短がありますので、集団授業や映像授業などで結果が出ているのであれば、あえて塾を変えたりする必要もないと思います)。
・・・しかしながら、かつて学年でビリを取ったことがある山口が、学年1位の生徒を指導させていただく機会をいただけるというのも、なんとも言えないものがあります。
さあ今日はいつも以上に長く、そしてつまらない内容だったと思います!
(もういらっしゃらないと思いますが)、もしここまで読んでくださいました方々がいらっしゃいましたら、最後までお読みいただきまして本当にありがとうございました!