先ほどのブログの続き②

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教室長ブログ

続きです!


もちろん、”I bought this book at Seibunkan books.”程度の英文であれば、SだのOだのは書き込むまでもなくスラスラ訳せるはずです。


だとしても、みなさんが山口と同じように、英語をニガテだという認識を持っているのであれば、『こんな簡単な文章でもSVOCなどを書き込むべき』、です。


こんな簡単な文章でも文構造を意識する、その姿勢なくしてなぜ難解な文章で同じことができるのでしょうか?


みなさんはごくごく簡単な文章でも、きちんと

・主語は1語で特定するとどれなのか?

・動詞はどこからどこまで続いているのか?

・また、その動詞は自動詞と他動詞のどちらなのか?目的語を取っているのか??

・”that”をはじめとする関係詞の働きはどうなっているのか?


こういったことを常に意識する姿勢を作ってほしいのです。



だから山口が出した課題はすべて、必ず『SVOC、M句、自動詞なのか他動詞なのか? thatの識別は?』といったところまで細かく書き込んでください。




もう一度繰り返しますが、当塾では英語の偏差値が高い高校生ほどこれを徹底しています。



そして偏差値が下がっていくにつれ、この凡事徹底ができておりません。




なお、先ほどのブログで登場した英文を正しく構造分解すると次のようになります。


③の文章ですが、冒頭の”Among the explanations”は主語ではありません。

理由はシンプルで、『前置詞がついた名詞はSにもOにもならないから』というだけです。

では、その直後に続いている”put forward”という単語が動詞なのかというと、これも違います。


正しくは”put forward A”という他動詞、つまり必ず目的語を伴う動詞なのですが、直後に前置詞”for”が続いています。

ですので(なるほど~この”put forward”は他動詞なのに目的語が欠けているから、過去分詞!そういえば動詞”put”はput-put-putでスペルが変化しなかったもんな~)と考えなければなりません。



・・・、などということを最後の最後まで考え続けない限り、この英文の主語や動詞はおろか、全体の文構造は全く見えず、適当な英単語の訳を切り貼りしたとんでもない和訳ができてしまいます。


おそろしいのは、英語が苦手だと思っている高校生ほど、これがどれだけ危険なことなのかを気づいていないのです。


そんなことをいうとみなさんの中には、高校生の頃の山口のように次のようなもっともらしい言い訳をいう受験生がいます。


『そんな面倒なことをやっていたらひとつの文章読むのに30分くらいかかっちゃうし、長文読解や速読なんてできないよ!』と。


そうですね、確かにこんなことやってたら速読なんてできないです。


しかしみなさんに誤解してほしくないのは、雑な読解でどれだけ速く読んだところで、みなさんが英文を正しく読める日は永久にやってきません。


私たちが取り組んでいるのは日本語ではなく、まったく言語の構造も考え方も異なる英語なのです。


そして英会話の類ではなく、それなりに難しい事柄を扱っている大学受験の英文です。


高校生のみなさんに残された時間は長くても『たったの2年9か月』。


歯に衣を着せずに言わせていただきますが、中学校で非常に基礎レベルの英語教育しか受けていないみなさんが、たったの3年足らずで先ほどの③のような英文をスラスラ読み解けるようになるというのが土台無理な話なのです。


だからこそ、私たちのような英語が苦手な受験生こそ、真摯な姿勢で基本中の基本に取り組んでいく必要があります。



できるようになったら、そして自分に不必要だと思ったならば、その時は捨てればいいだけの話です。


だけど今のみなさんの中で、その段階に達している高校生はひとりもいません。


もちろん、もう50歳を迎える山口ですらその道中・・・というよりも、命が尽きるその日まで、この作業を愚直なまでに繰り返していきます。


私などは一山いくらの凡夫に過ぎないのですから。







英語を学習するみなさんは、”the”ひとつ、”blue”ひとつとってもおろそかにはできません。


“blue”という単語を見かけたならば、その青が日本海の青なのか?それとも地中海の青なのか??まで思いを馳せる心意気が求められるのです。


ちなみにですが③の文章を和訳するとこうなります。


③の山口訳『男性よりも女性の方が、きちんとした話し方をしていて礼儀正しさにより関心を持っているという研究成果に寄せられた(提案された)いくつかある説明の中で、最も正鵠を得ているのは、非標準的な話し方にこそ男性らしさが含意されているというものである。』

★なお、『正鵠を得る』は『正鵠を射る』でも構いません。

どちらも正しい表現ですので、注意しましょう。



多少山口の意訳も入っておりますが、ギリギリ減点されないラインだと思っています。


いうまでもありませんが、私はSVOCの構造分析、文法の理解、英単語の学習抜きにしてこの文章を正しく捉えることはできません。


残念ながら私にそれほどの力は無いのです。



中高生のみなさん、そして願わくばお父様お母様、中学生のみなさんは公立中学校で、オールマークの公立高校入試を突破するための学習しか受けておりません。


そんなテストで100点を取り続けても不毛なのです。


飽くまでもゴールに大学受験、それも難関大合格があるのであれば、一刻も早く本質を捉えた英語学習が必要になります。



そういった学習以前に、中高生・・・いや小学生も含めて、すべての学習者に必要なのは圧倒的な読書量です。


しつこいようですがこの和訳を自力で生み出した中学3年生は、大変な読書家であることをもう一度念押しさせていただきます。




ご覧の通り、彼自身もしっかりとSVOCを意識して英文に取り組んでくれています。


膨大な読書量とこういった真摯な学習姿勢、これが今の彼の英語力と日本語力を支えていると言っても過言ではありません。




そして最後に塾生のみなさん、全員が全員とは言いませんが、おそらくほとんどのみなさんが

『英語が苦手で何とかしたい・・・』

『この塾に入ったら、きっと英語ができるようになる!』

体験授業などを通してきっとそう思ってくれたのだと思います。


だとするならば、今その気持ちをもう一度思い出してください。



うちなんてただ通って授業を受けているだけでは何の意味もありません。


もう一度初心を思い出して、基本中の基本を徹底してください。







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