名古屋市立大学が名古屋大学の下位互換にはならない理由
もちろん、『どちらが難しいのか?』と聞かれたなら『名古屋大学です』と即答します。
昨今では猫も杓子も『名市大』、多くの西高生や東高生が『名市大』を希望しているようですが、その理由の一つに『二次試験の少なさ』が挙げられます。
確かに。
一般的な国立大学の二次試験が『3~4教科』であることが多いのですが、名市大はなんと『2教科』ですからね。
主に『英語+国語』、もしくは『英語+数学』ですので、もちろん教科数的な負担で言えば、名市大は軽いです。
でも『そんなことみんな知ってるし、当然受験生全員がそこに焦点を充てて対策してくる』わけですから、名市大受験が簡単なわけではありません。
というよりも、英語に関して言えば『名大よりも名市大の方が厳しい』です(※多分に主観も含んでおりますが)。
さすがに問題を掲載するわけにはいきませんので、名市大の赤本に書かれている英語の書評について紹介させていただきます。
『難易度は?』
≪前期日程・後期日程とも試験時間は120分と長めだが、英文の難度が高い上に、解答の記述量も多いことから、決して余裕はない。両日程とも、かなり難度の高い問題と言えるだろう。≫
『日本語での表現力』
≪英文を読んで理解することに加えて、理解した内容を日本語で表現する練習が欠かせない。英文和訳や内容説明の練習では、自分の解答を読み直し、読む側に自分の意図する内容が伝わる文章かどうかを必ず点検すること。≫
普段から散々申し上げておりますので今さらですが、とにかく難関国公立の二次試験は『記述ウェイトが非常に高い』、その上求められる日本語力もめちゃくちゃ高いです。
オールマークの大学入学共通テストでなんぼ高得点を取ろうが、記述力が養われていなければ即不合格です。
英語に関しては・・・英単語の暗記はちゃんと1年生の4月から取り組んでいれば間に合うでしょうし、英文法もきちんと学べば1年もかかりません(※飽くまでも受験レベルで、という条件付きですが)。
ただ読解力と記述力だけは、途方もない時間が必要になる上、書いた文章を第三者に細かく見てもらう必要があります。
しつこいようですが、山口から見たら中高生のみなさんはまさにダイヤの原石。
老いていくばかりの私などとは違い、みなさんものすごい力を秘めています。
しかしながら、大学受験というものにどれだけの質と量の学習が必要なのか?それを知らないばかりに受験に間に合わない高校生が非常に多いように見受けられます。
そこで話を戻しますが、『名市大はめちゃくちゃ難しい』です。
確かに10年前までは、センター試験比率が70%を超えていたため、当時ならば『センター試験逃げ切り』が十分に可能でした。
ですが、今は二次ウェイトが増えた上に、問題の難易度も上がる一方ですので、名市大を受験する可能性がある高校生のみなさんは、一刻も早くこの事実に気付かなければなりません。
手始めにやることは、精文館書店に行って『名市大の赤本を手に取ること』です。
その問題に1年後、または2年後に立ち向かえるのかどうか、今すぐ肌で感じることです。