大学受験を予定している受験生と保護者様に共有していただきたいこと

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雑談

昨日のブログでもチラッとご報告いたしましたが、当塾から2人目の慶應合格者が出ました。

これで早稲田に合格した当塾の第一期生も含めますと、なんとこの短期間で3名早慶に合格し、しかも合格率は100%ということになります。

もちろん、頑張ったのは本人達で、私たちはサポートをしただけです。

塾の力ではありません。

それにしても、当塾のような宣伝広告を一切やっていない街の個人塾にとって(折込はおろか、ポスティングや塾ナビの登録すらしていません。)、塾生諸君の成績向上や合格実績は最大のCMです。

いつもいつもご協力いただきまして、本当にありがとうございます。

今年はコロナウィルスの影響もあり、期せずして厳しい戦いになってしまいますが、当塾塾生なら大丈夫です。

最後の瞬間まで努力を積み重ねて、全員第一志望に合格しましょう!

【大学受験について、受験生や保護者様に共有していただきたいこと】

今年の受験生・・・、いや、去年の受験生もそうでしたが、文部科学省に翻弄されることとなりました。

最初にお伝えしたいことは、文部科学省に大きな決定権はなく、大学側との意識にも大きな温度差があります。

『センター試験を廃止して、思考力を問う問題にシフトチェンジする』だとか『マーク偏重から記述重視に変更する』だとか『英語は4技能を導入する』といったことを文部科学省は謳っていましたが、実際に国公立大学・私立大学側の反応は冷ややかで、全く何も変更されませんでした。

特に旧帝大などはいち早く、『二次試験は従来通りとする』旨を発表しており、文部科学省の言い分などどこ吹く風といった印象でした。

ここでしっかりと認識しておかなければならないのは、文部科学省と大学側では考え方と試験の難易度に大きな乖離があるということです。

もちろん大学入学共通テストは、全ての受験生にとって大切なものではありますが、ここはゴールではなく、ほんの入り口に過ぎないということです。

野球に例えると、大学入学共通テストと、国立二次試験や難関私立の問題では、高校野球とメジャーリーグくらい難易度の差があります。

論より証拠、今から大学入学共通テストと某国立大学の英語の問題の『日本語訳』を一部紹介します。

〈大学入学共通テスト -29年度試行調査ー〉

あなたは香港のアミューズメントパークに行くことを計画している。あたなはそのウェブページを見ている。

新着ニュース 新しいショー『海賊の冒険』は11月13日に始まります。

下のカレンダーでは、開園時間と閉鎖時間、そして混雑のレベルを見ることができる。

(…続く)

これが大学入学共通テストの英語の問題です(もちろん、テストは英語で書かれています)。

一方、以下は某国立大学の二次試験の問題(同じく英語で書かれているものを日本語で紹介します。山口が指導を担当している塾生はここから先は読まないでください)。

〈某国立大学〉

科学の究極的な基盤は一連の仮定であり、これは普通公理と呼ばれる。これは例えば、宇宙はどの方向にも無限であるとか、地球という惑星上で研究される科学は、宇宙の他のいかなる場所であっても同じ状況ではまったく同じ結果を生み出すとかいった言明である。このような公理が真であることを証明することは不可能であるが、科学の目的の一つは、こうした公理を絶えず見直していくことであり、また、そうであるべきである。例えば時間の概念は、今世紀までは、どんな場所のどんな観測者にとっても同じであると暗黙の内に考えられていたが、アインシュタインは、時間は厳密に言えば局所的なものだということを示した。時間は一定不変であるという公理は、アインシュタインの理論が受け入れられるとすぐに粉砕された。

(…続く)

これが延々とすうB4数ページに渡って続き、もちろんこれらの内容が英語で書かれています。

ついでにもう一つ、英作文も紹介しておきます。

〈同国立大学の英作文〉

(1)茶室の窓はヨーロッパ的な意味の窓とは根本的に異なっている。それは外を見るためではなく、外の気配を感じとるためにある。我々はそこに映る樹木の影がゆれるのを見て外の風を感じ取り、この影が薄くなるのを見て日没を感じ取る。茶室の窓は外の光を抑制して内部に入れることを役割としているのである。

どうでしょうか?

日本語訳を見ただけでも、大学入学共通テストと国立大学の二次試験では、難易度に決定的な差がありますし、ほとんどの国立大学は二次ウェイトが1:1以上です(ちなみに名古屋大学は2:3です。大学入学共通テストは、難易度的にも配点的にも入り口にしか過ぎません)。

これを踏まえると、高校の3年間は大学入学共通テストをゴールにして過ごしてはいけないということが分かるかと思います。

レベル的に言えば、高校2年生の冬くらいには終わっていなければなりません。

そうじゃないと、国立二次や早慶、G・MARCHや関関同立の対策なんてできないのです。

大学入学共通テストが1月の半ば、私立大学や国公立二次はその訳1ヵ月後ですから、たったの1ヵ月でこの大きな溝を埋めることは絶対にできません。

この対策はもちろん早ければ早いほどよいです。

当塾が学校の授業のペースを度外視してどんどん前倒ししていくのはこのためです。

中学生が高校の単元を学習する、高校1年生が早慶の課題に取り組む、一聴すると非現実的に感じるかもしれませんが、本人にやる気があれば大概のことはできます。

それよりも、一生懸命大学入学共通テスト対策をしてきたのに、試験終了時に『さあいよいよ私立と国公立二次対策に入るぞ。一か月しかないけど頑張ろう!』と言われた時の受験生の心境はどうでしょうか?

前倒しの指導なんかよりはるかに難しく、大きな絶望を味わうことになります。

塾や予備校に行かずとも、第一志望に合格していく受験生はいるでしょうが、大多数はどこかのタイミングで塾に行くはずです。

仮に1年間塾に通うとしましょう。

だとすると、高校1年生のときと高校3年生、どちらが良いのでしょうか?

これは絶対に高校1年生です。

具体例を英語で上げると、間違った学習法で2年間返り読みを続けた受験生が、高校3年生になって当塾に来たならば、まずそれを全て忘れてもらうことから始まります。

そしてそれまでとは全く異なる学習法をお伝えしていくことになります。

これは受験生にとっては大きな負担なのです。

それならば、早期段階で正しい学習法を身に付けた方が良いのは間違いありません。

ただ、これについても山口が主観でお話していることですので、全てを一方的に信じる必要はありません。

いろんな学習法、いろんな考え、そしていろんな学習塾の中からベストな道を見つけていただけたらと存じます。

ただ一つ、間違いのない事実は、『大学入学共通テストと国立二次や難関私立の問題では、難易度に天と地ほどの差がある』ということです。

したがって高校の3年間、中学も含めてよいなら6年間は、最後のゴールが何なのかをしっかりと見据えて、計画的に学習していく必要があります。

今回ご紹介させていただきました『某国立大学の二次試験の英語の問題』は、高校3年生の夏休みから取り組んで何とかなるものではありません。

これが半年やそこらで何とかなるのであれば、山口は当塾で何年も頑張ってきた塾生に申し開きできないです。

当塾を選ぶか選ばないかはまた別の問題で、難関とされる大学、人気のある大学の対策は、一朝一夕では対策は取れないのだということをご理解いただけると幸いです。

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