最近人気の名古屋市立大学について
当塾からも今年2名受験予定の名古屋市立大学について少しお話いたします。
ここにきて人気が高まっていますね!
ちなみに今年受験する予定の2名の塾生ですが、まあ多分大丈夫だろうなと相変わらず無責任に断言させていただきます。
理由は名古屋市立大学の特徴にあります。
①共通テスト逃げ切り型であること(共通テスト:二次 = 7:3)
②二次試験が2教科のため(※医学部、薬学部は3教科)
①に関して言えば、このままいけば2名とも700点前後は取れるはずなので、よほどのことがない限り大丈夫かなと思われます。
仮に①で何らかのミスが起きたとしても、両名ともここまでがっつり英語と国語の記述対策をやってきましたので、よほどボーダーを下回らない限りは大丈夫です。
ただし、もちろんこれは名市大が簡単だというわけではありません。
偏差値的にも難関大ですし、正直なところ、①でこけたら挽回の可能性はほぼありません。
理由は以下の二点です。
(1)二次試験がとんでもなく難しい上に、2教科しかないため、逆に二次のボーダーそのものが高い
(2)昨今の私立大学の難化の影響を受けて、例年以上に旧帝大受験予定者が名市大に流れてくる
(1)について言えば、数学と国語は割と普通の難易度なのですが、英語がとんでもないです。
コンプライアンスに触れない程度に、ほんの一部だけご紹介させていただきます。
これはほんの一部です。
まだまだ長文は続きますし、とどめに名市大恒例の150字自由英作文があります。
問題の長さもさることながら、英文の難易度が結構えぐいです。
もちろん、京大や阪大、早慶や東京外語など、英語最難関とされる大学に比べればまだ取り組みやすいですが、正直生半可な対策では手も足も出ませんし、共通テストの長文とは比較にならないほど難しいです。
英文だとピンと来ないかと思われますので、一部長文の和訳をご紹介いたします。
『多くのイギリスEU離脱論者は、1973年にイギリスが参加したのは自由貿易圏であり、それがただあとになって政治連合へと変化しただけだと主張する。新たな自由貿易協定がすぐに合意される可能性があるので、EUを離脱しても大陸との貿易が長期的に途絶えることはないだろうと彼らは言うのである。しかし、EUの単一市場は自由貿易よりも深いものである。関税と基準規制などを含む非関税障壁の両方を廃止するのだ。それにより…。』
こんな文章が英語で延々と続いて、しかも記述ウェイトもかなり高いため、難易度はかなり高いです。
これが冒頭で『共通テスト逃げ切り型』と言った理由です。
正直共通テストで落としてしまったら、後は英語の偏差値が65~70はあるような連中との闘いになりますので相当厳しいです(おそらく、それまで名古屋大学を目指してきていた受験生がライバルになりますので…)。
もちろん、単語やイディオムのレベルも非常に高いです。
正直、ターゲットやシス単などの、初級レベルの単語帳だけでは対策は厳しいです(名市大の英語の特徴として、経済関連のトピックが取り上げられることがかなり多く、できれば英検準1級用の単語帳や、リンガメタリカ(Z会)などで補強しておきたいところです)。
当塾が高校1年生や2年生の内から単語単語と口やかましく塾生に訴えかけるのは、そういった理由からです。
厳しいことを言えば、ターゲットレベルの単語帳は遅くとも高校2年生の終わりには終わっていて、3年生になってからは難関大用に別の単語帳に取り掛かってほしいです。
今回は名市大を例に挙げさせていただきましたが、各大学傾向が違いますので、みなさんの志望校に合わせた対策が必要となっていきます。
常々弊ブログでも申し上げておりますが、これは共通テスト対策では到底追いつくものではありません。
共通テストが広く万人に開かれた、基本的な問題だとするならば、各大学の二次試験や私立一般の問題は、受験生をふるいにかけるためのミクロな問題となります。
欲を言えば、少なくとも英語や国語、数学(※理系は例外として)などの主要な教科は、遅くとも高校2年生の終わりには完結させたいところですし、事実中高一貫私立や一部の上位公立高校はそういう対策を取っています。
余談ではありますが、有名な開成・灘・麻布・筑波大学付属駒場・早慶などは、中学校の頃から大学入試対策に取り組んでいたりします。
もちろん、どの道を通っていくかは人それぞれですし、(何もそこまでやる必要はないんじゃないのか…?)と思うことも自由なのですが、変わらない事実として、難関大学志望者のライバルにはそういう連中もいるのだということです。
したがって、どこで本気になるのかももちんみなさん次第なのですが、仮にスタートが遅かったのだとしたら、やはりそのツケはみなさん自身が払っていくことになります。
受験勉強、特に大学受験の対策は本当に大変なものですが、当然早いに越したことはありません。
”早すぎる!”なんてことはありませんので、高校1年生、2年生のみなさん、ぜひぜひ志望校の赤本をペラペラとめくってください。
解けるか解けないかはさておき、みなさんは少なくとも1年後、2年後にその問題に向き合うことになります。
敵がどんなものかは知っておくべきです。
共通テストがゴールだと思って共通テスト対策にがむしゃらになったとして、残り一か月ほどで二次対策ができるでしょうか?
特に高校2年生のみなさんは、受験本番まであと一か月とひと月ほどしか残されていないという現実をしっかりと理解しておかなければなりません。
くどいようですが、みなさんが一番行きたい大学の桜咲く門をくぐれるように、限られた残りの時間を全力で頑張りましょう!