完全1対1と、1対2,1対3の塾はどちらの方がよいのか?
先月ご入塾いただきました保護者様から、タイトルのようなご質問をいただきました。
このようなご質問は本当に大切だと思います。
山口も含めてですが、そりゃあ塾の紹介なんてものは大体調子のいいことをいうものです(笑)。
ですから100%信じるのではなく、半分は批判的な思考を持ってお話を聞いていただけたら幸いです(※批判的とは悪い意味ではなく、物事の良しあしを考えて評価・判断していただけたら幸いです)。
話を戻しまして、タイトルの問題ですが、結論から言えば『お子様に合っているのであれば、どちらでもいい』ということになるのですが・・・、それでは身も蓋もないのでもう少し掘り下げてみます。
『お月謝がまったく同じでも1対2や1対3を選ぶ』というのであれば、1対2や1対3を選択された方がいいと思います。
しかしながら、(いや、月謝が同じならそりゃあ1対1の方がいい。)と思われるのであれば、このお悩みは指導方針の問題ではなく、費用の問題ということになります。
1対1のデメリットは、もちろんいくつかあるのでしょうが、真っ先に上がるのはお月謝です。
当たり前と言えば当たり前なのですが、1対2や1対3であれば、同じ1時間2時間の講師のお給料を、2名、3名の生徒さんが負担する形となりますので、当然お月謝は安くなります。
集団だと20名30名で補うわけですからもっと安くなります。
あとはもちろん、講師そのものがお子様に合うのかどうかという問題もあります。
私個人は、時間対効果、費用対効果ともに『完全1対1が一番である』と信じてはいますが、肝心の生徒と講師の相性が合わなければ、まったく意味がありません。
高いお月謝を払っているのに、1年経っても効果が出ないということも起こりえます。
もちろんその逆で、お月謝が安い塾に預けて、同様に1年経ってもまったく効果が出なかったというのであれば、それは安物買いの銭失いということになってしまいます。
だからこそ、入塾の際は色々な塾の体験授業を受けていただいて、隅から隅まで話を聞いて、総合的に判断してほしいのです。
私たち自身は、当然ですが『自分たちが一番である』と信じてこの方針を貫いておりますが、それはどこの塾さんも同じような信念を持たれています。
1対2、1対3、集団授業や映像授業、様々なスタイルがあるかと思いますが、どの塾でもしっかりと実績を出されているのではないかと思います。
だからこそ、いいことも悪いことも、隅から隅まで聞いてください。
そりゃあいいことなんていくらでも言えるんです。
だからこれから当塾の体験授業を受ける予定のみなさまにおかれましても、ご遠慮なく気になることはどんどん聞いてほしいです。
もちろん、私の方からも余すことなくお時間の許します限りご説明させていただきます。
【学生時代の失敗談】
ちなみにこのお話も既出ですので、何となく読んだ覚えがあれば飛ばしていただけたらと存じます。
学生時代のことですが、2つ目のアルバイトで1対3の学習塾の講師をやったことがありました(※ちなみに西尾市ではありません)。
これも結論から言うと、1ヵ月ほどで辞めさせていただきました。
(この根性なしが!)と思われるかもしれませんが、これにはもちろん事情があります。
その塾の指導のスタイルというのがこのようなものでした。
これを見るとそんなに悪いシステムのようには見えません。
ただしここにも書かれています通り、『授業60分』と書いてあるのに『指導20分』というところはしっかりと抑えておかなければなりません。
当然ですが、実際にはこの『60分』という時間を3人で分けるのですから、実際に指導を受ける時間は『20分』ということになります。
確かにお月謝は安いかもしれませんが、実のところ指導時間も『3分の1』になっているということは認識しておく必要があります。
ですが問題はそこではありません。
1対3でも最大のパフォーマンスを発揮できる講師もいるでしょうし、実際に成績が上がっている中高生も間違いなくいます。
ただ、『山口の場合はこうだった』というだけの話ですので、参考程度に聞いていただけたらと存じます。
まず山口が担当した3名の生徒、こんな感じでした。
A君:中学1年生男の子、落ち着きがなく勉強嫌い
Bさん:中学3年生女の子、まじめな性格で英語がニガテ
Cさん:高校3年生、京都大学志望、数学がニガテ
これを見た当塾の塾生はすぐに思ったことと思います。
(あれ?山口Cさんの指導できるの??)
もちろんできませんでした(苦笑)
山口といえばだれにも負けないくらい数学がニガテなんです。
ましてや京都大学志望、教えられるわけがありません。
この3名の中できちんと効果が出るのはBさんだけです。
他の塾さんは分かりませんが、山口が勤めさせていただいた塾ではこれが普通でした。
同じ曜日の同じ時間に、同じような学年と学力、ニガテな教科も同じ生徒が集まることなんてまずありえないので、このように学年もニガテ教科も、志望校すら違う生徒を同時に指導するなどという無茶ぶりが起こっていたのです。
これははっきり言って無理です(少なくとも山口の教務力では)。
今でも無理ですね。
・・・。
いや、というよりも英語と数学を同時に教えるなんてことが、果たして本当にできるのでしょうか?
やっつけでいいならまだしも、100%のクオリティで。
ここで考えていただきたいのが、『何のために中学校や高校の授業は分業制になっているのか?』ということです。
数学の先生は数学だけを、英語の先生は英語だけしか指導しないはずです。
それは予備校なども同じですね。
プロでもできないことをなぜ学生アルバイトができるのか?と問いたいのです。
そうなると当然、『教える側が分からない…』などということも出てきます。
そこで思いつくのが、『自主的に学ぶ姿勢を作る』と聞こえのいいことを言って、生徒に丸投げしてしまうのです。
いや、もちろん主体的に考え学ぶことは大切ですよ?
でもそれは飽くまでも、指導する側が完璧に理解しているうえで、本当に考え抜いて分からなかったときは正しく指導ができることが条件です。
『教える側が分からないから、生徒に考えてもらう』というのはただの無責任です。
そんなわけで当時の山口、責任者といいますか当時の塾長先生に、『すみません…自分の力じゃCさんはとても指導できません…。』と申し出たところ、驚愕の答えが返ってきました。
『おまえ同志社なんだろ?そんなもん適当にチャート見て教えとけばいいだろ!』もうすぐに辞めました。
これが無責任だというのであれば、甘んじてお叱りの言葉も受けますが、私には自分がニガテなものを、お金をいただいて指導を続けるということの方がよほど無責任だと思えるのです。
何度も申し上げますが、西尾の塾さんではありません(というより、愛知県ですらありません)。
そういったわけで、塾を選ばれる際は、指導方針、お月謝(もちろん費用も大切な要素です)、どんな講師が指導するのか?、自習室の環境はどうなのか?、質問はいつでもできるのか?などなど、気になることは全てお聞きください。
そのために無料の体験授業や説明会などがあります。
即決などする必要はありません。
即決を促す塾、契約書にサインをするまで帰らせてくれない塾というのは、自分の利益のことしか考えていません。
逆に即決することで、ご家庭にどんなメリットがあるのかを考えてみてください。
もしかしたら、『いい講師はすぐに埋まってしまいます!』などと言ってくるかもしれませんが、それなら埋まりそうなときに連絡してもらえばいいだけの話です。
塾選びは大げさではなく、お子様の人生を決める大きな決断です。
受験生のみなさんの時間は有限ではありますが、それでも最大限時間をかけて、悩みに悩みぬいてご決断ください。
【とはいえ…、大学入学共通テストまでは1年を切っています】
高校2年生のみなさん、いよいよ大学入学共通テストまであと『345日』です。
これは保護者様にも共有していただきたいのですが、高校3年生に必要な学習量は『平日4時間、土日はその倍以上』です。
実はこれだけやっても、残りの345日間では2,000時間ほどにしかなりません。
むしろこれでも足りないくらいです。
難関大学に合格するために必要な学習時間が『4,000時間以上』ということを考えると、現時点で厳しい判定が出ているのであればこれはもう相当追い込まなければなりません。
これが4月になってしまうと残りの日数は『292日』、夏休みから頑張ろうなどと考えているのであれば残りの日数は『180日程度』となり、とてもじゃありませんが間に合いません。
大学受験はシンプルに、時間と物量の戦いで、いかに早く危険に気づいて、逆算して対策を取れるかにかかっています。
とにもかくにも、高校2年生のみなさんは残りの時間が1年を切っています。
明日から、部活が終わってから、などと悠長なことは言わずに、今日、今から取り掛かってください。