関係代名詞の非制限用法とかいうけったいな名前の文法(※長ったらしいので最後の5行だけお読みください)

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雑談

さて、相変わらずちょっとだけ過激な内容のブログを書いてしまいましたが、誤解のないようにお伝えしておきますと、

『公立中学校で使用している教科書などは本当に素晴らしいものばかり』


ということです。


もうぜひ、ここに載っている例文はすべて覚えてほしいくらいです。


まずいのは文部科学省と、それに準ずる公立中学校の指導の在り方です。


特に愛知県はまずいですね。


もちろん先生が悪いわけではなく、『公立高校入試がオールマークになったから』です。



『入試本番ではもう書かなくていいよ~』と言われて、自発的に書くことを頑張る中学生が果たしてどれくらいいるのでしょうか?


また、以前にも増して書くことの重要さを説く中学校の先生がどれくらいいるのでしょうか?


しつこいようですが、もしも山口が公立中学校の先生であっても、『マークだけを何とか乗り切ればいい指導』に専念します。


親御さんからクレームをいただきたくありませんので(苦笑。




それでは本題に入ります。



【関係代名詞の非制限用法ってなんやねん…というお話】


本題に入る前に、今日使用する核になる文章です。


『He has three sons, who became a doctor.』

×『彼には医者になった息子が3人いる。』

〇『彼には3人の息子がいて、彼らは(全員が)医者になった。』




★★★(謎の文法用語)『関係代名詞の非制限用法』★★★




高校時代に英語の授業を聞いていて、山口が全く分からなかった文法用語ベスト5に入るのがこれですね。


すみません、31年前の英語の授業中、もうぶっちぎりで爆睡してました。




だって『関係代名詞の非制限用法』ですよ??


意味が全く分からない・・・。


いや、もちろん文法そのものは理解してますよ!


なぜこんなけったいな名称がついているのかが分からない、という意味です。


それでは先日いただいた非常に難解な質問についてお話させていただくのですが・・・



この15番の問題、

『関係代名詞whichの形容詞用法』と、先ほどお話しました


『関係代名詞の非制限用法』

『関係代名詞whoseの性質』

という3つの単元を完璧に理解しておかなければなりません。


100%じゃないとだめです。



【それでは関係代名詞の非制限用法とは??】


こいつのことです。




昨日のブログで書いたような文章が書いてありますが、みなさん次の文章をどのように訳すでしょうか?



He has three sons, who became a doctor.



次のような訳は昨日の△『私には東京に住んでいる友達がいます。』以上にまずいです。

というか×です。


×『彼には医者になった息子が3人います。』


これはもう絶対ダメ!


×です。




ここで重要なのは『,(コンマ)』が打たれているということ。


どこにでも打っていい日本語の句読点とは違い、英語のコンマは100倍重要な働きを持っています。

それは主に次の二つ。


『,(コンマ)の2つの働き』


①接続詞や分詞構文などで文章をぶった切る

②等位接続詞、”and”などと同じで、同じものを並列する



そして今回のこの文章でもしっかりコンマが打たれているのですから、この文章は2つに分けなければなりません。

He has three sons, who became a doctor.

×『彼には医者になった息子が3人いる。』

などと一つの文になるわけがない。



この英文の正しい和訳は、


〇『彼には息子が3人いて、彼らは(⇐全員が)医者になった。』


これ以外ありえません。






え?


そんなんどっちでもえぇやんけ?


いや、ダメですよ絶対。



次の英文の間違いに気付けるでしょうか?


kyoto which is visited by many people has a lot of splendid landscapes.


『たくさんの人が訪れる京都には、たくさんの素晴らしい景観がある。』


この文章、和訳にはまった問題がありません。


英文の方に極めて重大な間違いがあります。


この英文はコンマをきちんと打って、次のように書き直さなければなりません。


Kyoto, which is visited by many people, has a lot of splendid landscapes.



ポイントは『京都』という固有名詞。



コンマを打ってあげることで、『世界にひとつしかない京都』ということが相手に伝わります。



逆に言えば、コンマがないだけで相手は(…え?他にも京都という場所が日本のどこかにあるの??)という風に誤解を与えてしまうのです。


いやもちろん、『西尾は小京都と呼ばれているんだから京都はひとつじゃないよ!』というのであればその限りではありませんが。




とにもかくにも『訳せるか訳せないか?』という日本語の問題ではなく、れっきとした英文法として、コンマの働きについては100%で理解しておかなければなりません。

※ちなみに余談ですが、この程度の文章ならば”which is”は省略されるはずです。


その方が書く方も読む方も圧倒的に楽ですので。



(⇒)Kyoto, visited by many people, has a lot of splendid landscapes.





そこで冒頭の英文に戻ります。


He has three sons, who became a doctor.


この文章については、コンマはあってもなくても文法的には正しいです。

ただし意味がまったく変わってしまいます。


≪コンマがあるバージョン≫


He has three sons, who became a doctor.

『彼には息子が3人いて、彼らは(全員が)医者になった。』



≪コンマがないバージョン≫




He has three sons who became a doctor.


『彼には医者になった息子がいる。』⇒(あ、コンマが打ってないから医者になった3人の息子以外にも子どもがいるんだね)


・・・という具合に、コンマがひとつあるだけで全く違う意味になってしまうのです。



これは屁理屈でも何でもなく、しっかりと使い分けないと100%減点されます。



見づらくて申し訳ございません。

(189)の解説にこのように書いてあります。

『Scotlandという、世界に一つしかない特定の地名について追加の説明をするために、コンマをつけて非制限用法にする。』


またこちらにもこのように書いてあります。

『関係代名詞を用いるならば、②の制限用法ではダメ、で①の挿入用法(非制限用法)でなければならない。

限定用法は対比を暗示して、「多忙をきわめない」首相との比較になるからだ。』


・・・何だかよく分からない説明だとは思いますが、要するに

『コンマが打たれていないと、首相が複数いることになる』という意味です。




文章での説明はなかなか難しいものがありますが、もしもよく分からなければ、

『固有名詞を関係代名詞や分詞で修飾する場合は、必ずコンマをつける!』

とだけ決めておくだけでもいいです。




念を押しておきますが、

×Kyoto which is visited by many people has a lot of splendid landscapes.


という文章は、『京都という固有名詞なのに、コンマが打たれていない』という理由だけで100%不正解です。


これは受験英語というよりも、普通にネイティブイングリッシュでも×だと心得てください。



【だから返り読みだけは絶対にやってはいけない】


ここで昨日のブログに戻ります。


I have a friend who lives in Tokyo.

この文章を『私には東京に住んでいる友達がいます。』と訳す習慣は絶対につけてはいけないのです。


それはこの文章が極めて簡単だから問題がないというだけであって、関係詞が入り乱れた複雑で長い文章になったとき、絶対に読解できません。



こんな簡単な文章だからこそ、


『私には友人がいて、その人は東京に住んでいます。』


と訳す癖を最初からつけておく必要があるのです。


受験生の皆さんの読解のスピードが遅いのは、能力や読解力の問題ではありません。


『間違った指導で、間違った英語を叩きこまれたからです。


しつこいようですが、間違った認識で英語が定着してしまうと、次のような英文は絶対に読めないということをしつこく念を押させていただきます。





中学生、高校1年生のみなさん。


いや、お父様お母様、やるなら今です。


お子さんたちは自分が間違った英語を教えられていることに気が付いていません。


間違った指導を受けたままで、高得点が取れてしまっているのです。


今お父様やお母様が動かなければ、お子様は間違った英語を存分に叩き込まれることになってしまいます。



モンゴル語を10年20年学んでも、英語ができるようになる日は永久にやってきません。











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