もう少しだけ、受験英語では計れない本当の英語

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教室長ブログ

高校生諸君、次の英文はどう訳すでしょうか?



I had to finish my homework, although I was so tired.


おそらくはほとんどの高校生が、


『私はかなり疲れていたけれども、宿題を終わらせなければならなかった。』

と訳すはずです。


しかしながら実際のところ、山口はそう思ってこの英文を書いておりません。


これも後ろから訳す必要なんてまったくなくて、そのまま英文通りに、左から右に訳せばいいんです。



『私は宿題を終わらせなければならなかったけれども、実際のところかなり疲れていた。』






【プロの翻訳家が訳す”although”】


Pete said, “I’m not afraid.” He spoke stoutly enough, although he was afraid, a little. (スティーブン・キング『マイル81』より抜粋)


接続詞”、although S V~”は受験英語通りならば、『SVだけれども』と訳すのが鉄則です。


しかしながら、”although S V~”をそのように訳してしまうと、どうやっても後ろから訳さなければなりません。


上の文章、プロの翻訳家はこのように訳しています。


『ピートは言った。「へっちゃらさ」、胸を張ってきっぱりと言い返したものの、内心は少し怖かった。』(風間賢二訳)



この文章を受験英語に合わせて訳すと・・・


『ピートは言った。『へっちゃらさ』、内心は少し怖かったけれども、胸を張ってきっぱりと言い返した。』



これ、後ろから訳すという時間的なロスもそうですが、日本語としても何とも釈然としないものになります。


ここで最も強調したいものは、『(強がって”へっちゃらさ”とは言ったけれども)実は内心は怖かった』の部分です。



『きっぱり言い返した』のところではありません。


だから英語の語順そのままに、日本語訳も最後は『(実際は)内心怖かった』で締めくくるべきなのです。


しつこいようですが、日本語と英語は決定的に文構造が異なるため(※特に語順において)、どうしてもこのような乖離は生まれてしまうものですが、その乖離を可能な限り埋めていく必要があります。




しかし残念ながら、おそらく学校の授業ではそこまで対応するのは難しいかと思われます。


(※仮に山口が公立高校の教師だったとしても、こんな話は絶対にしません。

偉い人たちに怒られてしまいますので・・・。)



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