お父さんお母さんが興味を持っていることには子供も興味を持ちます
Children who find their parents afraid of bathing in a river can infer that the river is dangerous without having to test it out for themselves.
この一文で『関係代名詞』『第5文型のfind』『SV that』『接続詞』と、高等英文法の基礎がまるまる学習できてしまうという、大変お得な例文です。
ただ、そのどれか一つでも欠けていたら、この英文を読解することは難しいでしょう(答えは後ほど)。
さて、いきなり高校生の英文からスタートしましたが、今回のブログはお父さんお母さんに向けてです。
先日朝のニュース番組を見ていたら、アナウンサー同士で非常に興味深いやり取りがありました。
どうやらある男性アナウンサーが東大出身だったらしく、ある女子アナさんがこう質問します。
『○○さんはどんな勉強してたんですか??』
それに対してその男性アナウンサーはこう答えます。
『特に珍しいことはやっていないのですが・・・小学生の頃母親が一緒になって、クイズみたいに問題を出してくれてましたね。』
これ、すごく大切ですよね。
子は親の背中を見て育つと言います。
この男性アナウンサーからしてみれば、母親が自然に勉強しているから、特に『勉強しなさい!』などと言われなくても、『勉強することは普通のことなんだ』と認識していたのでしょう。
先日当塾の塾生の女の子が都築先生にこう言ったそうです。
『学校の先生がこんな風におっしゃってたので・・・』
ちなみに中学生の女の子なのですが、恐らくこの塾生のお母さんは普段からご家庭で『先生はどうおっしゃってたの??』、と言った感じで、自然に対話されているのだと思います。
これを『目上の人の行動については謙譲語を使う必要があるから、「先生が言う」じゃなくて「先生がおっしゃる」って言わなきゃいけないよ。』などと教えていたら、日常会話の中で自然に謙譲語を使うことは難しいかもしれません。
話は変わりまして6年前のお話。
ある中学生の女の子とお母さんの、入塾面談をさせていただいたときのことです。
『この子は何度言っても勉強しないんです。あまりにも勉強しないんで、つい叩いてしまったこともあります。』
世のお父さんお母さんどうでしょうか?
客観的に見れば、お父さんお母さんの『勉強しなさい!』や『あなたの将来のために・・・』みたいな枕詞がどれだけ無力か分かると思うのですが、ついつい大切な我が子に同じようなことをしていないでしょうか??
もちろん、それが功を奏した例もあるので、一概に否定はできませんが、あまり効果的とは言えないでしょう。
話しているとお母さん、英語や中国語に興味があるとのこと。
さすがに中国語の参考書は持っていませんでしたが、山口は無駄に100冊近い英語や英会話の参考書を持っていたので、それをお母さんに渡しました。
『家事をやりながらでいいので、この英会話のCDを流してシャドーイング(音声に合わせて音読すること)してみてください。外国人になりきって。あと、○○さんに「勉強しなさい」は一切言わなくていいです。』と付け足して・・・。
かくして約一か月後くらいでしょうか?
○○さんは能動的に英語を勉強するようになりました。
正直言うと入ってきたのが中学3年生で、○○さんの興味は英語にしか向かなかったので、高校受験には間に合わなかったのですが、大学受験では見事立命館大学に合格しました。
高校に入ってからも相変わらず数学などには興味が出なかったのですが・・・。
しかしやる気が出た英語は、センター試験で発音を1問ミスしただけの198点でした。
先日お母様からお電話をいただき、今は英語の先生を目指しているとのこと(○○さんの妹さんの塾を探していたら、たまたま山口のことを見つけてくれたとのことです)。
「すいませんけどブログに書かせてもらってもいいですか?」とお聞きしたら、「どうぞどうぞ。娘も喜ぶと思います。」とのこと。
だから言えるのですが、彼女が入塾してきた当初、学校の成績は平坂中で180番くらいだったのです。
学校の先生からは、「提出物も授業態度も芳しくないので、私立専願も考えておいてください。」と言われるような状況だったのです。
もしこのとき、山口が『お母さん、○○さんの今の成績とやる気では本当に厳しいです。週5で授業やらないと間に合いません。』などと言って缶詰で勉強をさせていたらどうなっていたでしょうか??
もちろん、それはそれで、もしかしたら『立命館大学合格』よりも、いい結果が出ていたかもしれませんね。
それは神のみぞ知るところです。
ただ、勉強が本当に大嫌いで、その大切さも知ることができずに育った子に、無理やり頭を押さえつけて勉強をさせても、出てくる結果にあまり期待はできないと思うのです。
極端な例で申し訳ないのですが、それは大人社会でも同じだと思います。
自分よりも仕事をサボっている上司に、『見積もりが甘いからやり直せ!』『数字も達成してないのに定時に帰るの??』なんて言われても、やる気なんて出ないと思うのです。
社会人だからそんな甘いことは言ってられない!という意見もあるかもしれませんが、お子さんたちは社会人ではありません。
まさにこれから成長していく、一番多感で一番大切な時期なのです。
ちなみに山口ですが、前職では非常に上司に恵まれまして、『数字の責任は全部上司である自分にあるから』『この業務は今覚えるべき仕事ではないから、全部おれに振って』と言ってくれた上司でしたので、逆に自然に全ての仕事に頑張ることができました。
この方は誰よりも自分に厳しく、誰よりも周囲に対して献身的だったので、自然と周りからも慕われ、部下たちも非常に前向きな姿勢で仕事に取り組むような環境ができていたのです。
その上司とは今でも交流がありますし、時々食事したりしています。
学校も塾ももちろん大切です。
ですが子供たちにとって一番大切なのは、毎日帰る家であり、一番頼りにしているお父さんお母さんなのです。
それはいい歳をした山口でも、いまだに思うことです。
そしてこの駄文を最後までお読みいただいたお父さんお母さんにとっても同じことを思わないでしょうか??
やはりお父さんお母さんというのは、子供にとって何にも代えることができない大切な存在なのです。
そんなお父さんお母さんの言葉や行動一つ一つは、学校や塾の先生のそれよりも大きな影響力を持っているのです(・・・なんて塾の講師が言ってはいけませんが・・・)。
『勉強しなさい!』は学校や塾の先生に任せて、お父さんお母さんはお子さんをサポートして、自然体で勉強することの大切さを教えていただけたらと願います。
さて冒頭の英文の和訳です。
Children who find their parents afraid of bathing in a river can infer that the river is dangerous without having to test it out for themselves.
親がある川で水浴びをすることを恐れているのに気付いた子供は、自分で試すまでもなく、その川が危険だと推測することができる。
『川で遊ぶと危ないよ!』と親が言うよりも、親自身が川を恐れていたら、子供は自然に川が危険であることを認識できるという例文です。
もし高校2年生以上のお子さんで、この英文の和訳にてこずっているようでしたら、ぜひぜひ一度体験授業にいらしてください。
いつも以上に乱筆乱文になってしまいましたが、本日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。