教師の言葉は重い
前回のブログの続きになってしまいますが、一応私のような端くれも加えさせていただくならば、教える側の発言は大きな影響力がありますし、責任を持たなければなりません。
一般市民が盲目的に警察は正義だと信じているように、教えを受ける側にとって指導者の発言というのは盲目的に信じてしまうものなんです。
しかもたちが悪いことに、生徒にとってはいい発言よりも、悪い発言や傷つけられた発言の方がずっと後まで残ります。
不肖山口も、きっと今まで恩師から素晴らしい言葉をかけていただいたのでしょうが、残念ながら記憶に残っているのは、自分にとってつらかった発言ばかりです。
再三当ブログでも取り上げておりますが、山口が学年でビリになってしまったときの、当時の担任のM田先生の言葉、
『おまえ、この成績だとどうしようもないし、もう受けるところないぞ。』
『おまえみたいなバカがいると、周りにバカがうつるからもう学校来なくていいぞ。』
・・・今のご時世だと考えられないかもしれませんが、当時は割とこんな先生、普通にいた気がします。
ひどすぎるよ!と思われるかもしれませんが、前回のブログで取り上げた、当塾の塾生にかけた先生の言葉は同じくらいひどいと思っています。
本人は中学2年生であれこれ悩んでやりたい仕事を見つけ、そのためには大学に行かなければならないことを知って、何とかしなきゃと思ってお母さんと一緒に当塾に来てくれたんです。
入塾当初(中学2年生、ちょうど1年前です)の成績が大体5教科350点くらいだったので、私自身も入塾面談で、『今のままだと厳しいよ。』と伝えました。
ただし、『本気でやれば絶対に成績は上がるから、何があっても第一志望は変えないでね。』とも付け足しました。
かくして、本当に少しずつ少しずつ努力を積み重ねて、彼女のペースでしっかりと右肩上がりで成績を上げて、やっとここまでたどり着いたのです。
・・・で、最後の面談で、『危ないから志望校を1ランク下げなさい』ですよ。
塾生の話を聞いている限り、1ランクどころか2ランク3ランク下げさせようとしているくらいです。
もちろん、第一志望に合格する保証なんて、どこにもありません。
それどころか今やっと、最後の最後にボーダーラインにたどり着いたところです。
だけどね、ここで志望校を下げさせるなんて、じゃあ今まで何のためにこの子は頑張ってきたんだって言いたいんです。
前回のブログと重複しますが、ここでそんな超が着く安全策を取って、目の前の挑戦から逃げ出したら、次の大学受験でもその先の就職試験でも・・・、いや、この後70年80年は続いていくであろう彼女の人生で、挑戦をせず妥協して安全策を取り続けるようになってしまうでしょう。
本気で目標に向かって頑張ったのなら、そこで負けてもいいんです。
もちろん勝つのがベスト。
一番まずいのは、自分の限界に早々にボーダーラインを引いてしまって、何もしないことです。
その逃げ癖は永久についてまわります。
そしてこの先生は、大切な自分の教え子に、『今までよく頑張ったけど、このままじゃ厳しいから目の前の挑戦から逃げて、安全策を取りなさい。』と言っているのです。
冒頭述べましたが、年頃の中高生にとって、教師の言葉は何よりも重いです。
一生忘れられないものです。
そしてこれも重複しますが、いいことよりも悪いことの方が、子供の記憶に残り続けてしまうのです。
そんなわけで最後にですが、小説『赤毛のアン』よりこの言葉を紹介させていただきます。
“I bigin to understand what is meant by the ‘joy of the strife’. Next to trying and winning , the best thing is trying and failing .
『「努力の喜び」というものが分かりだしたわ。一生懸命にやって勝つことの次にいいことは、一生懸命にやって落ちることなのよ。』
これは翌日のクィーン学院の卒業試験に臨む主人公アンが、同じく試験に対して不安になっている同級生たちにかける言葉です。
もちろん勝つのがベスト。
ただし本気で頑張って最善を尽くしたのなら、そこで失敗してもいくらでも挽回のチャンスはあります。
一番まずいのは『努力をしないこと』『挑戦をしないこと』。
今中高生諸君がやるべきことは、最後の最後まで諦めずに全力を尽くすことです。
今から『無理無理星人』になってはいけません。
そして学校の先生にも、大切な自分の教え子が『無理無理星人』になってしまうような発言は決してなさらぬよう、心から願います。
さあ公立高校入試まであと少し!
今日も一日頑張りましょう!
※最後にですが、何も闇雲に『自分が行きたい高校や大学に挑戦してね!』と言っているわけではありません。
それに見合った努力もせず、可能性が低い第一志望に挑むことは、挑戦ではなく無謀です。
練習もせずに『甲子園に行きたい!』なんて言ってる野球部員に、『頑張れ!』なんて感情は起こりません。
やるからには他でもない君自身が、自分自身の目標のために全力を尽くしてください。