子供は母親の影響を多分に受けます。その影響は一生続いていきます。
本日卒塾生のお父様からご連絡をいただきました。
詳細はプライベートな内容ですので差し控えますが、早稲田に合格した当塾の初代の卒塾生です。
色々なことをお話させていただきましたが、こうして当塾を去った後もご連絡をいただけるのは本当に嬉しいですね。
たくさんお礼の言葉も言っていただき、もちろん私たちはお月謝をいただいて指導させていただいているので、保護者様や塾生のお礼のために頑張っているわけではないのですが、それでもやっぱり嬉しいものですし、この仕事を頑張っていて本当に良かったと思える瞬間でもあります。
それにしても、折に触れてよくこのブログでも書かせていただいていますが、早稲田羨ましい!
自分自身、早稲田に行きたい行きたいと高校時代は思っていたので、彼の合格をお父様のお電話で知った時は飛び上がるほど嬉しかったのと同時に、もう20年も経つのに(あの時自分も挑戦しておけばよかった…)などと思ったのでした。
まあ挑戦も何も、当時の自分は早稲田に挑戦するに値する努力をしていなかったので、悔しがる資格もなかったのですが。
【お子様はお母様の言葉の影響を受けて大人になっていきます】
もう10年ほど前になるでしょうか?(時効ということで書かせていただきます。ぜひ保護者様に共有していただきたいので)。
まだ西尾に来たばかりで前職に籍を置いていたとき、こんなクレームを頂戴しました(クレームと言ってよいものかどうか微妙なのですが…)。
そのお子様は模試の結果も常に偏差値70前後をキープしていて、大学受験も受けた大学はすべて全勝、ただ悔いが残るとすれば、土壇場で第一志望を回避したということでした。
当時の私は今と変わらず、多少厳しそうでも『諦めずに第一志望に挑戦しよう!』というスタンスでしたので、もちろんその受験生にも同じ言葉をかけさせていただきました。
ただ、本人はよほど自信がなかったのか、第一志望を諦めて第二志望の大学を受験することにしたのでした(ただ、彼の名誉のために言わせていただきますが、その第二志望も充分難関大だったのです。)
私は、本人が全力で頑張った結果なので悔いはないだろうと思っていたのですが、後日お母様からのメールでかなり御不満が残っていたことを知るのでした。
なんでも、センター試験の結果が思わしくなかったのは、当時の私たちの対応が遅かったからだとのこと。
これも当時の私と、前塾の名誉にかけて言わせていただきますが、彼のセンター試験の結果はそれまでの模試の結果を踏まえても最高得点でしたし、河合塾判定もB判定だったので、対応にも結果にも落ち度はなかったと今でも思っています。
誰もが、自分では手の届かないかもしれない憧れの大学を第一志望にしていて、誰もが合格するかどうかの押しつぶされそうな不安と戦いながら勇気を出して最後の1か月に臨んでいきます。
ただし、だからといって私は第一志望を諦めて、第二志望に変えたのだとしても、それが間違っているとは思いません。
その決断は私たちには決められるものではありませんし、最後の決断はご本人とご家庭に委ねられるものです。
何度も申し上げますが、彼は受験した大学はすべて難関大でしたし、すべて合格したのです。
もちろん、最後の最後、『ここまで頑張ってきたのだから、第一志望に挑戦するべき』という声掛けもさせていただきました。
もちろん仮定の話にはなってしまいますが、おそらく『第一志望に挑戦していたら合格していた』と今でも思っています。
そんな”たられば”の話をここでしても不毛なので、この辺にしておきますが。
ただ今となってはすべてをはかりかねるのですが、どうやらお母様の文面からは、『第一志望に合格できなかったこと(そもそも受験すらしていないので、不合格とはいえないのですが)』『第一志望をあきらめざるを得なかったのは、塾側の準備が足りておらず、ケアが不十分だった』ということがくみ取れました。
ただ、重要なのはそこではありません。
ここからが本題です。
【お母様の『ウチの子は本当にダメで…』が本当にお子様をダメにします。】
その時のお母様から頂戴したメールですが、文面上は『うちの子が勉強不足だった』『うちの子がいけないんです』『うちの子の実力不足なんです』『うちの子が・・・』『うちの子が・・・』と、一見すると『お子様を下げる』と見せかけて、私たちの対応に御不満があったことはすぐに見抜けました。
まあでもそれはいいんです。
塾側に御不満やいたらない点があれば、それは当然指摘するべきですので(ただ、彼の結果からしても、当時の私たちに落ち度があったとは今でも思えませんが)。
問題は、もうとにかくお子様をひたすら悪く言うのがどうにも耐えられませんでした。
世の中のお母様みなさんに共有していただきたいのですが、その『うちの子がダメなんです』が本当にお子さんをダメにしてしまいます。
日本の悪しき風習だと思いますが、『愚息』『愚妻』という言葉があります。
自分や身内を下げることで、自分を守り相手を上げ奉る、何とも不可解な風習なのですが、それでご自身は保たれるかもしれませんが、真横で『うちの子は本当にダメで・・・』と聞かされるお子さんの身にもなってください。
(ぼくはダメな子なんだ…)と思いながら、多感な時期を過ごしていくのです。
その影響はすぐには現れません。
もっともっと先の大学受験、就職活動、仕事先で大きなプロジェクトに挑戦できるかどうか、自分に合った最高の伴侶を見つけ幸せな家庭を築いていけるかどうか、そういった長い長い人生の節目で、(どうせぼくなんて…)と挑戦ができなくなってしまうのです。
分かりますか?
お子さんには何の罪もありません。
横で『うちの子がダメで…』『あなたがやらないからいけないのよ!』と聞かせ続けたお母様の責任です。
地球上で何にも代えがたい大切な存在のはずなのに、なぜ一番身近で、一番頼られているはずのお母様が我が子を卑下するのでしょうか?
その当時、実はそのお子さんの弟君も前塾に通ってくれていたのですが、丁重にお断りさせていただきました。
すると、『今までお世話になりました。息子には「あなたが勉強しないから見捨てられたのよ」と伝えておきました。息子は号泣していました。』と恨み節が返ってきたのです。
お母さん、違いますよ?
お母様の息子さんは二人とも極めて優秀で、素直なお子様でした。
一言で言えば、退塾をお願いしたのはお母様に原因があります。
百歩譲って当時の私たちに責任があったとしても、大切なお子様をわざわざ傷つけるように「あなたが勉強しないから見捨てられたのよ」などと彼に伝える必要があったのでしょうか?
もし本当にそんなことを伝えたのであれば、そればっかりは彼に対してかわいそうなことをしてしまったと今でも辛い気持ちになります。
ただお母さん、そこで自分を守る必要があったのでしょうか?
お母様が『わたしのせいでごめんね』と勇気を持ってお声がけをして、大切なお子様を守ることはできなかったのでしょうか?
そう考えると、十分に第一志望に合格できるチャンスを手にしていながら、挑戦することを諦めてしまったお兄さんのことも理解できます。
彼のせいではありません。
彼にそうなるような言葉をかけ続けてしまった、お母様の責任です。
(何を町の一塾講師が…)と思われるかもしれませんが、もしそう思われるのであれば、ネットで『母親 教育 影響 子供』などで検索してみてください。
専門家の貴重な意見をたくさん目にすることができると思います。