大学受験の英作文や英文和訳で合格点を取る力を身につけるのは、こんなに大変なんです。
自分は受験マニアで参考書オタクなので、英語に関してはかなりの数の参考書を手元においています。
その中でも、自分が尊敬している予備校の先生が何名かいらっしゃいます。
今回は『こんなにすごい予備校の先生でも、英作文や読解問題ではミスをしてしまう』ということをお伝えさせていただけたらと思います。
誤解のないように前提として念押しさせていただきたいのですが、揚げ足取りをしたいわけではありません。
自分は今でもこちらの先生が出された参考書は穴が開くほど読んでいますし、これからも読み続けると思います。
大切なことは、『こんなにすごい先生でも、ミスや勘違いをしていることはある』ということなんです。
そこから、中高生のみなさんが独学で記述対策をすることは本当に難しいんだということを、砂塵ほどでも掬い取っていただけたら今回のブログの目的は達成されたことになります。
【”数学の問題”はproblems?それともquestions??】
結論から言えばどちらでもいいのですが、どちらかと言えば”problems”の方がいいはずです。
それに対して呼応する動詞も”solve the problem”、”question”なら”answer the question”とコロケーションで覚えてしまいましょう。
“solve the question”と書いたら確実に減点されますし、逆もまた然りです。
理由ははっきりしていて、”problem”は『答えが一つしかないような問題』、それに伴い動詞も『解く』という意味の”solve”が使われます(※ただ、辞書を引いてみると分かるのですが、本当にたくさんの意味があります。ここでは『数学のように論理的思考を伴う問題の場合は”problem”』ということだけ抑えていただけたら大丈夫です。
“question”の場合は…とりあえず今回は割愛させていただきますが、とにかく『数学の場合は”problem』なのです。
すべての辞書にそう書いています。
しかしながら自分が尊敬しているこちらの先生はこう説明してしまっています。
“problem”は数学の問題には不適と書いています。
おそらく学習中の高校生などは、これを見て(なるほど!数学の問題の場合は”question”を使えばいいのか!)とインプットしてしまうと思います。
ネイティブスピーカーがその細かい違いに言及するかどうかはさておき、入試ではおそらく減点の対象となるでしょう。
こちらもそうです。
こちらはアメリカとオーストラリアで4年生活していた都築先生が気づいた間違い・・・というか、ネイティブスピーカーはまず使わない表現とのこと(※ちなみに自分は気づきませんでした)。
●学校を卒業する
『graduate from schoolも可だが、leave schoolの方が口語体』と書いています。
都築先生が言うには、『leave schoolには”途中で学校を辞める”というネガティブイメージも入るから、普通はしっかりとgraduatede from schoolと言うし、日常生活でもまずleave school”を卒業という意味で使うことはない』とのことでした。
自分は知らなかったのでネットで調べてみたところ、確かにそのように書いてありました。
念には念を入れて、愛用しているロングマンの英英辞典にもそのように記載されていましたので、間違いないですね。
また最後にこちらの文章です。
こちらは東京大学の英文和訳問題から。
一番下の行を見ていただけると、『この種の”芸術は”』と記載されていますが、この”art”という単語には『芸術』という意味の他に『方法、手段』という意味があります。
今回は後者の方です。
まったく同じ英文について、『英文読解の透視図』ではこのように和訳しております。
ここでは『この種の表現方法は』が正しい訳となります。
これにいたっては確実に減点されてしまいます!
ただ冒頭で念を押させていただきました通り、自分は何も揚げ足取りをしたいわけではありませんし、このような間違いを発見しても、この先生に対する信頼は揺らぎません。
この先生が執筆された参考書を10冊ほど持っていますし、毎日絶対に目を通すようにしています。
それくらいすごい先生だと自分は確信しているんです。
ただただ、『言語というものはそれくらい難しいし、間違いは誰にでも起こり得る』ということです。
考えてみれば、私たちが普段使う日本語でも、『俯瞰する』『ご自愛』を正しく使えている中高生はそんなにいない気がします(※ちなみに『お体をご自愛ください』は間違いです。)
しかしながら、それが場末の居酒屋の雑談程度なら問題にはなりませんが、中高生のみなさんにとって何よりも大切な『受験』に影響してきます。
断言します。
受験レベルの記述問題を、中高生のみなさんが独学で何とかすることはかなり難しいです(これは英語に限らず、数学や英語にも言えることですが)。
不可能とはいいませんが、無駄に時間と労力がかかってしまいますので、かなりコスパが悪いです。
加えて、予備校トップクラスの講師ですらミスや勘違いをしてしまうのですから、正直中学校や高校の先生だけで、全生徒分を対応することは不可能です。
これは中学高校の先生の力量不足を指摘するものではありません。
質的に、また物理的に無理だと言いたいのです。
西高3年生は先日記述模試がありましたし、東高は今週末試験があると思いますが、(これはまずい!)と思った高校3年生はぜひぜひお問い合わせを!・・・と思ったら、新規高校3年生は締め切ってしまったのでした。
ですので、高校1、2年生、また中学生で国立を目指している受験生諸君はお気軽にご連絡くださいね!
当塾の記述対策は、『受験英語ガチガチの山口』と、『都築先生によるネイティブチェック』も入るので二段構えです!
というわけで言いたいことはまだまだあったのですが、授業が始まりますので本日はこの辺で!
最後になりますが、『英語の記述問題』は国公立を目指すのであれば、文系理系を問わずマストです。
やらなければかなりのハンデを背負うことになりますし、時間と労力もかかるものですので、早めに手をつけてください。
来年の1月に大学入学共通テストでボーダーを超えて、『じゃあラストの一か月で記述対策しようかな!』では絶対に間に合わないということを付記しておきます。