古文の学習法
先日高校生の女の子から古文の学習法の質問をいただきました。
え~こう見えても自分、昔は古文大得意でした!
今はM先生がいてくれるので、古文の指導はすべてM先生に丸投げしておりますが、今でもそれなりに自信はあります。
古文の学習法ですが、他の文系科目と同じです。
『ひたすら暗記』・・・、なんてことを言うと身も蓋もないので、しっかりと整理しますね!
1.古文単語300単語覚える
2.助動詞を完璧に覚える(これが一番重要)
3.敬語をきちんと整理しながら覚える
4.最後に和歌
まあ古文単語を覚えるのに、コツもへったくれもありません。
英単語と同じです。
とにかく声に出しまくって、現代語と意味が異なる単語などは特に念入りに覚えてください。
2の助動詞。
これ、驚きなことに一番重要であるにも関わらず、なぜだかほとんどの高校生が覚えていません。
まあまだ本格的に覚える必要はないかもしれませんが、それは英語や数学などの重たい科目の土台ができ上っている高校生だけ。
自分はよく『古文は夏前から、漢文は9月以降でも大丈夫』とは言いますが、それはやるべきことができている場合のみ言えることです。
そして古文学習の肝になる助動詞ですが、やるべきことは実はシンプルです。
助動詞を難しくさせているのは、活用や識別で意味を導き出すことですが、そんなことを考えてしまうからやる気が出ないのです。
まずみなさんがやるべきことは、『28個の助動詞(ただのひらがな)をとりあえず全部覚えること』、これだけです。
意味なんて何も考えずに、『る らる す さす しむ ず む むず まし じ まほし』『き けり つ ぬ たり けむ たし』『らむ らし めり べし まじ なり』『なら たり り』
ちなみにこの順番は、『 』内の塊さえ守ってくれたら、語順は何でもいいです。
この語順も、山口が高校時代に覚えやすいと思った語順に一部並び変えていますので、教科書や参考書の語順とは一部異なります。
みなさんの覚えやすい語順で覚えてください。
とにかくこれを覚えてしまうこと。
次に、助動詞一つ一つの活用を覚えていきます。
『れーれーるー るる るれ れよ』みたいなやつ。
もう意味なんて考えない。
意味を考えるから勝手に難しく感じてしまってやらなくなるんです。
だからとりあえずひらがなの塊を覚えまくることに徹してください。
そして最後に、助動詞一つ一つの意味と識別を覚えていきます。
助動詞には簡単なものと、識別が難しいものがありますので、まずは簡単な『き けり』あたりから練習していきます。
これが大まかな助動詞の学習法です。
所要時間は大体100時間くらいでしょうか?
次の敬語。
敬語の学習法について書いていくと、字数が大変なことになりますのでここでは割愛します。
それに、できればこれは塾生だけに教えたいので、秘密ということで・・・。
ただ、敬語の重要性についてだけはお伝えしておきます。
模試などを解いていれば分かりますが、『主語は誰か?敬意の対象は誰か?』という問題が必ず出題されます。
これは『尊敬 謙譲 丁寧』を完璧に抑えておかないと絶対に解けません。
古文では主語が省略されることは普通ですし、あの短い文章の中に多数の登場人物が登場します。
敬語を抑えておかないと、まずボロボロになります。
そしてはっきりとお伝えしておきますが、早稲田などの一部超難関私立を除けば、大学入学共通テスト(旧センター)の古文はめちゃくちゃ難しいです。
というわけで、敬語にかかる所要時間は大体80時間ほど。
和歌であったり古文単語の暗記に120時間くらいでしょうか?
これは山口基準の学習時間ですので、(いやいや、自分はもっと効率よく勉強できるよ!)というのであれば、もっと短くできるでしょう。
ただし・・・今までまったく古文に手をつけてこなかった高校生が、300時間以内で古文を完璧にできるのかというと、正直それはちょっときついかもと思っています。
いや、できれば英語や数学、その他の教科のことを考えるならば、古文の学習時間は200時間に抑えたいところなんです。
だから学校の授業時間もまったく無駄にすることなく、常に集中して授業を聞いていてほしいです。
【君は本当に第一志望に合格したいと思っているのか?】
教室にはいろんな高校の塾生がいます。
どの高校も今はかなり授業のスピードが早いなと感じていますが、追い込み方についてはかなりの差があります。
例えば刈谷高校。
刈谷高校の授業のスピードも他の高校同様にとても早いのですが、難易度が桁違いです。
また、生徒に求める暗記量も桁違いに多いです。
中間期末テストの問題を見せてもらっても、(え…こんなの1年生のうちから解かないといけないの??)というくらい難しい問題ばかりです。
しかし刈高生は文句ひとつ言いません。
いや、言ってるかもしれませんし、心の中では思ってるかもしれませんよ?
しかし、クラスの全員が各中学校の上位5%みたいな連中で固まっているので、全体的に学習に対する意識が総じて高いのです。
『みんなの高校情報』というサイトを見れば分かりますが、『課題の量が多すぎる!』『教師の質が低い!』などという的外れ、かつ不毛な不満を持っている生徒はあまりいません。
いや、正直なところ『学校の先生があまり授業が上手ではないんです。』という声も聞いたことはありますが、だからといって彼らや彼女達は、自分の成績を学校や先生のせいにすることはありません。
その分は自分の努力で補おうと常に考えています。
いや、学校や先生の文句なんて言ってもしゃーないでしょう?
それで学校の先生が東進ハイスクールや河合塾のトップクラスの講師に代わるわけではありませんし、受験の難易度が簡単に
なるわけでもありません。
知らぬは本人ばかりとはこのことで、ゆるい高校の生徒は、『自分たちに出されている課題がきつい!』『先生の指導が悪い!』『自分はこんなに頑張っている!』なんて思っていても、現実は他校の高校生の方が断然きつい課題に取り組んでいて、はるかに頑張っていたりするのです。
そもそもその高校に通っていたら、周りの友人しか比較対象がないので、岡崎高校や刈谷高校の高校生が、どんな授業を受けていて、どれだけの課題をこなしていて、どれだけ学校外の時間を勉強に費やしているのか知る由もないはずです。
ちなみに余談ですが、昨日面談をさせていただいた塾生のお母様から聞いたのですが、朝4時45分に起きて始発で名古屋まで通い、夜は毎日21時過ぎに帰ってくるのだと聞きました。
あ、私立の”中学校”です。
さすがに山口も、『ちょっと頑張り過ぎなので、休息をしっかりと取ってください。』とお伝えさせていただきました。
もちろん、彼はブーブー文句など言いません。
それは、彼がそれを当たり前だと思っていて、自分の中の基準がそうなっているからなんですね。
もしかしたら、(いやいや、何も中学生の頃からそんなに頑張らなくても・・・)、という意見もあるかもしれませんし、思うのは自由です。
ただ、偏差値や学歴がその人の一生を決めかねないここ日本において、そうやって一生懸命頑張っている中高生がいて、そんな彼らがライバルであるということは紛れもない事実なのです。
高校生にもなって、『一日1時間しか勉強していない。』という話を聞いてしまうと、正直(いや、本当に君は第一志望に合格したいと思っているの?)と思うのです。
いいですよ、別に『大学なんてどこでもいいです』というのであれば、一日の勉強時間がそんなもんでもいいと思います。
志望校がまだ決まっていない、という高校生だっていると思いますし。
しかし『○○大学に行きたいんです!(難関校)』と言っておきながら、何の努力も見られない高校生などには、『その大学を目指している他のライバルは、君の何倍も努力しているよ。』とはっきりと伝えたいのです。
いや~、もう本当のところ、『偏差値40からたったの一年で難関大合格!』などという学習法があるならば、今頃山口も左団扇で悠々自適に生きているのでしょうが、世の中に無数の学習塾や予備校があることを考えると、どうやらそんな都合のいい話はないのだろうなとしみじみ思います。
・・・というわけで、授業準備に入りますので今日もこの辺で!
大学入学共通テストまで『あと319日』!