このブログは『本当に英語に興味がある人』だけに読んでほしいです。ちなみに受験にはまったく役に立たない情報なのでご了承を!
さて、前回に続きまして『また役に立たない情報かい!』と思われそうですが、今回のは本当に役に立たないと思われます(笑)。
でも、『将来英語で食ってくぞ!』『いつか海外へ行くぞ!』という、英語対する意識が高い高校生にはぜひぜひ読んでほしいです。
ではあらためて念を押しておきますね!
『ここから先は、受験にはまったく役に立たない情報です!(※難関大には出るかもしれませんが)』
【”based on”の副詞的用法】
もう本当にたまげましたね!
それはこちらの文章です。
あ、こちらは先ほど紹介させていただきました、山口が使用している英単語帳に掲載されていた文章です。
この⑲の文章を以下に紹介いたします。
“Rosie was not used to working in such a competitive enviroment. She was only paid based on how many sales she made, and any employees who failed to meet sales quotas were immediately fired.” (※『英検1級 語彙問題完全制覇』より抜粋)
余談ですが、自分は絶対に例文が載っている単語帳しか使用しません。
もちろん学習するさいにも、その英文すべてに目を通して音読しているのですが、この文章は本当にたまげました。
2文目にご注目いただきたいのですが、”She was only paid”という受動態に、すぐに”based on how”という、どう見ても過去分詞が続いています。
つまりこの文章、『動詞の過去分詞が連続している』ということになります。
ちなみに先行詞がありませんので、『関係代名詞とbe動詞の省略』はありえませんし、遠隔修飾の可能性もありません。
まあ訳については何となく、『彼女は給料を、彼女がどれくらい売り上げたのかという基準のみに基づいて支払われた』くらいの訳がふわっと出てくればよいとは思いますが、それにしても文法オタクの自分にはまったく腑に落ちません。
手元にある英文法の本を漁っても何の情報も得られませんでしたので、ネットで検索したところ・・・、同じように悩まれている方がいらっしゃいました。
つまりこの方の解説によれば、日本の文法書的にはこの単語帳の例文は間違いであるということになります。
事実、自分もそう思いましたからね。
(なんじゃこりゃ!過去分詞が連続しとるやんけ!)と。
しかしこの方の解説によれば、『ネイティブスピーカーにとっては正解』ということになります。
いや~これはびっくりですね!
でもみなさんが英検やら入試で英作文を書く際には、この用法は絶対に真似しない方がいいです。
お堅い日本人の先生が採点されたら、多分減点されます。
ちなみに”based on ~”ですが、普通は過去分詞として、名詞を修飾する際に使います。
(例文)”According to the rules of reason, a given conclusion is to be deemed true if, it flows from a logical sequence of thoughts based on sound initial premises.”(京都大学2006年前期より抜粋)
訳は、『理性の原則に従えば、ある特定の結論はその結論が理性にかなった最初の前提に”基づく一連の論理的思考”から生じている場合に、それもその場合においてのみ、正しいとみなされるべきなのだ。』
とこのように、こちらの文章だと”a logical sequence of thoughts”という先行詞に、(which isは省略されて)そのまま過去分詞の”based on”が続いて先行詞を修飾する形になっています。
普通というのもおかしな話ですが、ガチガチに文法で解釈するならばこちらの方が正しいということになります。
でも不毛ですよね(笑)。
ネイティブスピーカーが普通に使っている表現を、私たち日本人の学習者が『文法的に間違っている!』と考えるのは何ともおかしな話ですが、でもまあそれが受験ですよね。
というわけで、前回のブログに続いて『受験には無駄なもの』をご紹介いたしましたが、それも私たち学習塾の使命だと思っています。
塾生のみなさんには、学習に必要なものはもちろんですが、『受験には無駄なもの』もしっかりとお伝えしていきますね!