夏が来~れば思い出す~・・・
約8年前、山口はとある超大手学習塾に勤務していたわけですが、この時期、つまり夏を直前にむかえた6月末になると、いつも戦々恐々としておりました。
そうです、大手学習塾や予備校にとってのかき入れ時、『夏期講習のノルマ』がおりてくる時期なのです。
いや~『塾のノルマって合格実績以外にないだろ?』と屁理屈をこねても何の意味もありません。
『いいから黙って契約取れ、契約取るまで帰らせるな』(※注:パワハラです)、この一言ですべて霧散しておりました。
山口が担当していた教室は大規模でしたので、夏のノルマもそりゃあえぐくてですね・・・。
『7月のノルマ、夏期講習だけで700万円くらい』だったと記憶しております。
700万円って・・・今の相場は何とも分かりませんが、大体800コマくらいですかね?
20コマずつ売るとしても40人…、だけど7月の稼働日数が大体25日くらい・・・新規面談も30組くらい入るから、毎日4組ずつ面談を組んでいって、全員から契約いただければいいのか~(地獄)などという皮算用をするわけです。
もう毎日毎日、勉強をサボりまくってしまった高3生や中3生を相手に、判を押したかのように
『週3~4コマの授業がレギュラー、追加で50コマの夏期講習です。お月謝は12(~16)万円で、夏期講習は40万円ですね。』
なんて鬼のような提案を全員にするわけですが・・・。
不思議なことにほぼ100%この提案が通っておりましたし、不肖山口、一度もノルマの数字を切ったことはありません。
何なら毎年120~150%くらいで数字達成していました。
・・・とそんな武勇伝を語りたいわけではなく、いや、今冷静に考えてもとんでもない提案なんです。
『お月謝16万円、プラス講習がウン十万円』って異常ですよ・・・。
しかしながら異常とはいったものの、仕方のない側面もあります。
もちろん山口は、『不必要なものを売りつけていた』わけではなく、
『受験勉強をサボりまくってしまった受験生が、第一志望に合格するために必要なものを提案していた』
だけです。
いや、これでも足りないくらいなんですね。
他の受験生が2年3年・・・何なら5年10年かけて積み上げてきたものを
『たったの半年で何とか追いつきましょう』
というのですから、週に3~4コマの授業だの、追加の講習だのは当たり前の話です。
しかし残念ながら、2年も3年も勉強をサボってしまった高校3年生が、刈高生や岡高生などが数年かけて積み上げてきたものを、そんな短時間で消化できるわけがないんです。
私たちの胃袋の許容量に限界があるのと同じです。
『目の前にテーブル10個分の料理を並べられても、1時間や2時間では食べることはできない』
ですので結論から申し上げますと、『週4の授業、プラス夏期講習ウン十コマ』なんて取ってもらっても、残念ながら得られるものはその半分にも満たないものです。
お金をドブに捨てているのと同じですね。
だからそうならないように、そんな大金を捨てる羽目にならないように、高校1年生から、できれば中学生の頃から計画的に勉強を頑張ってほしいのです。
不思議なことに6年塾に通ってかかるお月謝と、ラストの半年だけシャカリキに頑張ってかかるお月謝、大して変わりはありません。
当り前の話なのですが、
『時間が多かろうが少なかろうが、難関大に合格するために必要となる学習量は変わらない』
からです。
マラソンを完走するために必要な距離は『42.195㎞』、遅くスタートしたランナーの距離が短くなるわけではありません。
どれだけ遅くスタートしようが、42.195㎞走り切らないといけないのです。
だとするならば、一刻も早くスタートを切っていただきたいと願います。
しかしこれまたしつこいようですが、残念ながら高校生のみなさんが自主的にそれを理解するのはかなり難しいです。
もちろん、理解する高校生もいます。
ですがそれはもう本当に一握り。
だからこそ岡崎高校や刈谷高校の課題はめちゃくちゃ厳しいのです。
【もちろん当塾にも講習は存在します】
ですが当塾の講習は受験生のみです。
中学1~2年生、高校1~2年生は受ける必要はありません。
お金を払って講習を受けるくらいなら、その分毎日教室に来てください(※夏休みはすべて13時開校となります)。
高校3年生のみなさんについては、局所的ではありますが数名を対象に講習の案内をさせていただきます。
ただ慢性的に人手不足の当塾、数には限りがあります。
今回は『生物基礎』『化学基礎』(※共に共通テスト)、『古文・漢文』(※共通テストから私立、国立二次まで)。
高校3年生の講習案内はこれだけです。
英語や数学はみなさん授業で受けてくれていますので、わざわざ追加の講習を受ける必要はありません。
中学3年生につきましても、『数学』、公立高校入試で必ず出題される『一次関数、二次関数の利用問題』を検討中です。
もちろん、当塾の講習は無理して受ける必要はありません。
受講しないのであれば、それならそれでできることをきちんと提案させていただきますのでご安心くださいませ。
講習や授業の目的の一つは、『時間の短縮』です。
ひとりで取り掛かると時間がかかってしまうものを、マンツーマンの指導で2分の1、3分の1に圧縮するイメージです。
私は今までに、難関大に合格した受験生も含めて、『充分時間は足りていました』と言った受験生にひとりたりとも出会ったことがありません。
大学受験とはとどのつまり、当たり前の話ですが『時間との戦い』になります。
10年20年という時間があれば、割とのんびり取り掛かっても間に合うかもしれません。
もちろん、季節講習など一切不要です。
しかし受験生に残された時間は余りにも短い。
その時間を短縮するために、やむを得ずお金をかけざるを得ない、それが季節講習だと考えております。
・・・とまあただの雑談からいつも通り、あらぬ方へと脱線してしまいましたが、これから授業が始まりますのでこの辺で失礼させていただきます。