どうしよう・・・もう手に負えないんですけど(滝のような汗)

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教室長ブログ

これはどうしたものか・・・。


現在刈谷高校3年生、文系学年1位の男子の指導を担当させていただいておりますが、その彼が山口が出している課題でとんでもない和訳文を書いてくれました。


ちなみに先に英文を紹介させていただきます。



 The struggle between Liberty and Authority is the most conspicuous feature in the portions of history with which we are earliest familiar, particularly in that of Greece, Rome, and England.

But in old times this contest was between subjects, or some classes of subjects, and the Government.

By liberty, was meant protection against the tyranny of the political rulers.

The rulers were conceived (except in some of the popular governments of Greece) as in a necessarily antagonistic position to the people whom they ruled.

They consisted of a governing One, or a governing tribe or caste, who derived their authority from inheritance or conquest, who, at all events, did not hold it at the pleasure of the governed, and whose supremacy men did not venture, perhaps did not desire, to contest, whatever precautions might be taken against its oppressive exercise.(J.Sミル著『自由論』より抜粋)


このミルさん、一説によるとIQが200あったそうで、そんな彼が書いた英文もやはり一筋縄ではいきません。


そんなわけで、彼に対してもう受験英語で山口が指導することは無くなってしまいましたので、京大や早稲田(国際教養)、一橋大学などでたま~に出題される、この『自由論』を題材に授業を進めているのですが・・・。



この英文に対して彼が書いた和訳文がこちらです。



『自由と権威の間の闘争は、歴史の中で、私たちが最初期から精通している部分、特にギリシャやローマ、イングランドの歴史において、最も際立った特徴である。しかし、昔は、この争いは市民、あるいは市民たちが属する階級のうちのいくつかと、政府の間にあった。保護とは、自由が政治的な支配者の圧政から守ることを意味していた。その支配者たちは、(ギリシャに存在した有名な政府のうちのいくつかを除いて)自分たちが支配している人々に対して敵対的な立場をやむなく取る必要に合ったと考えられた。彼らは支配している人、あるいは、支配している部族やカーストの人々から成り立っていた。そんな彼らの権威は受け継がれてきたもの、あるいは、自らの力で獲得したものであったし、またすべての出来事にあって、その権威を、被支配層の喜びのために使うことはなかった。そして、その権威の下で優勢な人々は、権威の抑圧的な講師に対抗してとられたのかもしれない予防策に、それが何であれ、あえて立ち向かうことはしなかったし、おそらく争うことなんて望んでいなかった。(原文ママ)』



もちろん完璧かと言われたそうではありませんし、間違っているところもありますが、現役の高校生がこの和訳を書いたことは驚嘆の他ありません。



そんな彼ですが、今回の共通テスト模試、英語は『97点(リーディング)』だったそうで・・・。



いや、もう本当に教えることないんですよね。


もちろん、まだまだ伝えることは山ほどあるのですが、『お金をいただいてやらせていただく授業』では伝えることはないんです。



もう彼が失点するとすれば、単純暗記であったりケアレスミスくらいのものなので(とはいえ、そここそが生命線でもあるのですが)。




一応同じ英文に対して、僭越ながら不肖山口の和訳も載せさせていただきます。



『自由と権威との間に存在する闘争は、私たちが子どもの頃から馴染み深い歴史、特にギリシャ、ローマ、イギリスの歴史において最も顕著な特徴である。しかし、過去の時代におけるこの闘争は、支配される者、あるいは支配されるものの中でも特権階級に属する者と政府間の闘争だった。自由が意味していたのは、政治的支配者の圧政から守られる、ということだった。支配者は(ギリシャのいくつかの民主制的統治体制の場合を除いて)、被治者である国民に対して必然的に敵対的な立場にあると考えられていた。統治を引き受けるものは、ひとり、あるいは一つの部族や身分であり、その権威は相続や征服から発生しており、いずれにしても支配される者による意向によるものではなかった。また、権力の圧政的な行使に対して、どんな予防策がとられていたにせよ、誰も支配権をめぐって争うことまではあえてしなかったし、そうしたいと思うことすらなかった。』


ちょっと余談になってしまいますが、同じく彼に書いてもらった、彼の志望校の地理の記述解答もチラッと紹介させていただきます。





注:もう一度念を押させていただきますが、『地理』の記述解答です。

英語や国語ではありません。


さらに言うとこの解答、この倍の分量なのですが、時間がまったく足りなかったそうで・・・。




しつこいようですが、難関大が要求しているのは徹頭徹尾『記述力のみ』です。



マークで答えられる共通テストの結果など、最初から度外視しているのです。



そしてこの記述力を養うためには、『信じられないくらいの膨大な時間と労力』が必要になるのです。



先のブログで『難関大に合格するために必要な時間は4,300時間以上』と言わせていただきましたが、正直そんなの最低ラインであって、『オールマークの愛知県の公立高校入試』にどっぷり漬かってしまった受験生は、それ以上の学習時間が必要になります。




そんなわけでどうしよう・・・もう本当に英語で教えることなんてないのですが、お月謝をいただいて指導させていただいている以上、そんなこと言ってられません。



『当塾を選んでよかった!』と思っていただけるよう、山口自身もさらに精進していきます。





【さらに山口をはるかに超えてしまったとある中学生の解答】

まずはこちらも英文から紹介させていただきます。

It is difficult these days not to believe that literature and the arts attract less attention , and science and technology more attention , than a few generations or centuries ago .(関西学院大学)


この英文に対して、彼が書いた和訳がこちらです。


『ほんの少し前の世代か数世紀前に比べ、文学と芸術はあまり注意を引きつけず、化学と技術はより注意を引くようになることを、最近信じざるを得なくなっている(原文ママ)』

”science”を『化学』と書いてしまったという大きなミスはありますが(※正しくは『科学』です)、それ以外はおおむね正解と言えます。



そして恐ろしいことに・・・いや、毎回言うてますけどこれ、中学生が考えた和訳なんですよね。




まだ幼さが残る字を見て、初めて(あ、そういえば中学生だったな)と思い出すほどの素晴らしい和訳だと思います。



そんなわけで、当塾はいかに愛知県の公立高校入試が『オールマーク』に変わろうが、学校の授業がそれに準ずるものになろうが、徹底して『記述力』にこだわります。



そりゃあひたすらオールマーク対策やっておけば、目先の公立高校入試は何とかなります。



だからこそ中学校も、大手学習塾も徹底して『オールマークの演習』に終始しているのです。




しかし3年後の大学受験ではどうにもならない。



記述力を養うためには、正直高校の3年間だけでは少なすぎるのです。



もしも大学受験を予定していて、しかも難関大が視野に入っているのであれば、その対策は中学生の頃から、もし可能であれば、それよりも前から始めるべきです。



・・・まだまだ言い足りないのですが、これから授業ですのでこの辺で!




★今回紹介した彼らだけではなくうちの塾生、本当にみんなすごいんです。


中高生が持っている力って本当にすごいですよ!




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