英単語を予測する・・・っていうけど。(篠原先生の所感)

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教室長ブログ

ついに篠原先生の初回の授業が終わりました!


(久しぶりだな~)と思いつつ、篠原先生の授業を聞いておりましたが・・・やっぱりすごいな~とただただ感動。


大げさかもしれませんが、駿台や河合塾の、それも一級の講師がマンツーマンで指導している感じです(多分に山口の主観を含んでおりますので悪しからず)。



塾生のひとりに感想を聞いてみても、『・・・すごいです。』の一言。



いや、すごいですよね本当に。



そんな篠原先生に授業の感想などを聞いてみたところ、篠原先生自身も大変感動しておりました。




『みなさんしっかりしていて、意欲的に取り組んでくれたので本当に授業がやりやすかったです!』とのこと。




そうなんですよ、うちには不真面目な生徒、怠惰な中高生はひとりもいません。



開校と同時に(鬼の)都築先生が塾のルールを厳しく定めて、実際に厳しい環境を作り出したので、必然的にその環境で頑張ることができる中高生しか集まらなくなったんです。



山口なんて、前職を辞めたばかりだったので、どうしても利益優先思考が抜けきれずに、(そんな厳しくしたら、問い合わせがまったく来ないんじゃ・・・)と思っていましたが、今となっては本当にこれで良かったと胸をなでおろしております。



ちょっとズルいかもしれませんが、うちは勝ち戦しかしてないんですよね。



優秀な先生方に集まってもらって、本気で頑張る事ができる中高生だけに入塾してもらっています。



はっきり言ってしまえば、『やる気が無い』『素行が悪い』中高生は門前払い。



必然的に素晴らしい中高生のみなさんに集まっていただけていると思っています。



みなさん本当にありがとうございます。



そんなわけでいつも冷静な篠原先生も、いささか興奮気味に所感を伝えてくれました。



そんな篠原先生の指導についてですが、一旦締め切りとさせていただきます。


一応ご相談については引き続きお伺いいたしますので、いつでもお声がけくださいませ。






【だから・・・単語の予測なんてものに頼っちゃダメよ!】


いや、もちろん単語を予測せざるを得ない状況はあります。


みなさんがどれだけ膨大な時間をかけて英単語を覚えても、入試本番では絶対に知らない英単語は出てきますからね。



だからと言ってそれは、『LEAPやシス単などの単語帳をおろそかにしてもよい』という意味ではありませんよ!



そんな超がつくド基礎の単語帳は全て終わらせた上で、それでも分からない単語に遭遇したら、やむを得ず予測するしかない・・・、それが『単語を予測せざるを得ない状況』なのです。




例えばこういうのです。


これは実際に当塾の高校1年生が和訳したものです。



 The mysterious effect of reading , the immense undecidability of meaning , all this was contained in a book whose title , author and illustrator I can’t remember . And no one’s ever heard of it . The book is like a memory whose status as an object is in question .


 The mysterious effect of reading , の直後に≪the immense undecidability of meaning ,≫という名詞のカタマリが出てきましたが、みなさんはこれをどのように訳すでしょうか?



ちなみに直訳すると『意味の計り知れない決定不可能性』となりますが、当然そんなものを解答用紙に書いたら0点です。



なお模範解答には『書物の意味を見出すことの途方もない困難』とありますが、正直私はこれでも腑に落ちません。


なぜなら、この挿入句 ≪, the immense undecidability of meaning ,≫は、直前の≪ The mysterious effect of reading , ≫『読書の不思議な効果』の具体的な説明だからです。



本の説明ではありません。


それを踏まえて山口は、『読書の不思議な効果、とはいっても、その効果の具体性については説明しあぐねるところではあるが、』と訳しました。


常々山口はみなさんに、『とにかく本を読んで!』と声をかけておりますが、それがどういった理由で、具体的に良い効果を生み出すのか、実のところ説明できません。



しかしこちらの刈高1年生はこの部分をこのように和訳しました。


『読書の不思議な効果、その効果は人によって様々であろうが、』


いや、これはめちゃくちゃいい訳ですよね!



正直なところ、模範解答・山口の和訳・こちらの塾生の和訳、どれが正解なのかはこの英文を書いた筆者にしか分かりません。



これが『文脈から(やむを得ず)英単語を予測する』という行為であって、超がつくような基礎的な英単語を覚えなくてもよい、という意味ではありません。



はっきりとお伝えしておきますが、英単語を覚えない受験生は、確実に英語での高得点は望めません。



一応山口の試訳を載せておきます。

 The mysterious effect of reading , the immense undecidability of meaning , all this was contained in a book whose title , author and illustrator I can’t remember . And no one’s ever heard of it . The book is like a memory whose status as an object is in question .


『読書の不思議な効果、とはいってもその効果の具体性については説明しあぐねるところではあるが、とにかくそのすべてが、ある一冊の本に含まれている。そしてそのタイトルも筆者も、挿絵を描いた人物についても、私は思い出すことができない。それどころか、その本については誰も聞いたことすらないのだ。その本は、物理的に存在しているのかどうかも怪しい、不確かな記憶のようなものである。』








そしてもう一例、先週遭遇しました、とある高校生の舌を巻くほどの『英単語の予測』を紹介させていただきます。


【とある刈谷高校2年生による英単語の予測】


英文はこちらです。

New discoveries may conceivably lead to dramatic , even “revolutionary” shifts in the Darwinian theory , but the hope that it will be “refuted” by some shattering breakthrough is about as sensible as the hope that we will return to a geocentric vision and discard Copernicus .



もうすべてが難しいのですが、英単語的に厳しいのが後半の”a geocentric vision”ですね。


これは先に答えを言ってしまうと、『地球中心の考え方』⇒『天動説』となるわけですが、当然そんな注釈は入っておりません(※普通の大学ならきちんと注釈が入りますのでご安心を)。




というわけで、何とか予測するしかない。




彼はそこで『従来の考え方』という訳をひねり出したのです。


これは正答である『地球中心の考え方、天動説』とは異なりますが、恐らく減点されないと思います。


減点されたとしても仕方ない。


それにしてもなぜ彼が、『従来の考え方』という訳を出したのか確認したところ、『直前に”return to”とあったので、”従来の考え方に戻る”なら辻褄が合うと考えました。』とのこと。



いや、これはもう減点できないですよね。


もちろん、”geocentric vision”を知っていて、『天動説』と書けば満点です。


しかしおそらくはほとんどの受験生が知らない、見たこともないはずです。


辞書で調べてみれば分かりますが、虫眼鏡で見ないと確認できないくらい小さく書かれています。



この大学が求めているのはまさに、『”return to”という動詞から目的語である”geocentric vision”の意味を類推する力』、だとすれば彼が生み出した『従来の考え方』はピタリと当てはまるはずです。




高校1年生、2年生のみなさん。


だから『LEAPやシス単などの単語帳は100%で覚えてください』



英語に限らずですが、『語彙力を身に付ける』というのは言語学習の基本中の基本。


というよりも、私たちが普段使っている日本語においても重要です。



他の指導者がどのように考えているかはさておき、山口の授業ではとにかく『英単語の理解と暗記』が最優先されます。



英単語を覚えていない状態で、どんな高度な文法や語法を伝えたところで、それは脆弱な土台の上に、高層ビルを建てるようなもの。



崩れます。



英単語の類推は確かに必要です。


しかしそれは、基礎となる英単語は当たり前に覚えて、文法や語法も100%で理解し、その上で『やむを得ず予測せざるを得ない』というだけの話であって、何もないところから当てずっぽうに単語の意味を生み出すわけではありません。


私はそんな曲芸まがいのことを教えることはできませんし、教える気もありません。



そして今回紹介した2名の高校生ですが、英語の偏差値は70を超えています。




『前後の文脈から、未知の英単語を類推する』、それは前提として極めて高い英語力と国語力があって可能になるものです。




正直山口など、彼らほどの読解力も英単語を推測する力も持ち合わせておりません。




私もそうですが、『自分が凡人だ!』という自覚があるのであれば、まずはしっかりと英単語を覚えてください。



山口がみなさんに、厳しく英単語の暗記を要求しているのはこういった理由からであることをご理解ください。


英単語をきちんと覚えることで、みなさんは彼らに匹敵するほどの力を身に付けることができます。



『文章を読み、書き、語彙を増やす』、これはいつでも、誰にでもできること。


一緒に頑張りましょう!

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