“I found the interesting book.” と “I found the book interesting.”…て見た目ほぼ一緒だからどっちでもええやんと思うなかれ!

カテゴリー :

教室長ブログ

この問題、去年も一昨年も西尾高校の1学期の期末テストで出題されております。

①”I found the interesting book.”

②”I found the book interesting.”

使われている単語はまったく同じですし、”interesting”と”book”の位置が入れ替わっただけなのですが、意味はまったく違います。

大事なことなのでもう一回言います。

『①と②はまったく違う文章です。』

とはいえ、この短い文章だと、ほとんどの高校生は何の危機感も持ちません。

ただしこの①と②の文章がまったく違うということを認識していないと、次の文章には手も足も出ないはずです。

“Children who find their children parents afraid of bathing in a river can infer that the river is dangerous without having to test it out for themselves.” (横浜市立大学)

この英文に挑戦する前に、もう一度①と②の文章を検討してみましょう。

①の文章は『私は面白い本を”見つけた”。』

一方②は、『私は(経験した結果)その本が面白いと思った/気づいた。』

なんや、ほとんど同じやんと思うかもしれませんが、これが同じに見えるのはちょっとまずいです。

まず①の文章は”I(S) found(V) the interesting book(O).”という第3文型で、

②の文章は、”I(S) found(V) the book(O) interesting(C).”という第5文型です。

第5文型では”O=C”が成立するので、②の文章は逐語訳で訳すならば、『私は 思った その本が 面白いと。』となります。

この短い文章でこれが理解できていないと、先ほどの長~い文章の頭の部分、”Children who find their parents…”の部分を『彼らの両親を発見した子供たちは』と訳してしまうはずです。

ただ、はっきりと断言しますが、その訳は間違いですし、国立二次の記述でその解答をしたら、下手をすれば0点です。

もちろん、先ほどの長い英文が、”Children who find their parents can infer that the river is dangerous.”という文章だったら、『彼らの両親を発見した子供たちは、その川が危険であると推測することができる。』でいいです。

そうとしか書いていませんので。

ただしこの文章、”find”のあとに動詞が続いているので、(あ、この”find”は3文型ではなく5文型の方なんだ。)と思わなくてはなりません。

先ほどの文章、”Children who find(V) their parents(O) afraid(C)…となっていましたので、しっかりと”find=思う/気づく””their parents = afraid”であることを認識して、日本語訳に反映させなければなりません。

改めて申し上げますが、『彼らの両親を発見した子供たち』と解答したら0点です。

しっかりと『子どもたち 気づいた 彼らの両親=怖がっていることに』⇒『彼らの両親が怖がっていることに気づく子供たちは』と訳す必要があります。

だから冒頭の文章、①”I found the interesting book.”と②”I found the book interesting.”は全然違う文章であることを認識しておかなければならないのです。

これ、何となく分かると思いますが、高校英語の基本中の基本ですし、各高校1年生の4月でさらっと終わってしまう内容です。

でもなぜか、『こんなにめちゃくちゃ大事な情報なのに』、高校2年生、3年生で体験授業を受けに来る高校生のほとんどが理解していません。

そりゃあね、”I found the interesting book.”と”I found the book interesting.”だけを見るならば、違いが分からなくてもそんなに大事故にはなりません。

なりませんが、問題はそれが大学入試レベルになってしまうと、その基礎をおろそかにしてしまうと0点の解答しか書けなくなってしまうということです。

一応先ほどの英文、”Children who find their children parents afraid of bathing in a river can infer that the river is dangerous without having to test it out for themselves.” ですが、模範解答は、

『親がある川で水浴びをすることを恐れているのに気づく子供たちは、自分でわざわざ試さなくても、その川が危険であることが分かる。』となります。

今のがいわゆる中堅どころの大学の英文和訳問題で、難易度マックスになると次のようになります。

“There was another girl with her, an oriental girl who moved so gracefully in her blue, sleeveless dress she  made the tall blonde Henry had previously thougt incomparable look stiff and awkward.”

この文章、先ほどの”SVOC”を理解していなければ、手も足も出ず、なんだかよく分からない日本語をただただ張り付けただけの解答を書いてしまうことになります。

こちらの解説は割愛いたしますが、正しい訳は『その娘は東洋人で、空色のノースリーブのドレスを着て、身のこなしが極めてしとやかであったから、ヘンリーがそれまで比類ないと思っていた背の高いブロンド髪のシェアロンが、ぎこちなくぶざまな姿に見えたのである。』

もちろん高校1年生や2年生がこれを瞬時に読解できる必要はありませんが、高校3年生なら完答はできないまでも、(この”made”は使役なのではないか?)(”the tall blonde”はOなのではないか?)(だとすると、どこかにCがあるのかな??)くらいは疑問に思って訳に反映させなければなりません。

完答はできなくても、(ちゃんと”make”が使役だと分かってますよ!)アピールくらいはして部分点をしっかりと取らなければなりません。

ちなみにこの文章でCに該当するのは、”look stiff and awkward”です。

す…っごく簡単な文章で説明すると、”The north wind(S) made(V) me(O) feel cold(C).”、『北風は感じさせた 私に 寒いと』と同じ構造です。

西尾に腰を下ろしてはや10年、今までたくさんの受験生と出会ってきましたが、英語がニガテだという受験生のほとんどが、この『5文型』がおろそかなのです(もちろん、一番の理由は『英単語を覚えていない』ですが)。

もちろんネイティブスピーカーみたいに、『そんなもの意識しなくても感覚で読めちゃうぜ!』というなら5文型なんてやる必要はないです。

ただ、英語と日本語は、『無生物主語』『否定構文』『能動態と受動態』において、決定的に文構造が違うので、感覚で理解できないのであれば、その違いを測る物差しをみなさんが持つしかありません。

ちなみに高校時代の山口ですが、英単語2,000単語覚えても偏差値はまったく上がりませんでしたが、この5文型を理解しただけで『偏差値が15』上がりました。

その後細かい英文法や精読の技術を身につけて、最終的には40だった英語の偏差値がマックス75まで上がりました。

期間にすると1年ほどですが、1日の勉強時間の内、3時間は英語に割いていたので、おそらく延にして1,000時間以上はかかっています。

しかし逆に言えば、中学校英語で0点を取ったことがあるくらいの英語力しかなくても、1,000時間かければ偏差値は70を超えますし、英検準1級までは取れます。

高校3年生が英語だけに1,000時間を費やすことは難しいかもしれませんが、中学生や高校1年生、2年生なら余裕でできるはず。

というわけで、勉強法を聞きにくるだけでもWELCOMEです!

嫌な言い方に聞こえるかもしれませんが、当塾は新規入会者にこだわっているわけではありません(そうじゃなければ、高校3年生の入塾を締めきったりはしません)。

今いてくれる塾生で充分なんです。

しかし少しでも英語や数学で苦しんでいる中高生のみなさんの力になれたら、これに勝る幸せはありません。

というわけで、『大学入学共通テストまであと264日(約9か月未満)』『公立高校入試A日程まであと315日(約11か月未満)』です。

自分のニガテ教科にどれくらいの時間が割けるのか、しっかりと腑に落として勉強に取り組みましょう。

スマホとどのように向き合うのかはみなさんにお任せします。

みなさんの第一志望ですから。

Monthly Archives

月別記事