条件英作文は半分国語!!!

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教室長ブログ

またまた英作文のお話です。


大学受験の場合の英作文は、

①『条件英作文』

②『自由英作文』

の二つに大別されます。


①で有名な大学は何と言っても京都大学、そして大阪大学などが挙げられます。


昔は名古屋大学も条件英作文を出題していたのですが、10年前くらいにモデルチェンジしまして、『図形や表を見て英文を書くスタイル』に定着しております(これはこれでめちゃくちゃ難しい・・・)



②で有名なのは、東京大学や一橋大学、早稲田大学などですね。

英検などのようにあるテーマが与えられて記述する問題もあれば、図形や表、絵や画像などが与えられて、自由に英語で答える問題もあります。







【①の条件英作文は、英語だけではなく高い国語力も必要】

以前のブログでもお話しましたが、毎回毎回塾生と一緒に、山口もあれこれ思案しております。


そして今週のテーマはこちら。






【24】世間でも『折角あの人にこれこれの親切を盡してやったのに、あの人は何とも思っておらぬ』とか、または、『折角施した親切も無にされた』と言う人が少なからずある。しかしこれは間違いである。他人に施した親切は自ら之を廉く(やすく)評価する稽古をするがよい。



ま~・・・もう日本語がすでに難しいですね(涙


以前にもお伝えいたしましたが、この日本語から馬鹿正直に英語の文章をひねり出そうとすると、大変なことになってしまいます。


ですので、まずはこの難解な日本語を、できるだけ簡単な、それでいて元々の文意を損ねないような日本語を作り出す必要があります。



その文章がこちら↓



(山口の和文和訳)

多くの人は言う、『私がわざわざ色々なことことをその人のためにやってあげたのに、彼は全く意に介していない』、とか『私は骨を折って彼に親切を与えたのに、その人は私の親切を無きものにしている。』など。しかし彼らが言っていることは間違いである。私はあなたに勧める、自分の親切はそんなに大したものではないと考えるように訓練することを、自分の意志で主体的に。




ここから自分が持っている文法力、語彙力を駆使して英文を作っていきます。




(山口の英文)

Many people say that “I went out of my way to do various things for that man, but he doesn’t care about it at all,” or “I took the trouble to give him the kindness, but he reduced my kindness to nothing.” Yet, what they were saying was wrong. I recommend that you do independently train yourself to conceive of your kindness as something trivial.





今回も、まぁまぁそれなりの英文ができたと思います。






(※余談ですが、一緒に頑張っている塾生も高校生とは思えない英文を書いてきます。

そのため、毎回の添削がとっても大変・・・なのですが、楽しくやらせていただいております)



そして前回も紹介させていただきましたが、山口が神と崇めている佐々木高政先生の模範解答がこちらです。

(佐々木先生の模範解答①)

We often come across people who complain, “I have done such a lot for him, but he thinks nothing of it, the ungrateful wretch,” or “All the trouble I have taken for him went for nothing.” ★But that is a wrong way to feel about it. The wise attitude for us to take is to make as little as possible of whatever we have done for other people.

★佐々木先生は文頭の”But”を使用していますが、受験英語では避けた方がいいです。ただし、英米共に、英字新聞や小説では普通に出てきますので、飽くまでも『受験英語のルール』だと理解しておきましょう。


(佐々木先生の模範解答②)

We often hear people complain, “I have done this and that for him out of kindness, but he seems to have forgotten all about it,” or “All my kindness has been thrown away upon him.” But in that, I suppose, they are mistaken. They should rather train themselves to underrate a good turn they do to other people.

               

(※『和文英訳の修行』より抜粋)


バイリンガルである山口の奥さんから見ても、『とてもナチュラルで、活き活きとした感情が伝わってくる文章』なのだそうです。



確かに山口の文章、『The 受験英語!』って感じで堅苦しいんですよね。



でもいいんです!



だって受験英語ですから!!



ですが中高生のみなさんには、これから何十年もの時間が残されています。



受験英語に留まらず、ぜひとも自然な英語表現を身に付けていってほしいと心から願っております。





そんなわけで、こうしてみなさんと一緒に勉強させていただけるのが本当に楽しい!




塾生のみなさん、これからも一緒に頑張りましょうね!!!




★岡崎高校1年生の塾生から聞きましたが、岡高の先生がこう言っていたそうです。


『(1年生は)毎日3時間勉強して、必ず読書もすること』と。


難関大が求めているのは単なる暗記力ではありません。


いわゆる読解力というものは、みなさんが自分で本を読み、時には自分の力で文章を書いていくことでしか養われません。


そして言わずもがな、読書には膨大な時間が求められます。


高校3年生から慌てて新聞の社説などを読み始めても、砂漠の砂に水滴をたらすようなものです。


まったく意味がありませんので、それならやらない方がましです。

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