子どもは悪くない(中学生の保護者様に見ていただきたいです)
先日教室内を巡回していたところ、先日入会してくれた中学2年生の男の子が一生懸命英語の宿題をしていました。
どれどれとのぞき込むと・・・。
ちょうど不定詞の単元だったようで、補強ワークの問題には日本語がこう書かれています。
『ケンタは英語を勉強するためにオーストラリアへ行きました。』
もちろん問題文にはバラバラに単語が並べられています。
その男の子はこんな風に答えを書いていました。
『Kenta went to English to study Australia.』
もちろん正しい答えは『Kenta went to Australia to study English. 』なのですが、この間違いは彼が悪いのではなく、この補強ワークと教えた先生が悪いです。
・・・とはいっても、学校の先生は文科省に従って指導をしているだけですので、先生を責めることはできないかなと思います。
先日もお話した通り、英語と日本語は決定的に文構造が違うので、日本語で書かれているものを英語にするのは百害あって一利なしです。
中学校程度の短い文章なら、正直無理やり日本語で理解しても問題ありませんが、同じ不定詞でもそれが高校レベルになるとお手上げになってしまいます。
“Anthroprogists realized that to understand mankind properly , including people who live in modern societies , it is necessary to study populations that have avoided modernity to keep clear of industrialization .”
先ほどと打って変わって長い文章になっていますが、こちらも同じ不定詞の文章です。
でも無理やり日本語の語順で英語を教えられた高校生は当然読めません。
そして次にやることが『中学の時に教えられたように、文章を後ろから(日本語の語順で)訳す』なのですが、この文章を後ろから訳そうが、真ん中から訳そうが、正しい訳には絶対にたどり着きません。
そして恐ろしいことにこの文章、決して難関大の英文というわけではありません。
中堅レベルの大学です。
でも誤った学習法で英語を学ばされた高校生にとっては、悲劇以外の何物でもありません。
この文章の精読読解はまたの機会に譲るとして、大切なことは、中学校の時点からしっかりと英語を英語のままに、しっかりと理解する習慣をつけ、それが正しい学習法なのだと理解することです。
そうじゃないと、センター試験レベルの簡単なリスニングですら苦戦することになります。
ほんの少しだけそれをご紹介いたします。
【2013年センター試験リスニング 放送内容】Growing food locally in American cities has been getting more popular recently . In fact , the vegitables you buy in the supermarket may be grown just down the street .(赤字部分が主語です)
・・・とこのあと10行ほどの英文が読まれていくのですが、返り読みを叩きこまれた受験生は、当然訳すことができません。
文字ならまだしも、この文章は音声で流れてくるのですから、一つの文章を返り読みしようとするころには、もう次の文章が読まれています。
聞いた英語の音声を全て聞いた瞬間に記憶でもしない限り、返り読みをしながらリスニングを理解することは不可能です。
上の文章は正しく、『地元の食べ物を育てること(どこの?)アメリカの都市部の ・・・がより人気になってきている ここ最近。実際 あなたが買う野菜(どこで?)スーパーマーケットで ・・・は 栽培されているかもしれない 通りをちょっとだけ行ったところで。』
違和感を感じても、このように聞き取る練習をしておかなければ、センター試験レベルのリスニング(英検準2級くらいです)でも手も足も出なくなってしまいます。
でもこれは受験生達の能力不足ではありませんし、学校の先生が言うように『慣れで何とかする』ものでも断じてありません。
ただただ、英語が英語の語順で考えられて、読み書きされているだけに過ぎず、そのことを中学生くらいの英語を学び始めるころから、正しく理解するだけのことです。
ではその方法について・・・と言いたいところなのですが、これから授業に入りますので本日はこの辺で!
続きはまた後日・・・。