大学入試必須の『強調構文』を漫画『進撃の巨人』で分かりやすく!
・・・とはいうものの、文章で文法の説明をするのは、直接口頭で指導させていただく場合の数十倍難しいです。
もしも文章だけですべてが伝わるのであれば、世の中に学習塾や映像授業というものは存在しませんからね!
などというちょっと言い訳がましい前振りをさせていただきましたが、難関大では必須の強調構文について、できるだけかみ砕いてご説明させていただきます。
ちなみに旧帝大や早慶上智、医学部医学科はもちろんですが、ここ愛知県でも国公立は言わずもがな、南愛名中でも出題確認済みです。
共通テスト程度では出題されないでしょうが、仮に出たとしても致命傷になるわけではありません。
それでは早速説明に入るのですが、中学生と新高校1年生、そして『進撃の巨人』をまだ読んでいなくて、これから読む予定のみなさんはこの先は読まなくても大丈夫ですよ!
【強調構文は強い気持ち!】
よく学校の授業や参考書などで、『強調構文は難しい!』『実際にネイティブはほとんど使わない』などと言われていますが、そんなことはありません。
そんなに難しくないし、ネイティブもガンガン使っております。
強調構文を受験生諸君に難しく感じさせているのは、『仮主語の場合は形容詞や不特定名詞が続く』だの、『副詞句が強調されていて、that(who,which)以下に完全文が続いた場合、また、特定名詞が強調されていて不完全文が続いたら強調構文』などという意味の分からない説明を受けるからです(※ちなみにこの解説も今自分で考えながら書いてみましたが、我ながら分かりにくいと思います。まったくもって理解する必要はありませんのでご安心を)。
強調構文に流れる基本はたった一つ!
『とにかく何かを強調したい!』ただそれだけです。
次の文章に目を通してみてください。
うぅ…今見ても涙が…。
これはアニメ『進撃の巨人』の中でも屈指の名シーンなのですが、今はその時間ではありませんので、しっかりと強調構文の説明をさせていただきたいと思います。
ずばりこの文章が『強調構文』なのです。
ちなみに高校生諸君の中でも最も多い誤答が、『このwhoが関係代名詞に見えてしまう』と言う間違いです。
結論から申し上げると、それははっきりと間違いです。
確かに、人を表す先行詞”Armin”があって、直後に主語が欠けた不完全文が続いていますから一見関係代名詞に見えます。
しかしこの文章を国立二次の英文和訳問題などで、『それは夜中に移動することを思いついたアルミンだった。』などと書いたら、おそらく10点中1点くらいです。
自分が採点者なら0点にします。
この文章が入試で出てくるのであれば、出題者は『君はしっかりと強調構文を理解しているのか?』という意図の元に出題しているはずなので、強調構文以外の解答はすべて0点です。
改めまして、もう一度この文章を見てみましょう。
この文章は見た瞬間に、”It was Armin”で切れなければなりません。
“It is ~”の文章を見た時、ほとんどの人は仮主語だと思うでしょうし、実際のところ”It is~”の文章は80%が仮主語、10%が代名詞、残りの10%が今回取り上げる強調構文となります(※すべて山口調べですので、実数値は分かりません。平にご容赦を)。
したがって受験生諸君は、ほとんどの場合は(まあ大体仮主語なのかな?)と思っていてもらって構わないのですが、国立二次などで”It is~”の文章が出てきたら、まず『強調構文だろう』と疑わなければなりません。
全員が知っているであろう『仮主語』を問題にしてもみんな正解してしまいますからね。
難関大の問題は『大学入学共通テスト』の問題とは異なり、みなさんを振るい落とすための問題であることを肝に銘じてください。
話がそれたので戻ります。
ここでは”It was Armin”という風に、”It was”の直後に”Armin”という固有名詞が来たことがポイントです。
一言で言えば、”It is”の直後に”the”がついた名詞や固有名詞、または副詞句(※これは後ほど説明します)が続いたら強調構文なのです。
逆に言えば、『形容詞やaがついた名詞が続けば仮主語』となります。
みなさんが中学生の頃に習った”It is easy(形容詞)for me to study English.”が仮主語です。
したがって、”It was Armin(固有名詞)!”と聞こえてきた瞬間に、みなさんは『アルミンだったんだ!』と訳さなければなりません。重ねてお伝えしますが、『それはアルミンだった。』と書いたら絶対に0点です。
そこに”who came up with the idea of moving at night!”という不完全文が続きます。
これはそのまま訳し下して、『夜中に移動するアイディアを思いついたのは』と続ければOKです。
ちなみに重要イディオム、”come up with~”=『~を思いつく』ですが、もちろんネクステにもvintageにも載っている基本イディオムですので覚えてしまいましょう。
口語調にするならば、『アルミンだったんだ!夜中に移動するアイディアを思いついたのは!』。
入試に合わせるならば『夜中に移動するアイディアを思いついたのはまさにアルミンだった。』といった感じでしょうか?
(※ちなみにこの後、エレンの『人類を救うのはおれでも団長でもない。アルミンなんだ。そうだろミカサ!』という名言が続くのですが、それはみなさんぜひぜひ大学に合格した後読んでみてほしいです)。
とにもかくにもポイントは
①”It is ~”の直後に、固有名詞や副詞句が続いたら強調構文!
②強調構文と確認ができたら、”that(who,which)の直後を先に訳して、その後強調されている”It is ~”の部分を訳す。
もう一度反復しますがこの文章、
“It was ②Armin who ①came up with the idea of the moving at night!”の順番で訳さないと0点です。
『夜中に移動するアイディアを思いついたのはまさにアルミンだった。』
続いて副詞句が強調されている場合の強調構文ですが、長くなりましたので続きはまた後ほど…。