単語を覚えられないという高校生へ

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雑談

この質問は本当によく高校生のみなさんからいただくのですが・・・。

結論から先に言います。

英単語を覚えられない、などということはありません。

英単語に触れる時間が少ないか、やり方がまずい、ただそれだけです。

厳しく言わせていただくならば、『やっているつもりで全然やれていない』のです。

そして当然なのですが、英語圏の人間は、それこそ幼児でもホームレスでも、映画に出てくるような勉強をまったくやらなさそうなスタジャンを着たヤンキーでも、英単語くらいは覚えています(そうじゃないとコミュニケーションが取れませんから…)。

さらに、これもはっきりお伝えさせていただくと、英単語が覚えられないのであれば、ほとんどの大学受験を諦めなければなりません。

公立高校受験などは、ご丁寧にほとんどの単語にルビを振って日本語が書かれていますから、正直そこまで単語にこだわらなくても合格点は取れます。

ただし、大学受験は話が別です。

ターゲット、LEAP、システム英単語と言った基礎レベル(偏差値55前後)くらいの単語帳がコンプリートできないのであれば、おのずと志望校のランクも下げなければなりません。

そこでこれは当塾の高校生にも言えることなのですが、『本気で英単語が覚えられない。何とかして英単語を覚えずに、高得点を取りたい。』というのであれば、他の塾を探した方がいいです。

当塾では『英単語やイディオムを覚えずに、大学受験の英語で高得点を取る方法』などを教えることはできませんので・・・。

ただ断言しますが、『英単語は誰にでも覚えられるし、一番成績が上げやすい教科』であることは事実です。

私事ながら、未だに英語で0点を取っていた自分が、英検準1級を取ったり、それなりにネイティブスピーカーとコミュニケーションが取れているのですから間違いありません。

ただ、これは英語に限ったことではありませんが、学習法は千差万別です。

もちろん、英単語の暗記一つとっても、人それぞれやり方が異なるとご理解ください。

【例えば、塾にも予備校にも通わず、現役で岡崎高校や東大に合格したS原先生の勉強法は参考になるのか?】

塾にも予備校にも通うことなく、1日2~3時間の自主学習だけで東大に合格したのですから、間違いなくものすごい勉強法なのでしょう。

しかし以前にもお話したように、自分はS原先生が何かを紙に書いているのを見たことがありません。

スケジュール管理のために、手帳にごくごく簡単な情報を書き込んでいるのは見たことがありますが、何せ旧センター試験を腕組みしたまま30分くらいで解いて満点なのですから、およそ山口のような凡人にはまったく理解できません。

手を使わない理由も『手を使ってしまうと、頭の処理スピードに手が追い付かず、返ってスピードが落ちてしまう』というのですから、もうこれは数学が大のニガテな山口には到底真似のできるものではないのです。

さて、S原先生の勉強法はみなさんの参考になったでしょうか?

そう、『1日2~3時間の勉強だけで、東大に現役合格』などと言っても、それが万人に当てはまるとは限りません。

そんなS原先生でも、『高校生には書いて情報を整理することの大切さを伝えています』と言っていましたから、やはりご自分のやり方が万人に合っているなどとはまったく考えていなかったようです。

【英単語の暗記の仕方】

常々、『英単語の暗記が最も時間がかかる』とお伝えしておりますが、具体的には800時間はかかると見ていた方がいいです。

もちろん、英単語を覚えるのにも得意不得意があって、得意な高校生は半分の400時間で済むかもしれませんし(ちょっと考えられませんが…)、山口のように要領が悪ければ、倍かかることも覚悟しなければなりません。

そして、その学習法も本当に人それぞれです。

以前にもお話ししましたが、山口がやってみて自分に合っていた学習法、まったく合わなかった学習法について紹介してみます。

そして『英単語が覚えられない』という高校生のみなさんは、主体的に自分で考えて行動してほしいです。

学校や塾の先生に、言われるがままに課題をこなすのは学習とは言いません。

それを確かめるためにも、大学受験の学習は膨大な時間がかかるのです。

闇雲に時間をかければよいというものではありません。

学習の質や集中力が大切なのは、言うまでもなく当たり前のことであり、質を追求した上で時間をかけていかなければなりません。

なぜなら、みなさんのライバルはそれを実践しているからです。

何となくぼーっと単語帳を何時間も眺めることは勉強ではありません。

それはご自宅や電車移動、学校の放課などの隙間時間にやってください。

【山口にはまったく合っていなかった学習法】

①何も考えずにひたすら書きまくる

これ、本当に無駄でした。

でも無駄と知るためにはやはり一度はやってみること。

この『ひたすら書きまくる!』がぴったりはまる高校生もいるかもしれませんし、事実山口の同級生で、この『ただひたすら書きまくる!』という学習法で、大阪大学医学部医学科に合格した強者がいますので、試す価値はあると思います。

間違いなく、やらないよりはマシです。

この『ひたすら書きまくる!』も、例えば『run 走る run 走る run 走る…』でノートを一面埋め尽くしても、まったく効果はありません。

それは、『あいうえお』や『1+1=2』をただただノートに書いているのと同じですから。

ただし、『runは自動詞なら”走る” 例文” I ran to velsawalk.”私はヴェルサウォークへ走って行った。他動詞なら”~を経営する” He ran velsawalk.彼はヴェルサウォークを経営していた。 run out of ~ ~を切らす run into A , run across A Aに偶然出くわす ・・・』などと書き取るのであれば、得られる効果はまったく違うと思います。

②ただひたすらぼーっと眺める

これも、『ただ眺めて覚えられる』のであれば、全然それでいいと思います。

実際のところ、英検1級の都築先生などは『ただぼーっと眺めている』だけです(笑)。

ただし、都築先生は高校の2年間をアメリカで過ごしていたころ、朝7時に起床して、夜中の2時3時まで勉強していたそうです。

それも、『英語を勉強していた』のではなく、『英語で日常生活を過ごし、英語だけで数学や理科、歴史などの授業を受けていた』のですから、私たちの『受験英語』とは比べ物になりません。

そういった途轍もない土台があるからこそ、今は『英単語帳をぼーっと眺める』という確認作業だけで済んでいるのだと思います。

【山口にとって効果的だった学習法】

①とにかく動詞を完璧にする!具体的には、実際に自分で例文を作ってみる。

例えば”commit”という単語があります。

みなさんはこの、”commit”という単語を完璧に説明できるでしょうか?

“commit”をターゲットなどで調べてみると、『”commit oneself”、または受身形で”深く関わる” 罪を犯す』などと書いているわけですが、果たしてこれを丸暗記したところで、実際の長文ででてきたときにすぐに対応できるでしょうか?

また、自分で文章を作ることができるでしょうか??

“commit”については自分はこのように整理して覚えています。

①”commit”は”devote”、”dedicate”と置き換えが可能

②意味はふわっと『一生懸命頑張る』『AをBにあてはめる』

③”commit”に必ずついてくる”to”は不定詞なので、直後には動名詞か名詞しか来ない!

不定詞ではないので動詞の原形を続けないこと!

④自分で考えた例文”I had commited mysely to studying English so that I went on to college I really wanted to do.”

私は第一志望の大学に通うために、一生懸命英語を勉強した。

たったひとつ、”commit”という単語を取ってもこのクオリティで覚えなければ、受験では使い物にはなりません。

他の例も一つ。

例えば”prevent”という単語、多くの受験生は『妨げる』と覚えているわけですが、実際にこの”prevent”という単語一つとっても、完璧に覚えられているかというと怪しい高校生も多いのではないでしょうか?

例えば”prevent”について、山口はこのように整理しています。

①preventはSVOC、したがって、”prevent”の直後には人がくることが多い

②『妨げる』という意味から、その物事から遠ざけるイメージ。だから前置詞は”to”ではなく”from”

③似た用法に、”discourage” “keep” ” stop” “forbid”などが挙げらる。

ただし”forbid”だけは例外で、”forbid to do”を取ることもある(※早慶やMARCH、関関同立では頻出!)

④自分で考えた例文

“Bad weather prevented me from  going there.” “What mother said discouraged me from studying.”

中学校時代の英単語と異なり、高等英単語はこんなに面倒くさいんですね(苦笑)。

高校時代の自分ですが、英単語をただただ何も考えずに丸暗記していたころは、まったく偏差値が上がりませんでした。

ですので、『単語は語法や用法まで覚える』『間違えてもいいから自分で動詞を使って文章を作ってみる』ということを実践したところ、最終的に英語の偏差値は40未満から最大78まで上がりました。

ただひとつ、『すさまじく面倒くさかった』上に『とんでもなく時間がかかった』やり方でした。

しかしながらおかげさまで、英語難関校に合格するくらいの単語力はつきましたし、40を超えても未だに記憶に残っています。

みなさん”involve”や”attribute””expose”や”impose”を使って例文が作れるでしょうか?

“enables”や”allow””force”なども第5文型だと理解しているでしょうか??

まだ時間が残されている、『高校2年生まで』の中高生は、よかったら試してみてください。

面倒くさいとは言ったものの、毎日1時間勉強すれば、高校の3年間で1,000時間は確保できます。

【自分に合っていた英単語の暗記法②】

『例文をとにかくひたすら歩きながら音読する』

これは今でも実践しています。

音読することのメリットは、聴覚を刺激できるというのもありますが、何よりも『返り読みを防ぐ』という点において効果絶大です。

・・・とまだまだ書きたいことはあったのですが、授業準備がありますので続きはまた今度。

繰り返しになりますが、『文系理系問わず、英語は大学受験にはマスト』『もっとも時間はかかるが、最も得点を稼げる教科』です。

だから早めに取り掛かってください。

そして漫然と、『単語帳をただ眺める』ことから脱却してください。

それは確認作業であって、英語の学習ではありません。

私たちの目的は、英単語をただただ覚えることではなく、正しく語法や派生語まで把握し、大学受験レベルの文章を読解し、自分で文章を作ることにあります。

最後にもう一度念押ししますが、英単語は『覚えられない』のではなく、『やっていない、もしくはやってるつもりになっているだけ』のどちらかです。

私たちは母国語の日本語でさえ、小さい頃から読み書きを繰り返し、家族や友人、学校の先生などの言葉を聞いて、実際に話して習得してきたのです。

外国語である英語をお手軽に何とかしようという幻想は今すぐに捨てた方がいいです。

ただし、本気でやるならば成果は確実に得られます。

当塾では、そんな本気で頑張りたい中高生のみなさんをお待ちしております。

一緒に頑張りましょう!

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