小論文と作文は違いますよ!(国立二次、慶應大学など)
・・・というわけでこんにちは!
その昔、慶應大学を目指していましたが、赤本に目を通して諦めてしまった山口です!
まあ今となっては笑い話ですが、当時は問題を見て青ざめてしまいました・・・。
その問題の難易度の高さは、正直国内でも1、2を争うのではないでしょうか??(英語は言わずもがなですが、社会も『センター試験は満点取ってきてね』レベルです)
早稲田の政経や文学部も相当ですが、やはりこの辺の私学の頂点に君臨する大学は、普通に学校の授業を受けていては絶対に対策は取れません。
そして今回取り上げた小論文、多くの生徒諸君が作文と勘違いしていますが、小論文は作文ではありませんよ!無策で臨めばまず得点は稼げません。特に小論文は減点方式なので、知らなければどんどん減点されますよ。
どんどんどんどん!(某CM風に)
そんなわけで、当塾塾生の生徒より、小論文の添削の依頼があったので少しその話をさせてください。
今回の論述テスト、慶應大学法学部2011年度の問題でした。
試験時間は90分
およそ4000字ほどの法律に関する論文をよみ、1000字で論じる
もう内容がヘビーです(笑)。センターの現代文の比較にはならないくらい難度の高い文章を4000字読み、自分の意見を1000字でまとめろと言っているのです。
その4000字の論文は割愛いたしますが、問題はこうです。
【この試験では、広い意味での社会科学・人文科学の領域から読解資料が与えられ、問いに対して論述形式の解答が求められる。字数は1000字以内とする。その目的は受験生の理解、構成、発想、表現などの能力を評価することにある。そこでは、読解資料をどの程度理解しているか(理解力)、理解に基づく自己の所見をどのように論理的に構成するか(構成力)、論述の中にどのように個性的・独創的発想が盛り込まれているか(発想力)、表現がどの程度正確かつ豊かであるか(表現力)が評価の対象となる。次の文章を読み、筆者の抵抗権についての捉え方を整理したうえで、実定法を超えた抵抗権にういて、具体例を交えて論じなさい。】
・・・この前置きを読んだだけでも、無策で臨むことが自殺行為であることが分かると思います。普通の小論文は、『どちらが正しくて、どちらが間違っているのか?』が明確に分かるようなテーマが定められていることが多く、論を展開しやすいように作られています。
しかし慶應大学の小論文は、人によってはどちらにでも取れるようなテーマが定められていることもあり、そのため多くの受験生は読んでいて混乱することも多く、なおかつ自分の意見も述べていかなければならない(それでいて客観的な文章を求めてきます)ので、非常に難易度が高いと言えます。
普通の大学生が一か月くらいで仕上げるレポートを90分で完成させなさい、と言っているようなものですね。そんなわけで、恥ずかしながら久しぶりに書いてみました(以下山口が書いたものです。本当にお手すきな方だけ読んでみてください)。
筆者は抵抗権について、『超実定的な抵抗権』と『実定的な抵抗権』の二つに分類し論を展開している。前者は中世の法思想の発想に基づいており、哲学的であると言える。例えば法的に結果が出ていたとしても、法律を超えた部分、つまりは良心の部分で逆転する可能性を残している。一方後者は、法規定が最優先される抵抗権である。これは現代実定法学に基づくもので、『飽くまでも法律が遵守されるべきであり、そこに第三者の主観が介入する余地があってはならない』とする考えである。
この全く二つの異なる抵抗権で、『完全な政体と完全な法的制度はありえない』という理由から、筆者は前者の『超実定的な抵抗権』を支持している。
私も筆者の考えを支持する。具体例を挙げると、記憶に新しい××××で若い〇〇〇が起こした、飲酒運転による死亡事故である。この事故により、3名が死傷した。この事件における裁判では、加害者側が事故を起こした時点で、酩酊状態であったか否かに焦点が置かれていた。もしも飲酒の影響がないと判断されれば、過失の故意はなかったということで自動車運転過失致死罪が適用される。酩酊状態であったならば、運転において正常な判断ができない状態であったとされ、量刑がより重い危険運転致死傷罪が適用される。この事件では前者が適用され、人命が失われたという事実からはおよそ想像もつかないような軽い判決が下された。これでは被害者側は浮かばれない。飲酒運転については悪質な事故が起こる度に、少しずつ法改正が行われ厳罰化が図られてはきたものの、それでもまだまだ不完全な要素が多いと言わざるを得ない。例えば、飲酒運転により交通事故を起こしても、一旦事故現場を離れアルコールが体内から抜けきってから出頭し、『怖くなって一度逃げてしまったが、自首します。』と言ってしまえば、先ほど述べた自動車運転過失致死罪が適用されるのである。その量刑の差は10年以上もあり、およそ法律として完全とは言い難いものである。
もちろん法秩序は最優先されるものでなければならず、それ以外の主観の部分が入り込む余地があり過ぎてはならない。度が過ぎればそれは無秩序状態に陥る危険性を孕んでいる。しかしながら前述の通り、案件によっては明らかに不完全なものもあるのが現実であり、その不完全な部分を市井の良心に委ねることも時として必要であると私は考える。
(981字)
…ちなみにタイピングで90分かかってしまったので、おそらく手書きならあと10分くらいはかかっていると思います。
さて自己採点ですが、20~30点くらいかなと思います。
序盤の展開はそこそこだと思っていますが、中盤からの『具体例を交えて』の部分はもう少し独創力が求められると思います。一言で言えば『薄い』内容です。
しかもろくに法の知識もないので、具体性に欠けている印象もぬぐえません。私が採点者ならガンガン赤の修正を入れていきます。
ただ、だからと言って普段の受験勉強に『法律の勉強も加えなさい!』、と言っているわけではありませんよ!普段からニュースを見たり、新聞に10分目を通すなど、日々アンテナを張るだけで充分です。
ただし!実際に文章を読んでテーマをまとめ、独創性を盛り込みながら『序⇒論⇒結』でまとめる練習は必要不可欠ですよ!
西尾市内の中高生で小論文が必要な受験生!
対策は取れていますか??
あなたの書いている文章が、山口が書いているレベルなら危険信号ですよ!
当塾『担任制指導のFIX』では小論文対策ができるプロの先生が2名在籍しております(もちろん山口は入っていませんよ)。
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