やる気はどこから湧いてくるのか?(お父様お母様へ)
さて、先ほどのブログはお子様目線でしたが、今回は保護者様目線でかかせていただきます。
当塾の保護者様たちはみなさんご存知の通り、私はお父様お母様方に『くれぐれも成績のことでお子様を叱らないでください。』とお願いしています。
例えば落ち込んでしまった成績表や個票を見て、一番悲しい思いをしているのは他でもない本人です。
そこに追い打ちをかけるまでもなく、充分に辛い思いをしているので、『どうしたらこんなに悪い成績が取れるの!?』『ずっとゲームやったり漫画読んでるからこんなことになるんでしょ!』『こんな成績じゃあなたの行く高校なんてないからね!』などという必要はまったくありません(これらは全て、私が実際に母親から言われた言葉です。言うまでもありませんが、やる気が出るどころか、ますます勉強しなくなってしまいました)。
ただ、もちろん手放しにするわけではなくて、お子様が前向きになるような言葉をかけてほしいのです。
『テスト前あんなに頑張ってたのにね・・・。もしかしたらテスト前だけじゃなくて、もう少し早く勉強してたらいい結果が出てたかもね?』
『この問題、お母さんも中学生の頃間違えちゃったのよ。お母さんも久しぶりにやってみようかな?』
『この問題もったいないね!せっかく分かってたのに・・・。このミスがなかったらもっといい順位だったのにね!惜しかったね。』
何かを改善する必要があるときに、頭ごなしに叱りつけられたなら、大人でもやる気はなくなるでしょう。
まして多感な中高生ならなおさらです。
そして寄り道を恐れないでください。
私はマンツーマンで指導する時間とは別に、できるだけ自習の時間などに雑談をするようにしています(それを嫌がる生徒もいますので、そこは様子を見ながらですが・・・。)
ですが何がお子様のやる気の火種になるかは本当に分かりません。
ほんの些細なことが、お子様の爆発的なやる気につながることは絶対にあります。
2年ほど前の話ですが、ゲームが好きで好きでしょうがない高校生の男の子に、『僕もゲームは大好きなんだよ。でも今は洋ゲーばっかりでさ、国内のゲームはあんまりおもしろくないんだよね・・・。○○くんさ、愛知県立大でロボット開発の研究やってるっぽいから、そういうところに進んで好きなことやってみれば??』
実はその日たまたまテレビで、愛知県立大学の学生がロボットを作っている特集をやっていたので、何とはなしに話してみたのでした。
もはやゲームは関係ないんですけどね(笑)。
だけどそれでその男の子は学習意欲に火が付き、愛知県立大学に行くためにどうすればいいのか自分で必死に調べて、最後には推薦を勝ち取り合格したのです。
もしお子様が、少しでも何かに興味を示したら、その時は絶好のチャンスです。
例えば頑張っている部活でもいいじゃないですか。
『高校に行ってもサッカー頑張りたいな~・・・。』とお子さんが呟いたなら、どうすればその夢が叶うのか、勉強そっちのけでとことん話してもいいと思います。
愛知でサッカーが強い高校となると、今はパッと思いつくのは中京大中京附属高校ですが、現在の中京はスポーツだけでは入学できないようになっています。
内申点も最低35はほしいところですし、学年の順位もできれば上位15%くらいを維持しておきたいところです。
2年前のことです。
中京高校に合格した生徒が、中学3年生の頃に中京高校の練習に参加したときに監督とコーチからこう言われたそうです(ちなみにその子は野球部でしたが)。
『野球だけじゃなくて、勉強も全力で頑張ってうちにこい。野球だけのやつはいらないぞ。』と。
そう、好きなことのために好きなことを頑張るのは当然ですよね?
土壇場で強い人間というのは、『好きなことのために、必要であればニガテなことも頑張れる人間』です。
野球やサッカーにしたって、フィジカルを鍛えるためにやりたくない辛い練習もあるでしょう。
そういったことを目の前のお子さんに伝えていくことは本当に大切なことで、そのためにその日やる予定だった学習を犠牲にしても構わないと思います。
『そんなくだらないことを考えてる暇があったら勉強しなさい!』
これではやる気なんて出るはずがありません。
お子様のやる気を引き出すために、お父さまお母さまにもお子様と一緒にあれこれ悩んでほしいですし、時には寄り道をしたりして、きっかけを作る機会をできるだけ多く作ってほしいと思います。
さて・・・そんなわけで中京大中京高校に進んだ野球部員の男の子ですが、レギュラーは取れているのでしょうか??
今年は夏の選手権大会は愛知は2校選ばれるかも・・・とのことで、今年こそは教え子を甲子園で観るという夢が叶うかもしれない、と密かに思っています。
愛知は激戦区なので、愛知を勝ち抜くことが本当に大変ですよね・・・。
ちなみにこちらは去年甲子園球場に足を運んだときの写真です。
ちょっと話が脱線してしまいましたがお父様お母様、どれだけ心を込めて正しいことを言っても、それがお子様に伝えるのは本当に難しいです。
すぐの結果を求めずに、根気よく接していただけたらと願います。
本日も最後までお読みいただきまして、本当にありがとうございました。
追記:最後にですが、『成績が下がったことで怒らないでください』と書きましたが、以下の場合はしっかりと叱ってあげてほしいです。
①嘘をついたり、約束をやぶったとき
②他人を傷つけたとき