効率の良い勉強法とは??
さて、折に触れて『当塾は中高生のやる気を引き出すことに力を入れてはいない。』なんてことを言ってますが、それでもこの辺の塾では一番厳しいのではないかと自負しております。
『スマホ厳禁』『一切の私語禁止』『居眠り禁止』『食事も含めて40分以上の離席禁止』、これはまあ普通だとしても、テスト期間中などを除けば宿題課題は絶対に出ますし、できていなければ学生の講師も含めて厳しく指導させていただいております。
それは報告書にも書かせていただいておりますし、直接保護者様に伝えることもあります。
つまり、確かに『やる気のないい中高生のやる気を引き出す。』などという雲をつかむような話には配慮しておりませんが、中高生諸君が自然に頑張れるような環境作りにはどこよりも力を入れています。
勉強サボりたい中高生にとっては本当にいやな環境でしょうし、(なんかあの塾しんどいし行きたくないな…)と思われるかもしれませんが、正直そう思われるのであれば来ていただかなくて結構ですと考えております。
それはお互いのために、他塾を探された方がいいですので…。
私たちも入塾の際には上記のことはすべて保護者様にお話した上で、ご了承の上で安くはないお月謝をいただきご指導させていただいています。
もちろん、そうした厳しい環境が必要なのか否かというところですが、正直なところ、本当に一生懸命に頑張る塾生にとって、そんな環境は必要ありません。
そんなこと、私たちに言われなくても上記のルールは学習する上で当たり前であることを彼らは知っていますから。
ただ、中学時代の山口のように、それが自主的にはできない中高生のみなさんも現実にはいます。
だからこの厳しいルールと宿題課題があります。
しかし塾生のみなさんに肝に銘じてほしいのは、それは他でもないみなさんが『第一志望に合格するため』のものであるということ。
ここでは『偏差値至上主義がダメだ』とか『学歴がすべてではない』などという不毛な議論には触れません。
それは甲子園を目指す球児が、『練習ばかりしていてもダメだ』『強豪校に行くことがすべてではない』と言っているのと同じで、ご高説ごもっとも、そう思うなら自分の信じる道を進めばいいというだけの話です。
もちろん、練習時間の限られた公立高校に進んで甲子園を目指すこともできるでしょうし、強豪校ではない高校に進学して甲子園を目指すことも自由です。
例えば実際のところ、今年の春の選抜高校野球に、山口の地元から無名の公立高校が出場しましたが、そんなことは極めて稀です。
現実として、今甲子園に出場している高校の8割は私立高校ですし、その中でも大阪桐蔭や中京大中京、智辯和歌山などなど毎年毎年その顔触れは変わっておりません。
そういったわけで、何を信じて、どういった環境に身を置くのかは自由なのですが、当たり前の話『目標に向かって頑張る』という一点においては同じはず。
だから塾生諸君、頑張りましょう。
私たちはみなさんに、『頑張らずに第一志望に合格する方法』をお伝えすることはできません。
しかしみなさんが全力で頑張ってくれるのであれば、もちろん私たちも同じ熱量で、全力でサポートします・・・ってこんな話じゃなかった!
『効率のよい勉強法について』でした。
【万人に共通する効率のよい勉強法はあるのか?】
結論、『ないです。』
それがあるのであれば、精文館書店にあんなにたくさんの『勉強法』にまつわる本が並ぶことはないでしょうし、学習塾の種類もこんなにたくさんありません。
言ってしまえば、数ある学習法や学習塾はそれぞれに長所と短所があり、およそ630万人いるとされている中高生全員に当てはまる学習法は存在しません。
例えばの話、自分が前塾で知り合った、塾や予備校に一切行かず、公立の中学校と高校を卒業して現役で東大に合格したS原先生。
S原先生は授業中はよくペンを使って常に手を動かしながらキャッチ―な授業をしていたのですが、ふとある日気づいたのです。
(あれ?S原先生はひとりの時は全然紙に書いたりしていないぞ?)
なんとS原先生はセンター試験の数学を、まったく手を使わず、腕組みをしたまま解いていたのです。
おそるおそるS原先生に、紙やペンを使わないのか聞いたところ、『もちろんこういうお仕事なので、立場上生徒には書くことの大切さを伝えますが、ぼく個人はスケジュール管理などを除けば紙に何かを書くことはありません。』と返ってきたのです。
何でも、頭で情報を処理するスピードに手が追い付かないとのことで、書くことによって逆に思考するスピードと精度が落ちてしまうのだそうです。
嘘やん・・・、そんな人おるん??と思いましたが、山口の人生でそんな人、S原先生以外にいません(笑)。
つまり、彼は中高はすべて公立で、塾にも予備校にも通った経験はなくとも東大に合格しているので、それはもう彼に合った学習法があったのでしょうが、まったく万人には合わない学習法だと言えます。
ちなみにS原先生ですが、小さい頃にブロックを積み上げるおもちゃで遊んでいて、最も効率よくブロックを積み上げるためにはどうすればいいのか?と疑問に感じて、自分の意志で数学を学びはじめたそうです。
そりゃあ参考になりませんよね。
ちなみに小学生の頃の山口は、所属していたリトルリーグやプロ野球のことしか考えておりませんでした。
もう育った環境が違うのですから、S原先生と同じように育つわけがありません。
【正しいと思い込んでいたけど自分には合っていなかった勉強法】
これまでにも紹介させていただきましたので、詳細は割愛いたしますが、とにもかくにも『学年ビリ』の状態で、中学3年生から本格的な勉強がスタートしました。
ぶーぶー文句ばかり言って、口だけで全然まじめに勉強をしなかった山口に対して、勉強を教えてくれていた友人針本君が次の条件をつきつけます。
『英語の教科書に載っている英文を一週間で全部覚えてきて。』
さあこれは大変です!
それができなければ、もう二度と勉強は教えてくれないというのです。
追い詰められた山口が必死に模索した”自分には合っていなかった”勉強法をご紹介いたします。
①教科書に書いてある内容を、同じように模写する。
山口はよく教室内をウロウロしておりますが、今でもたまにこれをやっている塾生を見かけたら『多分あまり効果ないよ。』と声をかけさせていただいています。
まさに模写しているだけですから。
単語なんかもそうですが、ノートに書きだして終わりみたいなのはまったく何の役にも立ちません。
いや、もちろん『それだけで覚えられる!』というのであればそれでいいのですが、まあ多分覚えていません。
この手の学習は往々にして『ノートにきれいに書いたことで満足している』ので、書くことが目的になっていて『理解することや覚えること』には達していないのです。
いくらきれいに書いたとしても『この構文に登場する2つの”the”は定冠詞ではなく、前者の”the”は「・・・すればするほど」の意で、比較級を修飾する副詞の働きと、副詞節をまとめ上げる接続詞の働きを持ち、後者の”the”は「それだけますます・・・」の意を表す程度の副詞の働きを持つ。(英文読解の透視図より抜粋)』こんなに素晴らしい解説も、副詞や副詞節といった『中学英語の文法用語』を理解できていないだけでお手上げのはずです。
こんなに素晴らしい解説も、理解もしていないのにノートにきれいに模写しただけでは何の役にも立ちません。
中学校の英語の参考書で副詞節を調べるか、もしくは私たちに質問してもらって3分で解決した方がよほど効率がいいです。
そんなわけで山口にとっては『参考書や教科書の内容を丁寧にノートに書く。』これが一番無駄な学習法でした。
②英文を100回ずつ書く。
とにかく書きまくる、これです。
もう大変なばかりで、これ自体はまったく効果が出ませんでした(苦笑)。
ただ、やってみて本当に良かったです。
『まったく効果が出なかった』と言っているくせに、山口は学習習慣がついていない中学生にはこれをやってもらっています。
大体学習習慣がついていない中学生の勉強って、『学校から出された新研究の課題などを、答えを見て丸写ししているだけ。』なんです。
当然ですが勉強のきつさなんて知りもしない。
だから何であれ、とにかくノートを三日で埋めるくらいの課題を要求することがあります。
それでもやらない子はやりませんが。
(なんだよこれ…ひたすら書いているだけだから頭に何にも入ってこないよ。これじゃ覚えられないんじゃないの??)と思うようになったら、(次はどうすれば覚えられるんだろう??)と考えて、次に何をすれば良いのか考えるようになります。
そういった意味では、勉強が作業になっているという点では無駄ではありましたが、これがきっかけで自分に合った勉強法を見つけることができたので、まるっきり無駄ではなかったと思います。
③ただ眺めるだけ。
これについては『山口に合っていなかった』というだけで、見るだけで理解できる、覚えられるというのであればそれでいいと思います。
正直、今の山口は英語などに限って言えば、ライティングの練習を除けばほとんど『眺めるだけ』です。
一応英語に関する理解はそれなりに深まっていますし、今となっては『知識をキープする』『新しい単語やイディオム、表現を覚える』だけで大丈夫になりましたので、今はただただたくさんの参考書などを眺めるだけです。
ただ、英語が0点で、理解も知識もゼロだった中学3年生の山口にはまったく効果がなかったのでした。
①~③については、学習効率という点においてはまったく効果が現れませんでした。
ただ、これらは『自分に合っていない学習法を知り、どうすれば効率よく学習できるのか?』を考える機会になりましたので、無駄ではありませんでした。
学習効率がない塾生に、『とりあえず自習に来てほしい』と伝えるのはそのためです。
そもそも何もやらないのに、何かができるようになるわけがない。
上記の勉強法は無駄かもしれませんが、やらないよりははるかにマシです。
そうしてもがきながら、『自分に一番あった学習法』にたどり着くわけですから。
『効率の良い学習法』『勉強は量より質』
そりゃあそうです。
でもやってもいないのに、『自分にとって効率の良い学習法』なんて分かるわけがないでしょう?
甲子園出場を目指している球児が、『練習は量より質なんで、ぼくは効率の良い練習を2時間しかしません!』なんて言ったらそりゃあ無理だと思うでしょう?
良いか悪いかはさておき、甲子園に出る学校は特待生で野球エリートを集めた全寮制の私立で、そこに入学したすごい連中が昼には授業を切り上げて、それこそ『最高の環境で、質を追求した練習』を夜中までやるんです。
勝てるわけがない。
これも良いか悪いかはさておき、ピアノで世界レベルのコンクールに出るような一流のピアニストは、物心つく前から食事と寝る時間以外はずっとピアノを触っています。
もちろん、マンツーマンのレッスン付きで。
勉強はいつしているのか?ですが、勉強なんてしている暇はないのだそうです。
それを良いとするか悪いとするかは価値観の問題なので触れませんが、とにもかくにも『まずはやること』、これが大切です。
もちろん当塾は『完全1対1のマンツーマン指導』ですので、効率についてはもちろん追求しています。
しかしそれだけでは全然足りません。
むしろ『マンツーマン指導で分かりやすいから勉強はしなくていい!』と心得違いをするくらいなら、うちには来ない方がいいです。
成績は上がりませんので。
さあだから今!もしもみなさんに第一志望の学校があるのであれば、空いている時間は自主的に勉強してください。
『大学入学共通テストまであと261日(つまり9か月切っています)』『公立高校入試まであと312日(あと10か月強)』、みなさんが胸に手を当てて、(今の勉強で充分だ!)と思えるのならそれでいいです。
でもそうじゃないなら、なりふり構わず勉強しましょう!