やる気の出し方は人それぞれ
やる気はどこから出てくるのでしょうか??
勉強に限ったことではありませんが、どんなに良い環境に身を置いたとしても、本人にやる気がなければ100%何にもなりません。
先日甲子園で春夏連覇を達成した大阪桐蔭高校。
こと野球に関して言えば(勉強の方もすごいですが・・・)、優秀な監督とコーチ陣がしっかりと脇を固め、全国から優秀なライバルが集まった最高の環境ですが、ここに『いや、ぼく野球には興味がなくて、テニスが好きなんです。』なんて子が混じっても、まずレギュラーにはなれないでしょう。
そして本人も、『まあ正直野球に興味ないですし・・・。』みたいな感じでしょうね。
勉強も同じです。
動機は何でも構いませんが、やる気がなければ林先生のマンツーマン指導を毎日受けたとしても、成績なんて上がりはしないでしょう。
逆にやる気さえあれば、9割達成したも同然です。
このやる気についてですが、正直一番厄介です。
山口のデスクには、このやる気を促す系の書籍が20冊ほど入っていますし、暇さえあればネットなどで調べたりしておりますが、通り一辺の手法など存在しないのです。
万人に共通する手法があれば、世の中にこんなに塾や予備校はないでしょうし、書店にも同じような書籍が乱立することもなかったでしょうしね。
ですのでお子さん一人1人に合わせて、周囲の大人たちがやる気を探してあげる必要があります。
自分の体験談になってしまい恐縮ですが、まあ~自分ほど勉強が嫌いで、まったく勉強しなかった中学生もいなかったと思います。
自分の場合、生まれ育った環境が本当にド田舎だったので、勉強をやる必要性も、危機意識もまったくなかったのです。
もう本当にこんなところです。
コンビニなんてありませんし、店なんかもまったくないので、今でも夜は本当に真っ暗になります。
いや、本当に真っ暗なんですよ!
多分みなさんが想像している暗さとは比較になりません。
本当に闇しかないのです。
そんな環境だと、正直受験の重要性だの、大学や仕事のことなんて考えられないし、考える必要もなかったのです。
そんなものなくても、まあ何とか生きていけるでしょう、くらいの感覚でしたので・・・。
そのため、母親に『あんたなんか行く高校ないからね!』と言われようが、『あんたはいつ勉強するの?勉強してるとこ見たことないけど。』と言われようが、学校の先生に『おまえみたいなバカは学校に来なくていいぞ。』なんて言われてもどこ吹く風でしたね。
ですので、新規入会希望の面談で、保護者様から『うちの子は本当にやる気がなくて・・・。』なんて言われても、まったく動じません。
自分よりやる気がなかった中高生を見たことがありませんでしたので。
そんな(悪い意味での)大先輩山口の場合、本当のやる気が出るまではいくつか段階を踏む必要性がありました。
(1)母親から『学年で10位に入ればプレーステーションを買ってあげる』と言われ一念発起(中学3年生1学期)
(2)でも学年ビリ、内申点12くらいしかなかった山口が、いきなりそんな成績を取れるはずもなく、悪知恵を働かせてカンニングをする。
(3)結果目標を達成。念願のプレーステーションをゲット。母親は喜びの余り、そのときの個票を額縁に入れて居間に飾る。
(4)…そんな母を見てものすごい罪悪感に駆られ、本気で勉強をすることを決意。後の東大生針本君に、夏休み水泳を教えることを条件に弟子入り志願。
・・・という紆余曲折があったのです。
針本君のどスパルタ指導の成果もあって、2学期末には実力で学年10位内をキープできるようになりました。
サラッと言いましたが今思い出してもこれがきつくてきつくて・・・。
何せ全教科10点前後(もちろん100点満点ですよ)しか取れないくらいの学力しかなかったので、『一次関数の利用』だの『平方根』だの、『現在完了形』だの『受け身』だの言われても、これっぽっちも理解できませんでした。
ですので”This is a pen.””I study English.”からやり直しましたし、数学なんかはただの四則演算を、ミスがなくなるまで延々数時間解き続けるという課題を与えられました。
当時は回り道のように感じましたが、今にして思うとそれが良かったのだと思います。
一般動詞とbe動詞の違いも分からないのに、『時制』だの『関係代名詞』だの、主語述語なんて言われても分かるはずがないですからね。
小学生に大谷翔平選手が全力投球するようなものです。
そんなの何年経っても打てるようにはならないですから。
そしてその簡単なことの積み重ねで、私自身も小さな達成感を積み上げることができましたし、(やればできるんだ!)と月並みな自信も持つことができました。
これは非常に大きかったと思います。
そして何だかんだと今に至るわけですが・・・、その過程の部分はさておき、最初の火種というかきっかけは、『プレーステーション』だったわけです。
何か崇高なきっかけがあったわけではありません。
このきっかけについては人それぞれですので、ある日突然何かの偶然で見つかることもあるでしょうし、そうじゃなければ周囲の大人が根気よくそのきっかけとなりそうなものを与え続けていくしかありません。
『大学に行った方が仕事も選べるし、生涯年収も全然違う』
『そのためには、今勉強を頑張って、進学校に通う必要がある』
『少しでも高い合格実績のある高校に進学するために、今内申点をしっかりと稼いで、日々の学習も継続してやる必要がある』
100%正論も正論ですが、これらは全て大人の事情であって、中学生にはまったくピンときません。
体験していないから、そうすることのメリットを実感できないのです。
(生涯年収って言われてもな~・・・、今ゲームできるかどうかの方が大切だしな)
そんなものです(山口の場合ですが)。
高校生はさておき、中学生にとってのやる気は、割と目先の利益が最優先されます。
もちろん、そうじゃない中学生もたくさんいますが、お子さんのやる気がどうしても出ないな~とお悩みの保護者様は、方向性を変えてみてはいかがでしょうか??