外国語学部や国際関係の学部について
当塾の塾生には、『外国語学部』を第一志望として入塾してくれる中高生が何名かいます。
また、別の進路を希望していたけど、塾に通っているうちに英語に目覚めて、外国語学部や国際関係に進路変更した塾生も何名かいます。
保護者様の中には、(英語関係に進路を絞っていいのかな?手に職や資格を取った方がいいのでは・・・)と思われるお父様お母様もいらっしゃいますが、どうぞご安心ください。
英語と生涯年収には密接な関係がありまして、英語ができることで『年収が200万円以上アップする』なんてデータもあったりします。
また山口のように、まがりなりにも英語ができることで、いざというときに転職などの際にも非常に大きな武器となります。
ですから自信を持って、英語関連の学部や進路を目指してほしいと思います。
しかしながら、そんな塾生達に必ずお伝えさせていただいていることがあります。
それは、『受験英語の比較にならないくらい難しい』ということ。
英語関連に進んだ大学生が必ずノックアウトされるのがTOEICです。
時間は120分。
しかも序盤は60分リスニングぶっ通しで100問。
後半はセンター試験をさらに難易度高めにした文法・語法問題と、長文を同じく60分で100問。
受けてみると分かるのですが、とても大学受験レベルではありません。
そんなTOEICですら、英語系のテストの中では最も楽だと言われています(TOEIC作成を依頼しているのは実は日本で、受験者もほとんど日本人と韓国人しかおらず、国際社会で一定の評価を得ることには成功できていません)。
受験で英語をあんなに頑張ったのに、全然聞き取れないし話せない・・・そのときによく言われる『受験英語では話せるようにはならない』という議論に発展するのです。
ただそれもそのはず、そもそもこれまでの受験英語というものは、『聞く』『話す』ことを目的としていなかったので、それは当たり前と言えば当たり前の話なのです。
受験英語というのは、いくら長文だ、英作文だと言っても、充分に考える時間が与えられているので、受験者にはじっくりと考える時間が与えられているのです。
でも日常会話ではそうはいきません。
本の他愛のない会話でも、聞いた瞬間に相手が言っていることを理解し、瞬時に相手に伝えたいことを考えて発話する・・・その繰り返しが求められます。
相手が話す度に”Could you say that again please?”
“Could you speak a little more slowly please?”
“What does ○○○ mean?”
を繰り返していたら、相手だってうんざりしてしまいますし、何よりもそんな自分が嫌やになってしまいます。
よく言われることですが、『大学受験英語に1,000~1,500時間』『日常会話を一通りできるようになるのに5,000時間』『英字新聞をスラスラ読んだり、英語のニュースを理解するのに10,000時間』『英語圏の映画を字幕無しで不自由なく観るのに15,000時間』なのだそうです。
15,000時間・・・。
仮に1日10時間英語だけを勉強したとして1,500日、つまり4年かかる計算になります。
年単位で留学すれば、1日フルに英語なのでもっと短縮できますね。
でもよく考えると当たり前だと思いませんか??
日本語ペラペラの外国人がいたとして、『日本に来て4年になるんです。』と聞いたらびっくりすると思いませんか?
言語を学ぶというのはそういうことです。
いずれにしても、英語を不自由なく使いこなすには、相当の時間と労力を要する覚悟を持ってほしいと思います。
・・・な~んて言うとやる気がなくなるかもしれませんが、絶対に楽しいですよ!
一生懸命勉強して、同じフレーズを何回も反復して、リスニングのトレーニングもやって・・・実際にコミュニケーションが取れたときの喜びは何にも代えがたいくらい嬉しいものです。
きっと(もっともっと英語を使いこなせるようになりたい!)と思えるはずです。
そしてよく巷で蔑ろにされてしまう受験英語ですが、山口は絶対に必要だと思っています。
基本的な文法は絶対に必要ですし(みなさんの嫌いな仮定法なんて、毎日使われますから)、中学校の教科書の表現なんかは、本当にネイティブの方も使うものばかりです。
ただ先にも申し上げました通り、受験英語というものはそもそも『聞く』『話す』を目的とはしていません。
・みなさんが嫌いな文法をしっかりと理解しているか?
・一見無駄に思える英単語やイディオムを覚えられているか?
・それらを駆使して長文を読解し、日本語に置き換えることができるか?
・さらにそれらを駆使して、目の前の情報を処理して解答にたどりつけるか?
・最後に・・・これらの面倒なことから逃げずに、目標達成のために困難に立ち向かうことができるのか?
を確認するために存在しているのです。
とどのつまり、それが測れるのであればロシア語やスワヒリ語でもよいのだと思います。
でもせっかくだから、どうせやるんなら国際言語である英語を学んだ方が良いですよね??
そういうことです。
それに受験英語くらいはこなしておかないと、日常会話のマスターなんて夢のまた夢です(ここでいう『日常会話』とは、どんなテーマや話題でも、相手と満足にコミュニケーションを取るレベルのことを指しています。旅先のちょっとした会話レベルは含んでいません)。
受験英語なんてサクッと攻略して、ぜひぜひ仕事で英語が使えるような、かっこいい国際人を目指してほしいと思います。
そんなわけでセンター試験まであと9か月・・・今日も1日頑張りましょう!