なぜ単語の予測をしてはいけないのか??
こんにちは!
勝手に山口が頑張っている企画、塾生の学校までランニングするという自己満足イベント、久しぶりに行ってまいりました。
今回は西尾市内の公立高校へ行ってきたのですが、何高校でしょうか??
え?
こんなところあったっけ??
では続きを・・・。
答えは吉良高校でした!
これまではご近所ということで、西尾中学校や鶴城中学校、西尾高校や西尾東高校、鶴城丘高校などがランニングコースでしたが、今回頑張って吉良高校まで行ってきました。
なんと20km・・・。
よし!
いい感じや!これなら年内に全塾生の学校制覇できそうだ!・・・と思っていましたが、よくよく考えたら名古屋市内の私立中学校に通っている塾生さんがいました。
片道40km・・・。
え~と、彼らの学校は現地まで行って走ろうかな。
さて、前置きが長くなりましたが本題に入ります!
色んな学校の先生(特に高校)がこう言います。
『英語の長文で分からない単語に遭遇したら予測しなさい!』
ただ、山口はそれに反して『英単語の予測などしなくていいから、片っ端から覚えなさい。』と言います。
いや、山口だけじゃなく英検1級の都築先生を筆頭に、当塾の講師全員が絶対に同じことを言います。
なぜでしょうか?
まあいつもだと『本番の限られた時間で英単語を予測するくらいだったら、今覚えた方が早い。』と言ってしまうのですが、それだと納得がいかない生徒さんもいるかと思いますので、今回はもっと掘り下げて説明しますね。
そもそも単語の予測とは何でしょうか?
これ、できるんです。
ただ、『前後の文脈から類推して・・・。』などという、決して曖昧な話ではないのです。
例えば以下の例文、みなさんは訳せますか??
The doctor has prescribed him a carcinostatic agent.
みなさん心配しないでください。
carcinostatic agent などという単語は医学部医学科の入試問題でしか出ませんし、出たとしても注釈が入るのではないかと思います。
その前に、prescribeという単語も目にしていない生徒諸君が多いのではないでしょうか??
ただしこのprescribeは普通に『ターゲット1900』に載っているレベルなので、知っておかなければなりません。
ただ今が入試本番だと思ってください。
prescribeが分からない・・・ここで初めて単語を類推するのです。
ただし文脈ではありませんよ!
この英文での主語は言うまでもなく『doctor』ですね。
主節動詞は『has prescribed』、だけどこの肝心のprescribeが分からない。
そこでその先を見てみると、『him』という目的格を表す単語があります。
さらにその先に続く『carcinostatic agent』、これの意味が分からなくても冠詞の『a』がついているので名詞であることは分かりますね。
つまりこうです!
この文章の単語がまったく分からなかったとしても、『SVOO』の第4文型であることは分かるわけです。
ここから先は中学2年生の文法です。
第4文型の代表的な動詞は『give』、その他にbuy , show , send , tell , cook ,などなどたくさんありますが、何が来たとしても動詞の後に目的語が2つ連続した時点で『与える』と訳してしまえばOKです。
上記の文章でも『has prescribed』という動詞の後に、目的語が連続している時点で『与える』と訳せばいいのです。
つまりこうなります。
『The doctor(医者は) has prescribed(与えてきた) him(彼に) a carcinostatic agent(何かを). 』
医者が彼に何かを与えてきたのだから、『carcinostatic agent』は何となく(薬か何かかな?)という予測もつきますね。
ちなみにですが『prescribe』は『~を処方する』という意味ですし、『carcinostatic agent』は『抗がん剤』という単語です。
いかがでしたでしょうか?
分からない単語を類推予測する、というのは『前後の文脈から判断』などという曖昧なやり方ではないのです。
そもそもその前後の文章に、分からない単語があったらまたその英単語を前後の文脈から予測するのでしょうか??
キリがありませんよね。
英単語は前提として100%覚えてしまって、その上で分からない単語に遭遇した時に初めて『予測する』のです。
そもそも上の文章だってかなりシンプルに作りましたが、次のような文章だったらかなりきつくなると思います。
The doctor has prescribed a patient that is suffering from cancer a carcinostatic agent.
人を表すhimの部分を『a patient that is suffering from cancer (癌でくるしんでいる患者)』に代えたのですがこれ、文構造は同じ【SVOO】の第4文型のままなのです。
ただ、名詞句の部分が長くなっただけ。
でもたったそれだけで、読み手に与える負荷は一気に大きくなります。
実際のところ、上の文章は『人』と『物』の部分をまるっと入れ替えて、次のようにした方がナチュラルかなとは思います。
The doctor has prescribed a carcinostatic agent for a patient that is suffering from cancer .
『give』と同じで『人 + 物』=『物 + for 人』の入れ替えが可能ですので、こちらのほうが読み手は読みやすいですね。
どちらにせよ、単語なんてものは覚えてしまった方が圧倒的に楽なんです。
色んな先生が言う『英語の長文で分からない単語に遭遇したら予測しなさい!』、はウソではありませんが、単語を覚えるよりも100倍大変なことなのです。
超長文を読みながら、単語を予測しつつものすごいスピードで読んでいく・・・できると思いますか??
最後に念押ししておきます。
『とにかく英単語は覚えなさい!』
単語を類推する方法はいくらでもお伝えしますが(上の例はほんの一例です)、覚えた方が絶対に楽ちんですよ!
さてセンター試験までいよいよあと4か月!
・・・早い。早すぎる。
さあ気合を入れて、今週も頑張りましょうね!