中学生(と保護者様)のみなさんへ。中間テストや期末テストの結果はそれほど気にしなくてもいいです。
もちろん、『全力を尽くしたのであれば』という枕詞がついてしまいますが。
当塾の現塾生で、刈谷高校1年生の男の子がいます。
ありがたいことに、中学校1年生の頃から指導をさせていただいておりまして、予定通りと言いますかしっかりと刈谷高校に合格しました。
山口から見ても極めて優秀でして、中学2年生の頃に英語の指導を担当させていただいたのですが、なにせこちらが指導した内容を、真綿が水を吸収するように理解していくので、1年が経つ頃には
『中学校の内容すべて』
『刈谷高校2年生の冬くらいまでの内容』
が修了してしまいました。
そう聞くと、(いや、そりゃあもう生まれつき天才で、一度も挫折を味わったことなんてないんでしょ?)と思うかもしれませんが、もちろん彼とて挫折は経験しているのです。
【最後の最後、中学3年生最後の実力テストで大幅に成績が下がってしまった】
自分は彼の不断の努力を見ていましたので、多少テストで悪い結果が出たとしても、『100%刈谷高校に合格できる』と確信しておりましたが、ご本人や、もしかしたら保護者様は気が気でなかったかもしれません。
一番下の『学テ12月』がそれに該当します。
左から右に向かって、『国語、数学、理科、社会、英語』
山口が見る限り、彼が受けたテストの中で一番悪かったと思います。
しかも普段山口は、『中間テストや期末テストよりも、学力テストや模試のほうが重要』と口を酸っぱくして言っているわけですから、その学力テストでこの結果が出てしまったことは、本人にとっても辛い経験だったと思います。
特に、『英語は刈谷高校の授業の2年生冬まで終わっている』と山口は豪語していたわけですから、普通に考えれば、(え!山口さんあんな大きなこと言っておきながら、中学校のテストで悪い結果が出ちゃってるじゃない!!)と思われても仕方ありません。
(※ありがたいことに、そういったお叱りの言葉はいただきませんでしたが)。
いかに西尾中学校が優秀とは言っても、『学年32位』という結果は刈谷高校には遠く及ばないというのは誰にでも想像がつくことです(※現に今年、西尾中学校からは13名が刈谷高校を志望、合格したのはわずかに4名でした)。
ただ、しつこいようですが自分は知っていたのです。
彼が3年間、地道に地道に努力を続けていて、ともすればキャパオーバーとなる英語や数学の課題(※ちなみに数学も高校1年生の内容が終わりかけていました)をこなしてくれていたことを。
はっきり言って、毎年毎年出題される問題が大して変わり映えもせず、オールマークの公立高校入試のことだけを考えるならば、そんな先取り学習は無意味です。
しかし彼にはその先がある。
だからこそ5年後6年後を見据えた指導を続けていたのです。
もちろんご本人も不平不満を言わずに頑張ってくれましたし、お母様にも当塾の指導方針にご理解とご協力をいただいておりました。
だから一度や二度結果が悪くても全然大丈夫だと考えていました。
それまで一生懸命やるべきことを積み上げて来てくれたわけですから、テストの結果が出なくてもすぐに修正できると確信しておりました。
【テストは終わった後こそが重要】
これももう中高生のみなさんは『耳にタコ』かもしれません。
テストの結果はもちろんそれなりに重要ですが、大切なのは終わった直後。
テストというのは今の自分の立ち位置を知ることができるというのもそうでですが、一番ありがたいのは『今の時点で自分が何をニガテにしているのか?』を知ることができるという点です。
特に今回の彼の場合、実際の入試直前で自分の弱点が炙り出されたわけですから、実のところ本当にありがたかったのです。
彼の場合よっぽどあり得ませんが、もしかしたら受験本番でこの結果が出ていたかもしれないのです(※もしかしたら刈谷高校に不合格になった9名の中には、そういう受験生もいたかもしれません)。
もう一度念を押させていただきますが、『本当に一生懸命頑張ったのであれば、テストの結果で一喜一憂する必要はありません』。
それなりに凹んでしまうかもしれませんが、自分の弱点をすぐに見直して修正すること、そちらの方が遥かに大切です。
【先取り学習をしたアドバンテージが活かされるのはこれからです】
そんなわけで、彼は中学校で受ける授業の域をはるかに超えて、『高校生の内容』を学習していたわけですが、その利が活きるのはこれからです。
特に英語に関しては、今から刈谷高校で受ける授業が全て復習になっていきます(※英単語やイディオムだけは別ですが)。
岡崎高校や刈谷高校の授業はとにかくハード。
もうめちゃくちゃです。
しかし実際のところ、難関大の基準を考えるならば、めちゃくちゃどころかいたって普通なわけですが、ついこの前まで公立高校入試対策しかしてこなかった中学生には、質・量ともに非常に厳しい内容です。
ですが彼はもうすでに最低でも2年分の学習を先取りしているわけですから、慌てることなくじっくりと刈谷高校の課題に取り組むことができます。
うちは闇雲に先取り授業を進めていたわけではありません。
言葉は悪いですが、最初から公立高校入試のことは一通過点としか考えていません。
今、少子高齢化の波は教師にも押し寄せていて、とある県では教員免許を持っていなくても教師になれるのだそうです(※中国地方のとある件です)。
そこへ来て、まったく理由が分からない『全国でも愛知県のみ、公立高校入試のオールマーク化』。
眉唾な情報ではありますが一説には、余りにも外国人が増えすぎたため、愛知県の子どもの識字率が大幅に低下し、『字が読めなかったり書けなくても、ある程度結果が出せるように』という配慮からとも言われています。
本当か嘘か分かりませんが、いつか公立高校入試で使われている漢字がほとんどひらがなになるかもしれない、とも言われています。
ことの信憑性はさておき、間違いなく言えることは『その犠牲になるのは子どもたち』ということです。
学校の授業で漢字を書く必要が無ければ、当然子どもたちは漢字を書くことなどないでしょう。
自分で漢字を書かないわけですから、当然読むこともできません。
この状態で、9割方記述しかない難関大受験に対応できるのでしょうか?
『漢字を読む必要も、書く必要もない授業』を中学校でどっぷり3年間受け続けて、今度は『たったの2年9か月程度』で大学受験に対応しなければならないのです。
そんなことは無理です。
ですので、『大学は受験しない』、『とりあえず、公立高校には合格してほしい』というだけであれば、こういった対策は必要ありません。
しかしそんな彼らや彼女たちにも、いつかは仕事に就かなければならないタイミングが訪れます。
字も読めない、漢字も書けない、そんな社会人に、果たしてまともな仕事が回ってくるのでしょうか?
今この日本には、たくさんの外国人が溢れかえっていて、さらには多くの仕事がAIに取って代わられているのですから、いわゆる『やりたいことをやって高収入がもらえる仕事』などほとんどありません。
もちろん、学歴など無くとも我が道を切り開く経営者だっているでしょうが、それは高学歴を手にして高収入の仕事を得ることよりも、はるかに狭き門です。
そんなわけで話がそれてしまいましたが中高生のみなさん、『テストの結果に一喜一憂する必要は一切ありませんよ!』
ただし、テスト前は言わずもがな、テスト直後にどれだけ自分の弱点に向き合えるか、これはとても重要です。
それどころか、『本当の学力は伴っていないのに、テスト前だけ頑張って高得点を取ってしまう内申美人』は気を付けた方がいいかもしれません。
公立高校入試こそ何とかなるかもしれませんが、その先にはいばらの道が待っているかもしれませんので・・・。