負荷をかけなければ本当の力は身につかない
いよいよ共通テスト本番まで、残りあと12日ほどとなりました。
常々幣ブログでも申し上げてきましたが、ここまで来たらもう新しくやることはありません。
ただただひたすら最終確認。
またこの時期は、Kパックや青パックを受験させてくれる高校が多いですが、極めて重要です。
いい結果が出れば、それはみなさんの実力。
悪い結果が出たら、『ラッキー!最後の最後に自分のニガテなところ確認できた!』と思ってください。
いや、本当にラッキーですよ。
これが本番じゃなくて良かったじゃないですか!
そして高校2年生のみなさん、みなさんにも念を押しておきますが、年末年始に何かできることなんてありません。
そこに至る前に、やるべきことはすべて終わらせておかなければならない。
つまり、高校2年生のみなさんに残された時間は『もう1年切っている』と考えるべき。
このたった12か月弱で、
①『共通テストの5教科7科目の対策』
②『滑り止めの私立対策』
③『本命の国公立二次記述対策』
をやらなければならない。
正直①と②は終わっていてほしいところ。
③こそが膨大な時間と労力を伴うからです。
そのためには何をおいても、危機感を持ってしっかりと時間を確保すること!
まずは『平日3~4時間、土日祝日はその倍以上の学習』を習慣づけてください。
3年生になってからは、土日祝日の学習時間は『文系10~12時間、理系12~14時間以上の学習』が必要になります。
当然今できなければ、3年生になってからもできません。
【高い負荷をかけなければ、本当の力は身につかない】
山口は常々、『まずは時間を確保すること!』と口を酸っぱくしてお伝えしておりますが、もちろん時間だけを確保すればいいという話ではありません。
仮に毎日4時間、土日祝日15時間以上勉強したとしても、内容がダラダラしたものであれば大した力は身につきません。
毎日毎日『あいうえお、かきくけこ・・・』と書き続けても、得られるものはゼロ。
程度の差こそあれ、大学受験に必要な中身を伴っていない勉強をいくら頑張っても、第一志望に合格できるだけの力をつけることはかなり難しいです。
勉強ではありませんが、それは山口が身を持って体験しました。
この塾が開業したその日から、山口は『毎日必ず8km以上走り続ける!』を実行してきました。
雨の日も、風の日も、友人の結婚式の日も、父の葬儀の日も・・・。
もしかしたら第三者から見たら、それは凄いことなのかもしれないですし、何を隠そう自分でもそう思っていました。
しかしいざ、本気で42.195㎞を走ってみようとしたら・・・。
42.195㎞どころか、たったの数キロも走れなかったんです。
もちろん、自分のペースでダラダラ走るのであれば、20㎞、30㎞走ることは可能です。
しかし明確な目的(タイムや順位など)を持って走るとなると、息切はするわ足は動かなくなるわでとでもそれどころではありませんでした。
つい最近購入した、あの小出義雄監督の著書にこんなことが書かれていました。
(『マラソンは毎日走っても完走できない 小出義雄著』より抜粋)
そう、自分はきちんとした目標を達成するために、何が必要なのかを全く知らずに、手前勝手な無手勝流トレーニングを8年も続けていたのです。
もちろん、同じようなアラフィフ世代の方々よりは多少走れるようになったかもしれませんが、8年にも及ぶこの不毛なトレーニングは、西尾マラソンの出場すら叶えてはくれませんでした。
そりゃあ出場することはできるでしょうけど、多分30㎞も過ぎたあたりで歩き始めると思います。
それは自分にとっての目標達成ではありません。
勉強も同じこと。
目標に合っていない努力をいくら重ねても、まったく何にもなりません。
自分のペースで、自分にとって楽な勉強を繰り返しても、得られるものはほとんどありません。
残念ながら、公立高校入試までは、その一見不毛とも思える努力で何とかなってしまいます。
そうした勘違いをしたまま、それなりの進学校に合格してしまい、(まあ次の大学受験も、同じような努力で何とかなるんでしょう?)と高を括ってしまう高校生が非常に多いのです。
もちろん、公立高校入試と大学受験は全くの別物です。
大学受験の学習は、『時間をかけるのは当たり前(※暗記の量が膨大だからです)』、その上で『しっかりとした計画を立てて』、『負荷をかけた学習を重ねていく』ことが重要です。
ですので山口の授業では、『偏差値60の大学を目指している受験生には、偏差値70レベルの学習』『旧七帝大一工クラスの大学を目指している受験生には、それをはるかに超える難易度の課題』を用意しています。
当然ですがそうすると、授業を受けてくれる高校生も二つに分かれます。
①『常に高い目標を持って、目の前の課題に取り組む受験生』
②『(自分が受ける大学に、こんな難しい課題は必要ないんだけどな・・・)と後ろ向きな姿勢で課題に取り組む受験生』
どちらに高い効果が出るかは言及するまでもありません。
ともあれ、これは昔も今も、そしてこれからも変わりませんが、私の授業は常に高い負荷をかけていきます。
『誰にでもできる負荷の低い指導』は、誰にでもできるものですし、お父様お母様から安くはないお月謝を頂戴して大切なお子様の指導をさせていただいているのですから、私の指導はかくあるべきと常に心掛けております。
【わかりやすい例】
山口の担当教科が英語と現代文になりますので、英語を一例に挙げさせていただきます。
例えば英検準1級や1級など。
大学受験レベルで準1級や1級を取る必要があるのかと言えば、『そんな必要はまったくありません』。
もう単語やイディオムの難易度が桁違いなんですね。
大学受験に必要な英単語数は、
『共通テストレベルで5000単語ほど』
『難関私立や旧七帝大一工レベルで8000単語ほど』
『英検準1級で12000単語ほど、1級だと15000~20000単語ほど』
と言われています。
しかもものすごく難しい。
LEAPやターゲットなど、いわゆる市販の単語帳が『2000単語ほど』なのですから、大学受験レベルであれば、英検準1級や1級は必要ない、ということになります。
ですが、私が今まで見てきた英検準1級、1級合格者たちは『例外なく全員が第一志望に合格』しています。
彼らや彼女たちは、英検準1級や1級の英単語は入試ではほとんど出ないと分かっていても、目の前の課題に真摯に取り組んだ努力の人たち。
(こんな単語、覚えても受験では出ないんだからやる意味ないよ・・・)と思う受験生と、(同じ英語だし、何よりも今の努力が、5年後10年後に自分に返ってくるかもしれない)と思う受験生では、学びそのものに対する姿勢が違います。
とはいえ、それは残された時間にもよりますので、無理強いはしません(※特に理系の受験生は、それだけで高い負荷がかかっているので、英検学習は控えた方がいいです)。
今高校2年生ならば、英検準1級や1級に割く時間はありませんので、すべて大学受験対策に注いでください。
ここで大切なのは、英検準1級や1級を取ることではなく、『学習に負荷がかかっているのかどうか?』
みなさんがきついと思う練習でなければ、本当の力は身についていきません。
ダラダラ走る習慣が身につくだけです。
そして高い負荷をかけた練習というのは、ひとりではなかなか難しいもの。
大阪桐蔭高校には西谷監督がいる。
高橋尚子選手や有森裕子選手には小出監督がいました。
人数不足で地方大会に出場することもできなかった田舎の県立清峰高校、吉田監督が就任してわずか数年で甲子園で優勝しました。
何かで結果を出すためには、素晴らしい監督やコーチ、そして環境が必要になります。
もちろん、その環境は人によって異なりますので、中高生のみなさんが自分に合った環境を選べばそれでいいです。
当塾では目標に向かって、一緒に一生懸命頑張る中高生をお待ちしております。
【もちろん、苦しいだけじゃないですよ!】
高い負荷をかけ続ける、もちろんこれは大変なことです。
でも『自分が努力したことで、できなかったことができるようになる』、この感動は何にも代え難いものです。
例えば自分は去年の9月、本気で走ってみて5kmと持たずに息切れをして走れなくなったとき、本当に絶望しました。
”自分なりに”一生懸命頑張っていたのに・・・。
その時の1kmあたりのタイムは『7分』。
7分のペースでも5km走れなかったんです。
それが今では『1km4~5分のペースで、20km以上』走れるようになりました。
もうものすごく嬉しい。
自分は少し前に、『走るのなんて楽しいと思ったこともないし、むしろしんどいだけ』みたいなことをブログで言ってましたが、今はもう楽しくて楽しくて仕方ないです。
もちろん、自分のタイムなんて、本気でトレーニングしている人からしたら取るに足らないもの。
でも今の自分は、昔はできなかったことができるようになって、これからもっともっと頑張れば、今以上に成長できる。
それが楽しくて仕方ないですね。
もちろん、毎日のトレーニングがきついことには変わりありあません。
でも今はすぐにでも走りたい、一生懸命頑張って、今年こそはフルマラソンに出場したい!
そんな風に日々過ごしております。
結局のところ自分は8年もの間、辛いことには目を向けて、自分に都合のいい『楽な練習しかしていなかった』、ただそれだけですね。
勉強も同じ。
高い負荷をかけることは本当に辛いと思います。
山口のランニングなどとは違い、学習はすぐに成果が出るわけではありませんので、苦しい日々が続くこともあるでしょう。
それでも努力を継続すれば、必ず結果は出ます。
少なくとも間違いなく言えるのは、『努力を怠れば、絶対に結果は出ない』ということ。
野村監督が『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』という名言を残されています。
偶然の要素で勝つことはあっても、負けた時には必ず負けた要因があるという意味です。