『簡単すぎて本当にいいのかと思いました』
『模試が簡単すぎて本当に大丈夫なのかと心配になりました・・・。』
う~ん嬉しい言葉ですね!
こちらの塾生、光ヶ岡に通う高校1年生。
今回夏期講習を担当させていただきました。
山口は基本的に非受験生にはあまり夏期講習はお勧めしていないのですが、状況によっては三者面談の時に保護者様にお願いすることがあります。
彼女の場合・・・というよりも光ケ丘に通っているというのが主な要因になるのですが、とにかく授業の進みが早い!
もうおかしいんじゃないかというくらい早いです。
何せ夏休み前には分詞構文に入っていたので、明らかにオーバーワークです。
しかも課題の精度も非常に厳しく、授業で取り扱っていないような内容でも8割強の仕上がりを求めていました。
さすがの先取り王の山口もたまげるレベルです。
例えば、当塾の最難関校を目指している塾生たちは、カリキュラムに沿って先取り授業をやっています。
ですから中学生で高校生の内容、高校1年生でセンター試験や国立二次対策なんかをやっていたりしますが、飽くまでも月単位、年単位でカリキュラムを調整しながら先取りしていくのです。
光ヶ丘さんの求める課題は、ついこの間まで公立中学校のカリキュラムに沿って、公立中学校のペースで学んできた高校1年生が取り組むにはあまりにも厳しすぎる内容なのです。
ではこの光さんのやっている指導が間違っているのかというと・・・。
私は正しいと思っています。
もう正直、『あなたたちは塾通ってるでしょ??だったらこれくらい何とかしなさい。』という光の先生方の声が聞こえてきそうなくらいですが、この一見無茶にも見えるオーバーワークは、間違いなく彼女たちにとって大きな力になっているはずです。
今回の彼女の夏期講習ですが、指導をさせていただけることが決まった瞬間に、光ヶ丘の課題よりもさらに厳しいカリキュラムを作成しました。
本人とてもきつかったと思います。
しかしまぁ・・・正直元々の英語の能力の高さは知っていたので、必ず消化できると信じていました。
そんなこんなで受けた模試なのですが、あまりにも簡単に感じてビックリしたそうです。
本当に簡単だったのかなと思って問題を見てみたら・・・いやいや普通の高校1年生にはかなり難しい内容だったはず。
簡単に感じたのだとすれば、本人が光ヶ丘高校の厳しいカリキュラムに心を折られず、必死についていったからでしょう。
光ヶ丘高校に限りませんが、私立の中学校や高校のカリキュラムは、時々信じられないくらいハイペースなものがあります。
でもそれは決してマイナスではありません。
以前にも申し上げましたが、公立の指導カリキュラムというものは、『勉強がニガテな子から得意な子まで、全員が一斉に授業を受けて理解できるような指導』を念頭に置いて作成されています。
これは時に、本来ものすごい力を持った子の能力を頭打ちさせていることがあります。
重ねて言いますが、公立中学校が悪いというのではありませんので誤解のないよう・・・。
ただ、私立の中学校や高校は、かなり自由です。
指導カリキュラムもそうですが、指導についても各先生方が自由にテキストを選ぶことができます。
当塾に通っている中高一貫校の塾生たちの教科書も本当に多種多様で、中にはZ会の教材や、青チャート(※中学生です)を使っている学校もあったりします。
これらについていくのはもちろん楽なことではありませんが、これらのハードなカリキュラムに必死についていく姿勢を醸成することは非常に意義のあることだと思います。
中学・高校の6年間というのは、社会に出てからの6年間とは、内容も濃度もまったく比べ物になりません。
この期間に育まれたものが、そのまま人生の土台になっていくと言っても過言ではありません。
しかし何度も申し上げますが、だから公立がダメで、私立が素晴らしいというわけではありません。
当塾でも公立の中学校に通いながら、偏差値が70を超えている塾生は何名かいますし、これまでにも中学校も高校も公立で早慶上智や旧帝大などの最難関校に合格した生徒は見てきました。
仮に第一志望の大学合格を目的の駅とするならば、そこまで行く手段は様々です。
私立の中学校と予備校や専門塾を新幹線とするならば、公立は各駅停車の鈍行かもしれません。
しかし各駅停車の鈍行でも、その過程の景色を存分に楽しみながら、しっかりとゴールに辿り着く受験生だってたくさんいるわけです。
途中までのんびり鈍行で来てしまったけど、ラストは自衛隊にお願いして、戦闘機でゴールまで飛んでいくなんてのもありかもしれませんね(ちなみに現役時代の山口は完全にこのパターン・・・。でもこのパターンでも大学は行けるのでご安心を)。
どのコースを選ぶかは、まさにみなさん次第だと思います。