中学生の頃から意識しておかなければならない英語の学習法

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雑談

さて、少しだけ時間の余裕ができましたので、先ほどのブログの続きで『英語学習で意識しておかなければならないこと』を書き連ねていこうと思います。

 

いつも冗長な文章になってしまいますので、まずは簡潔な結論から、徐々に枝葉の部分を足していきますので、『もういいかな』と思ったら、いつでも読むのをやめていただいて構いません。

 

まずは簡潔に、

(1)そもそも英語と日本語では、まったく構造が違うということを改めて認識すること(SVOCはとても大切)

(2)シンプルに声に出し、シンプルに書いて、頭と体にしみこませることが大切

(3)文法はやっぱりとても大切だけど、分からなくなった時点で必ず少し戻って復習すること

 

あ、単語やイディオムはここで書くまでもなく大切です。

覚えないなんてあり得ませんので。

 

 

 

 

・・・では、長い長い枝葉の説明に入っていきますので、ここから先は興味のある方だけお読みください。

 

まず(1)についてですが、これについて難しいことを考える必要はまったくありません。

 

今から適当な手元のテキストをパラパラとめくって、適当な英作文(中学生)を紹介いたします。

 

『父は私に水泳を教えてくれました。(中学2年生)』

 

でも当たり前ですが、これって日本語ですよね??

 

この日本語の文章から無理やり英語に直しなさいと言っているのだから、正直無茶苦茶です。

 

答えは『My father taught me how to swim.』と書いてあるわけですが、この英文を直に日本語に戻すと、『私の父は 教えた(誰に?) 私に(何を??)泳ぎ方を』となるわけです。

 

 

だから中学生の時点から、『英語は日本語と違って、主語と動詞の方が先に来るぞ!これはもう絶対!!(もちろん倒置や省略などの例外はありますが、そんなの難関私立大学か国立二次でしか出題されません。中学生の子どもたちにはシンプルに、英語の語順は”S+V+物”という形にしかならないことを徹底して伝えるべきです)。』ということを叩きこんでおかなければなりません。

 

ついでにですが動詞teachは必ず目的語を二つとる動詞で、『V+人+物』の形を取りますね。

 

 

そしてこれが去年の愛知県の公立高校入試の整序問題です。

 

【次の文章を正しい順序に並べ替えなさい(平成30年度 愛知県A日程)】

 

The dogs 【by / tell / is heard / using / the users / their / what sound】bodies .

 

余談ではありますが、日本語の文章が記載されなくなってしまったので、受験生にとっては難しくなったと感じるかもしれません。

 

ただこの問題も、日本語の文章などはもはや全く関係ないんですよね。

 

だって英語ですもん。

日本語のことを考えるなんて、まったくの無駄です。

『S V 何か』さえ頭に叩き込まれていれば。

 

まず、主語らしき『The dogs』がすでに書かれているわけですから、あとは残った『動詞』と『何か』のことだけ考えればよい

 

・・・ただし厄介なことに、この選択肢の中には『tell』『is heard』『using』という具合に三つの動詞があるわけですから、ここで多くの受験生は混乱してしまいます。

 

ただしこれも簡単です。

 

まず真っ先に『using』が外れてしまいます。

 

usingのような現在分詞はbe動詞とセットになってないといけないですからね(もちろん、現在分詞の後置修飾の可能性もゼロではありませんが、それは公立高校入試問題では絶対に出ませんのでご安心を)。

 

次に『is heard』ですが、これは文法的には来てもおかしくないのですが、受け身になってしまい意味が『犬は聞かれる・・・?』となるのでアウト。

 

『The dogs』という主語の次には『tell』しか来ないことが分かります。

 

もうここからは芋ずる式にずるずるいきましょう!

 

tellという動詞は、先ほどのteachと同じで、必ず『V+人+物』の形を取ります。

 

だからtellの次に来るのはthe users(人)のみ。

 

・・・で次がおそらく一番難しい、『物』を持って来なければならないのですが、ここでは文法で『関係代名詞whatが物のかたまりを作ることができる』という知識が必要になります。

 

『I don’t know what you mean.(わたしは 分からない(何を?) あなたの言っていることが)』ってやつですね。

 

what you meanがかたまりで『物』になっているのです。

 

なのでwhat is soundで『聞こえるもの』という意味になります。

 

あとは簡単です。

 

英語の文章では『前置詞が付いたかたまりは、絶対に文章の後ろに来る』というルールがあるので、『by their bodies』しか来ません。

 

残った『using』をどこに当てはめるかですが、『by their bodies 』の『by』の直後に置いて、『by using their bodies』とすれば、『彼らの体を使うことによって』となり文意が通じます。

 

・・・というように、これは断言しますが、英語の文章を作るとき、ひいては聞き取るときや、自分が話すときに、日本語で考えるクセがついてしまっていると100%つまづきます。

 

もうこれは絶対ですね。

 

ちなみに模範解答の日本語の文章を紹介しておきます。

 

体を用いて、どのような音が聞こえるかを、それらの犬は、利用者に伝えるのである。』

 

 

もう・・・本当に腹立たしい!

 

この日本語の語順で思考することを植え付けておいて、英語の語順で解答しなさいというのですからもうこれはがらせですね。

何の意図があるのかまったく理解できません。

 

みなさん片言の日本語しか話せない外国人を想像してください。

 

『ワタシ 場所がワカラナイ デス 西尾駅 。教えてクダサイ ソコマデノ行き方ヲ』と話すと思いませんか??

 

これは彼らが英語の語順で考えたものを、そのまま言葉に出しているからです。

もちろん彼らは頭の中で『I don’t know how to get to Nishio station.Could you tell me the way there?』と思っています。

 

だとするならば、私たちが日本語と全く構造が違う英語を学ぼうとするならば、この順番で学ぶことが入口だと思いませんか??

 

もう一度模範解答の日本語をお見せしますね。

 

『体を用いて、どのような音が聞こえるかを、それらの犬は、利用者に伝えるのである。』

 

でも答えは、『The dogs tell the users what sound is heard by using their bodies.』

 

これ、語順が日本語とかすりもしていないんです。

『その特定の犬たちは 伝える(誰に?) 利用者に(何を??) どんな音が聞こえるのか 彼らの体を使うことによって。』

 

こんな感じで全ての文章を英語の語順で考えていかなければなりません。

 

 

う~ん・・・山口は日本も日本語も大好きなのですが、こと『日本語の感覚を重視しながら、まったく構造が異なる英語を指導する』というのは本当に無理があります。

 

多くの中学生が英語につまづいて、さらには成績が良かったはずの子どもたちも、高校に入って大きな挫折感を味あわされて・・・。

 

 

まあ最悪、そんなに一つ一つの文章が長くない『公立高校入試』程度ならそれでも乗り切れますが、高校に入った瞬間にまったくお手上げとなってしまいます。

 

 

次はそのことについてお話します。

 

 

 

 

 

 

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