I got him to help me when I moved the furniture.(これをスッと訳せますか?)
こんにちは!
ここ最近は年度が変わったということもあって、新受験生に向けてのブログを書くことが多かったのですが、今日は新高校1年生に向けてお話させていただこうかと思います。
もちろん、中学生の方も読んでみて構いませんが、高校に入ってから学習する内容なので、分からなくても気にしないこと!
そして(英語ニガテなんだよな・・・)と感じている高校3年生もぜひ挑戦してみてくださいね。
逆に『こんなの簡単だよ!』という生徒諸君は、この先を読む必要はありません。
高校生のお子さまがいらっしゃるお父様お母様は、この文章をそのまま見せて挑戦させてみてください。
I got him to help me when I moved the furniture.
答えは後ほど、英語指導担当の都築先生の分かりやすい解説つきで説明いたします。
西尾市内に限らず、ほとんどの高校が高校入学とともに『5文型』の学習をスタートします。
そしてほとんどの高校が1か月前後でこの『5文型』を終わらせてしまい、新しい単元に入っていきます。
そこから先はみなさんの方がよくご存知だと思いますが、とてつもない速さで授業が進んでいきます。
前職でも、高校3年生で『5文型が理解できていない』『時制が良く分かっていない』『仮定法がよくわからない』という子供たちを数えきれないくらい見てきました。
多くの高校が入学式の時にこう言います。
『うちの指導にしっかりとついてくれば、学習塾に通う必要はありません。』
しかしながら言うまでもない話ですが、300人いる生徒が3年間100%理解して高校生活を終えるわけではありません。
もしそうならば、全員が第一志望に合格していくはずです。
100%こなせる子もいれば、そのスピードが合っていない子もいるのです。
それを踏まえて先ほどの英文に取り組んでみましょう。
ちなみにこれは高校1年生で学ぶ『SVOC文型』ですが、1年生と言わず高校3年生でも理解できていない生徒が散見されます。
文章そのものはそんなに長くはないですよね?
I got him to help me when I moved the furniture.
しかしながら短いながらも、この『SVOC文型』は純日本人の私たちには馴染みがない文法です。
手元の文法書を何冊か見ると、『get + 人(目的格) + to不定詞』で、『何とか説得してもらい、その人にtoVしてもらう』と書いてあったり、
『get + 人(目的格) + to不定詞』の形で、haveと同様に使役として解釈することができる。なお、getは原形不定詞を取ることはできないので、C(補語)部分が原形になることはない。
また『SVOC文型』についても、『SVOC文型においては「O=C」でり、その際第二のSV関係が成立している』と言った感じの解説がなされています。
これらの解説で分かる生徒諸君もここから先は読む必要がありません。ただこれ・・・。
分かりますか?
私の場合は高校時代、5文型は何度も何度も反復学習したので、考えなくても染みついてしまいましたが、教える側が『いや、まぁそういうものだから、とにかく反復して覚えなよ』ではまずいですよね。
もちろん、単純に反復が効果的な場合もあるので、文法的に簡単な場合は『習うより慣れろ!』と言う場合もあります。
この【I got him to help me when I moved the furniture.】を何とかうまく説明できないものか都築先生に相談したところ、1分もかからず解決しました。
『そんなの簡単ですよ。to以下のことをしてもらうために、him(彼)をget(捕まえる)する。これが使役のgetです。』
な・・・なるほど。
文章だと伝わりにくいと思いますので、順を追って前から前から訳していきましょう。
I got him (私は彼を捕まえた)
to help me (私を手伝ってもらうために)
when I moved the furniture. (家具を動かすときに)
⇒『私は家具を動かすのを彼に手伝ってもらった。』
どうでしょうか?
この解説は、英語圏で3年以上生活していた都築先生ならではの説明です。
英検1級の文法力とネイティブの感覚、この両方があるからこそできることだと思います。
・・・といった感じで、今日はおそらく高校1年生諸君がつまづいているであろう『SVOC文型』を取り上げてみました。
あ、ちなみに付け足しておきますが、上記の英文で出てきた『help』という他動詞は、目的語に『人』しか取りません。したがって、
× I got him to help my work when I moved the furniture.
のように、物を目的語に取ることはありませんのであわせて覚えておきましょう。
1年生とは言いましたが、高校3年生諸君も大丈夫ですか?
前回もお伝えしましたが、『英語は慣れ』ではありません。
正確には『慣れ』の部分もありますが、正しい学習を積み重ねた上に『慣れ』があるのです。
正しい学習の積み重ねなしに、
It must be remembered that detachment of art from the practices of life is not a straight-line development , and that it can only be interpreted from a historical point of view.
のような難解な文章を解釈することはできません。
学校の授業のスピードに惑わされないでください。
難しいものを難しいまま理解しようとしないでください。
どんなに回り道に感じたとしても、一つ一つ積み上げてください。
結局のところ、それが一番の近道なのですから。