昨日のブログの続きになります(※小中学生の保護者様に向けたものです)
昨日中途半端な感じで終わってしまったので続きです!
使い古された表現ではありますが、『子は親の背中を見て育つ』と言います。
これは良い例よりも、悪い例の方が分かりやすいかと思いますので、悪い例をご紹介させていただきます。
一言で言えば、子供に学習習慣がつかないのはすべてご両親の責任です。
お子様のせいではありません。
12年ほど前、まだ西尾に来たばかりの頃の話です。
(※悪い例とは言いましたが、最終的に彼は東京理科大学に合格することになります。)
鶴城中の1年生で、学年で大体330番くらい。
つまりほとんどビリの方です。
とにかく勉強をしない!
中学1年生なので仕方がなかったのですが、とにかく教室でも落ち着きがなく、席にじっと座っていられない男の子でした。
ただ愛嬌があるというか、どこか憎めない男の子でした。
とはいうものの、授業に集中することはできませんし、宿題もまったくやってこないような状態でしたので、当然成績はまったく上がりません。
半年が経ったころ、お母様と面談をさせていただきました。
おうちでの様子を伺うと、『とにかくまったく勉強しないんです。』とのこと。
では彼が普段ご自宅で何をやっているのかを聞いてみたところ、『とにかくゲームしかやらないんです。ゲームに飽きたと思ったら漫画を読んでいます。』
そこで注意はされないんですか?と聞いたところ、『そりゃあもちろんしますよ!ゲームも漫画も取り上げたりしてます。でもふてくされるだけなんです。』
そこでさらに詳しくご自宅の様子をお伺いしたところ、なんと彼のお父さんは筋金入りのゲーム好きで、ご自宅にゲーム部屋というものを作っていたのだそうです。
もうゲーム好きの山口もびっくりです!
グランツーリスモという車のゲームがあるのですが、そのゲームのために本当の車の操縦席(コックピットというのでしょうか?)を丸ごと作ってしまったのだそうです。
これはネットから拾ったものですが、こんな感じです。
いや、もうですね・・・、幸いにも彼の大学受験は成功したのであえて言わせていただきますが、『この環境でお子様が勉強するわけないじゃないですか!』と声を大にしていいたいです。
勉強する習慣がついていないのはT君のせいではありません(今でもフルネームで覚えています)。
ずばり、お父さんのせいです。
聞けば、ゲームも漫画も大好きなガンダムも、すべてお父さんの影響を受けていたとのこと。
これで突然塾に連れていかれて、『将来のために必要だから勉強しなさい!』だの『学年でビリの成績なんて取ってたら、あなたが行ける高校なんてどこにもないわよ!』なんて言われても、たまったものではありません。
お子さんからすれば(はぁ?お父さんもゲームしまくってるし、お母さんはガミガミ言うだけじゃん!)と思って当たり前ですし、自分がこの環境で育ってたら、絶対に勉強なんてやりません。
なぜそんな嫌なことをわざわざやらないといけないのか?まったく腑に落ちないからです。
最終的に彼は、とある化学系の漫画で化学の世界に興味を持ち、塾で学んでいた英語や数学はまったく成績が上がりませんでしたが、理科だけは常に満点を取るようになりました。
そしてお父さんお母さんにお願いをして、ゲームと漫画を全部処分していただき、お父さんお母さんの本気をT君に見せることで、その他の教科もどんどん成績が上がり、最終的に西尾高校に合格、そこから3年間頑張った結果、東京理科大学に合格したのでした(本当はもっと紆余曲折があったのですが、あまりに長くなってしまいますので今回は割愛させていただきます)。
改めてはっきりと申し上げますが、学習習慣がついているかどうかはご家庭の環境がすべてです。
当たり前といえば当たり前なのですが、お子様が一番長い時間を過ごすのは、学校を除けばご自宅です。
特に一番一緒にいる時間が長いお父様やお母様の影響を受けるのは、至極当然のことと言えます。
とはいえ、居丈高に『勉強をしろ!』『何でこんな問題が分からないんだ!』などと、頭ごなしに勉強を押し付けてほしいわけではありません。
例えばお子様と一緒にいる時間に、お父様やお母様が新聞や本を読む時間を作ってくれるだけで充分だと思います。
『お母さんも英検とっちゃおうかな~♪』くらいのノリでも全然いいと思います。
もしそこで、(自分たちの年になると英検なんて何の役にも立たない)みたいな雰囲気を出そうものなら、お子様は敏感にその空気を察知してしまいます。
(あ、お母さんは今、自分にとって勉強が無駄だと思っている。)といった具合に。
ご両親がお子様と一緒に、中学校や高校の勉強ができればよいのかもしれませんが、今まで見たところ、それはあまりうまくいかないようです(※事実当塾には、高校や中学校の先生だという保護者様が何名かいらっしゃいます)。
大切なのは、『勉強というものがいかに自然なものなのか?いかに当たり前のものであるか?』ということを、お子様が理解できるような環境を作ってあげることだと思います。
中学と高校の6年間、例えばスマホをなるべく触らない、テレビもできるだけ見ない、勉強が自然である環境を作る、お子様に『勉強を頑張って、願わくば第一志望の大学に合格してほしい!』と思われるのであれば、それなりに身を削る必要があると個人的には考えます。
・・・というわけで、もう大分前のことですし、前塾でのお話になりますが、T君東京理科大学合格おめでとう!
・・・てもう順当にいけば院卒ですね。
立派な社会人になってくださいね!