とにかく品詞は超重要!
先日西尾高校の男の子からご質問をいただきました。
珍しい…。
めったに質問に来ない塾生でしたので「ついにやる気が出たのか!」と小躍りしていたら、『いや、そこ来週授業で板書しないといけないんすよね。』ってそうですかそうですか…。
でもなんか彼、憎めないんですよね(笑)。
もっと本気を出してくれたら今よりももっと爆発するはずなんですが…。
さて、問題は次のような日本語の文章が与えられていて、それを並び替えする問題でした。
【哲学はあなたが思っているよりも難しい教科ではありませよ!】
で、答えが与えられていないため自力で解くしかなかったのですが、おそらく以下で正しいと思われます。
“Philosophy is not so difficult a subject as you imagine it is.”
これ、結構間違える受験生も多いのではないかと推察されます。
間違えそうなポイントは2箇所ほどありますが、まずは簡単なほうから。
【He is as tall as I am.のふたつの”as”は違う品詞】
まず1つ目の”as”は副詞。
副詞なんです。
いや、そんなの知らなくても、この程度の文章は作れるよと思われるかもしれませんが、『この二つの”as”の品詞が異なる』ということを知らなかった高校生は最後まで聞いても損はありません。
まず、一つ目の”as”は副詞なので、直後に形容詞や副詞を伴えるのです。
副詞が修飾できるのは名詞以外すべて。
主に動詞を修飾しますが、形容詞や副詞、文全体を修飾することもあります。
だからまず、”He is as tall”という文章ができあがります。
“as”が入ってきた時点で話し手は比較する気満々ですし、当然聞き手も(どれくらい!?)と思っています。
そこで二つ目の”as”が登場するのですが、こちらの”as”は接続詞です!
・・・。
いや、そんなの知ってたよという方はスルーでいいのですが、知らなかったのであれば最後までお聞きください。
中高生の多くに『”He is as tall as の後に来るのは”I”なの?”me”なの??』と尋ねると、結構な確率で”me”!と返ってきますが、これは誤りです。
比較級の”than”もそうなのですが、この”as”は接続詞。
したがって直後に来るのは主格…。
というよりも文章が続きます。
だから”He is as tall as I am.”という風に、二つ目の”as”の直後には文章が続きます。
ですので、今回ご質問をいただいた整序問題も、”as”の直後には”as you imagine it is.”と補語を伴わない不完全文が続いています。
ただし!
ネイティブスピーカーは全然、”He is taller than me.”と言っているのを聞いたことがあります。
というより、それしか聞いたことないですね。
とは言っても、受験でそれを書いたら確実に減点間違いなしなので、やっぱり二つ目の”as”や”than”は、しっかりと接続詞であると認識していただいた方がいいですね。
【なぜ”so a difficult subject”ではなく、”so difficult a subject”なのか?】
これも蓋を開けたら超簡単でして、”so”という単語の品詞が『副詞だから』です。
理由はただそれだけ。
ですので”so”の直後に”a difficult subject”という名詞のカタマリを持ってこれるわけがない。
絶対にあり得ません。
これはこの問題に限らずに知っておいた方がいいのですが、改めまして、『副詞は名詞以外の全てを修飾する』という働きがあります。
逆に言えば、『副詞は逆立ちしても名詞を修飾することはできない』のです。
でもこれは考えてみれば、実は中学校の頃にすでにやっているのです。
例えば『ここから名古屋まで、どれくらい遠いのですか?』という文章は、
“How far is it from here to nagoya?”と言った具合に、”How”という副詞は直後に形容詞を引っ張ってくる性質があります。
また高校で学ぶ”However”の倒置。
『昨日はとても疲れていたけれども、テストのために徹夜で勉強しなければならなかった。』という文章を日本語にすると、
“However tired I was, I had to stay up late studying for the exam yesterday.”
“However”という副詞(厳密にはこの”However”は譲歩節と呼ばれますが)、元々はもちろん”I was tired”という普通のSVCだったのに、副詞の引力で形容詞を引っ張ってきています。
これ、実は英語圏の方々、『どれくらい○○』みたいなのをできるだけ早く言いたい!という気質が反映されているのです。
…。
多分。
いや、そう考えた方が覚えやすくないですか!?
文法的には『副詞は形容詞を引っ張る』でいいんですが、心情的には、『彼らはせっかちなので、できるだけ早く”どれくらい○○なんだ”を伝えたい!』と理解した方が汎用性が高いと思うんですよね。
あ、思いませんか、そうですか。
まあでもどちらでもいいです。
いずれにしましても、今回はたまたま整序問題の話でしたが、読解においても『品詞を理解することは超重要!』ということです。
当塾を訪れてくれる高校生は、最初の内は、英単語を無理矢理切り貼りした、大江健三郎も真っ青のエキセントリックな日本語訳を書いてしまいます。
あ、先に言っておきますが、国立二次の記述で変な日本語の文章を書いたら、もうそれだけで読んでもらえません。
採点者は何千人もの記述の文章を読むわけですから、ちょっとでも変な日本語が書いてあればその瞬間に×、みなさんの解答は一切採点してもらえないものと心得てください。
それが、文法や品詞の理解を少しずつ高めることで、満点の解答に近づいていきます。
しつこいようですが、高校1年生、2年生のみなさん、前回の記述模試の偏差値が55を切っていたら、相当危険です。
ほとんど基礎はでき上っていないと思われますし、その改善にはかなり時間と労力が必要となることを念押しさせていただきます。
【三河の高校LOVEです】
さて、普段山口のブログを読まれている方々は(なんだなんだ?山口は三河の公立高校が嫌いなのか!?)と思われるかもしれませんがとんでもない!
大好きですよ!
山口の毎朝のジョギングコースは西尾高校です!
たま~に西尾高校Tシャツを着たお父様と一緒に走ったりしています。
最近は行けていないようですが、西尾高校の修学旅行は山口の地元”長崎”ですしね!
もうだから西尾大好きなんです。
だからこそ三河地区の中高生には、少しでもいい大学に入って幸せになってほしい。
きれいごとではなく、学歴でみなさんの生涯年収が決まります。
これまたきれいごとではなく、幸せか否かはお金で決まります。
『清貧に安んじる』という人生観をお持ちなら話は別として、そうではないなら勉強を頑張ってください。
これからますます少子高齢化が進み、みなさんにとってはさらに生きづらい世の中になっていきます。
残念ながら、その武器を持てるのは今しかありません。
そんなわけで今日も一日頑張りましょう!
こちらはぽぽりーた専用ベッド。
一応女の子です。
おまんはえぇのう…。
今日もクーラーの効いた部屋でシーバ、昼寝、シーバ、昼寝で…。