大丈夫、死にはしない
この時期になると生徒はもちろんのこと、保護者様からもたくさんのお悩みのご相談をいただきます。
もちろん、受験まで残された時間も刻一刻と減っていき、ほとんどの生徒が『今の自分の学力ではちょっと難しい学校』を第一志望に掲げているわけですから、当然と言えば当然のことです。
でも大丈夫。
何とかなりますから。
無責任に聞こえるかもしれませんが、本気で全力で頑張ってきた諸君ならばなんとかなります。
もちろん、手を抜いた生徒や努力を怠ってきた生徒に『何とかなる』などとは言いません。
何を当たり前のことを・・・と思われるかもしれませんが、『本気で頑張った』のなら、悪い結果など絶対に起こらないからです。
ひょっとしたら・・・どんなに努力したとしても、第一志望に落ちることはあるかもしれません。
事実、山口は大学受験で第一志望は不合格でしたから。
でもそんな高校3年生はごまんといるわけです。
本当に全力を尽くした結果ならば、それが第二志望だろうが第三志望だろうが絶対に後悔なんてしません。
後悔するのは手を抜いた時です。
結構昔の話になりますがこんなことがありました。
とある高校生の女の子で、常に成績は上位のNさん。
ただ、マークでは常に偏差値が65を超えているのにも関わらず、記述になると10近く偏差値が落ちるのでした。
そのため、マーク式では名古屋大学A判定かB判定が出ているのにも関わらず、記述となるとD判定やE判定しか出ておりませんでした。
そのため、本人の希望は地方国立大学(その大学を目指している生徒さんもいらっしゃるかと思いますので、ここでは○○大学とします)。
ただ山口は常に『目標は名古屋大学にしてね。』と常に声をかけていました。
いいんです。
本当に本人が○○大学に心から行きたい!・・・と思っているのならば、山口が口を挟むようなことではありません。
ただ本人は、明らかに○○大学に行きたいわけでもなく、名古屋大学を目指すことに躊躇しているような印象だったのです。
せっかく名古屋大学を目指せるだけの力も持っているのに、もったいないなと思ったので、『目標は名古屋大学にしてね。』と言い続けたのでした。
しかしながらそう大きな変化もないままセンター試験本番・・・。
彼女のセンター総得点は704点でした(文系)。
悪くはないですが、それまでの彼女の記述の結果を考えると、名古屋大学はかなりのチャレンジでした。
自己採点のあと彼女がこう言ってきました。
Nさん 『今だと名古屋大学はボーダーギリギリなんで、やっぱり○○大学にします。』
山口 『そう。ぼくは名古屋大学を受けるべきだと思うけど?』
Nさん 『でも落ちるのが本当に怖いんです・・・。』
山口 『じゃあさ、変な話○○大学と名古屋大学、両方合格したらどっちを取るの?』
Nさん 『それはもちろん名古屋大学に行きます!』
山口 『じゃあ名古屋大学受けたほうがいいよ。失敗しても後期で名市大受ければいいし、今から一か月以上時間あるんだから死に物狂いで記述対策やればいいじゃん。それに・・・命を取られるわけじゃないんだよ??』
そう。
こんなこと言ってはいけないかもしれませんが、たかが受験です。
みなさんの価値や一生が、こんなペーパーのテストで全て決まってしまうわけではない。
それに全てダメだったとしても、本当にその学校に行きたければ一年浪人したっていいじゃないですか(もちろんその場合はご家庭の協力が必要になりますが・・・)。
そんなわけでNさんのお母さんとも面談をさせていただいて、名古屋大学を受験することになりました。
ただもうその後は大変です(笑)
名古屋大学の2次試験は相当強烈で、難易度はかなり高めです。
数学に関して言えば大問が3つしかないため、少しでもニガテな分野を残していたら、かなりの大ダメージを被ることになります。
ただ、なぜか必ず毎年『確率・場合の数』『漸化式』が出題され、こちらは毎年というわけではないものの、かなりの高確率で『微分・積分』が出題されるなど、対策そのものは立てやすいです(それでも難易度が相当高いので大変でしたが・・・)
英語についても定番の英文和訳問題はさておき、こちらもかなり強力な英作文が用意されています。
ここで紹介していくとキリがないので割愛いたしますが、山口お決まりの『一日12時間勉強しなさい。』をお伝えさせていただきました。
結果はもちろん・・・名古屋大学経済学部に合格しました。
合格の報告に来たNさん、開口一番で『名古屋大学にしてよかったです!○○大学だったら絶対に後悔してました。』。
そりゃそうです。
受験だからまだいいものの、この先の人生で本当に大切な決断をくださなければならないときが、何度も何度もやってきます。
塾生全員に言っておりますが、この先の長い人生で、第一志望に不合格になることよりも辛いことなんてたくさん起こりますし、逆に第一志望に合格するよりも、もっともっと楽しいこともたくさん待っています。
もう一度冒頭の話に戻りますが、受験に失敗したからと言って、命を取られるわけではありません。
だからと言って、もちろん受験を軽視してよいという話ではありませんよ!
行きたい学校のために全力を尽くす、それは変わりません。
最後の最後まで全力を尽くした結果で残念ながら第一志望に不合格になるのと、最初から最後まで手を抜いて不合格になるのでは、結果は同じでもその後の長い人生に与える影響は大きく異なります。
だからね、月並みな言葉ですが、君の全力を尽くしてください。
君の今の全力が『一日に英単語を3つ覚える』ならそれでもいい。
だけど次の日は5個、一週間後には10個覚えられるように頑張ってほしい。
数学でもそう。
『一次関数の利用問題』が難しくてできないのならば、せめてグラフを書けるように頑張ればいい。
それも難しいなら、一年生のときの新研究を引っ張り出して、『比例・反比例』の基礎問題を何度も何度もやってほしい。
大切なのはできることをやること。
何もやらなければ何も変わらないですからね!