中学生が持っているものすごいエネルギー!
ここ最近、『大学受験に伴う時間の問題だけはどうしようもない』、という身も蓋もないようなブログを書いておりました。
ただそれは当たり前のことで、『フルマラソン42.195㎞を1時間で走る』、『司法試験の対策を1,000時間で終わらせる(※6,000時間必要と言われています)』、こういったことは絶対に不可能です。
それと同じで、高校2年生の夏終わりくらいから本気で勉強しても、時間の問題で間に合いません(※もちろん、刈高や岡高に通っていて、すでに学習の土台が出来上がっている高校生は別ですが)。
本日はその真逆のポジティブなお話です。
【山口が指導を担当している中学生3人ですが・・・(ちなみに全員2年生です)】
断言します。
全員刈谷高校か岡崎高校に合格します。
ただそのうち一人は、東海中学という愛知県で最も偏差値が高い中高一貫校に通っていますので、彼はそのまま東海高校に進学していきます。
彼以外の2名については、いわゆる普通の公立中学校に通う2年生なのですが、私が伝えた内容を信じられないほどのスピードで吸収していきます。
先月入ったばかりの中学生については、今日で3回目の授業だったのですが、すでに『受動態』『現在完了形』『後置修飾』『仮主語』『関係代名詞』『接続詞』『特殊なSVOC』『自動詞と他動詞』をマスターしております(※すべて高等英語レベルの内容です)。
もちろん、かなりのスピードで進めているため、抜け落ちているものもありますが、そこは演習と宿題でカバーしていますので問題ありません。
私は普段、東大・京大・一橋・早慶や医学部などの、超がつく難関大志望者の指導を専門としているため、普段は中学生の指導をすることはあまりないのですが、こうして中学生の指導をさせていただく度に、彼らや彼女たちが持っているものすごい可能性に気付かされます。
もちろん、彼らが真摯な姿勢で授業を受けてくれて、与えた課題もしっかりとこなしてくれから、というのは言うまでもありません。
なお、常々申し上げておりますが、難関大を目指す可能性があるのであれば、中学生のうちから高校レベルの英語に取り組むべきです。
それは『早い段階から高い負荷をかけておきたい』というのもありますが、もう一つは、『間違った指導を受ける前に、正しい英語を学んでほしい』からです。
【山口独自の英語指導】
これは自信を持って言えますが、山口の専売特許です。
とはいっても、そんなに大げさな話ではありません。
例えば次のような英文があったとします。
①This is the house which I lived in.
ただの『関係代名詞』の文章ですが、100%中学校ではこのように教わります。
①『これは私が住んでいた家です。』
しかし私はこれに加えて、次のように訳すよう指導しています。
①’『これは家で、ここに私は住んでいました。』
どっちも同じやん!・・・と思われるかもしれませんが、決定的に違います。
①は従来通りの訳し方ですが、『後ろから前に戻って訳す』という点が非常にまずいです。
一方、私が中高生のみなさんに徹底する①’ならば、日本語と同じように、目に入ってくる順番そのままに訳すことができます。
次の文はどうでしょうか?
② I’m going to America to learn English.
もちろん公立中学校では、②『私は英語を学ぶために、アメリカへ行く予定です。』と教わります。
もちろん間違いではありませんが、私は塾生に次のように訳すようにも指導します。
②’『私はアメリカへ行って、それから英語を学ぶ予定です。』
これなら『後ろから前に戻る』というロスは生まれません。
さらに次の英文はどうでしょうか?
③ It is difficult for him to solve the problem.
ただの仮主語の文ですね。
これも中学校だとこのように教わります。
③『彼にとってその問題を解決するのは難しい。』
これでも全然前から訳せてしまいます。
③’『難しいのは彼がこの問題を解くということだ。』
しかしここでみなさんは疑問に思うはずです。
『いや、そんなことしなくても、従来のやり方でも全然理解できるんだからいいじゃない。』と。
ところがです、少し長くなった次のような英文はどうでしょうか?
④ I had been studying him, until I came to realize he was left-handed.
これを従来のやり方で後ろから訳すとこんな日本語になります。
④△『私は彼が左利きであることに気付き始めるまで、じっと彼を見ていた。』
日本語としても相当におかしいです。
これは日本語と同じように、普通に見たままに訳せばよいのです。
④’〇『私は彼をじっと見ていて、やがて彼が左利きであることに気がついた。』
さらにこれくらいの長さの英文になるとどうでしょうか?
⑤ They earned the people’s trust to such an extent that their priests agreed to reveal to them the tribe’s secret beliefs.
なお、”to such an extent that SV~”というフレーズは関係副詞と呼ばれるもので、『SV~な程度に』とやくすのですが・・・。
それをそのまま馬鹿正直に訳してしまうと、次のようなとんでもない和訳が生まれてしまいます。
⑤△『司祭たちから部族の秘密の進行を明らかにする同意を得るほどに、彼らは人々の信頼を勝ち取った。』
まあ言えなくはないのですが、日本語としてはかなり不自然ですし、何よりも『後ろから訳す』というデメリットが非常に大きいです。
これもきちんと左から右に訳す習慣がついていれば、
⑤’〇『彼らはドゴン族の信頼を勝ち取ったので、司祭たちからドゴン族の秘密の信仰を明らかにする同意を得ることができた。』
最後の文章はかなり難しいですが、中学生の頃からきちんと『日本語と同じように、見た、聞いた情報をそのまま順番通りに訳す』という習慣をつけていれば必ずできます。
逆に言えば、『間違った学習法を身に付けてしまった期間が長ければ長いほど、その修正は困難になる』ということです。
【間違った学習法で長年学ぶことの大きな弊害】
お子さまたちが英語を本格的に学び始めるのは、『中学校1年生から』です。
大学受験を一つの区切りと考えるならば、その学習期間は約6年間、ということになります。
私は高校生の体験授業を担当させていただき、誤った学習法で英語を身に付けた受験生に出会うと、本当にかわいそうになります。
彼らや彼女たちは何も悪くない。
ただただ純粋に、目の前の教師の言うことを真剣に聞いて、その結果誤った学習法を骨の髄まで叩き込まれただけなのです。
そして、悪い習慣が染みついた期間が長ければ長いほど、その修正には同じだけの、いや、それ以上の学習時間と奮闘が必要になります。
誤った学習法は百害あって一利なし、はっきりいって『時間の無駄』以外の何物でもありません。
そして彼らや彼女たちは、山口の体験授業を受けて絶望することになるのです。
『じゃあ今まで一生懸命勉強したことはなんだったんだ・・・。』
かつての私もそうでしたが、子どもたちにとって、中学校や高校の先生方は絶対的な存在です。
だからよもや、目の前の先生方が間違ったことを指導している、などとは夢にも思わないのです。
【鉄は熱いうちに打て】
だから少しでも早い段階から、正しい学習法を身に付けてください。
厄介なことに、公立高校入試くらいなら『その間違った英語学習法』でも簡単に満点が取れてしまうんです。
そうして高校生になれてしまった受験生は、その先で相当苦しい思いをすることになります。
【そんなわけで、山口が英語の指導を担当している中学生はどんどん先に進めていきます】
彼らが刈谷高校や岡崎高校に合格するのは当たり前。
言うまでもなく、問題はその3年後の大学受験にあります。
彼らの指導をどれくらいの期間担当できるのかは分かりませんが、少なくともこれだけは言えます。
中学校を卒業するころには、大学受験レベルの英語力を身に付けてくれているはずです。