センター試験の英語は満点取れますよ!(の続き)
さて続きです!
今回も高校3年生にスポットを当てたお話なので、そうでないみなさんには読みづらい内容になっています。
その点だけごめんなさい。
しかし高校3年生で英語がニガテな生徒は、頑張って最後まで読んでみてください!
と、本題に入る前にちょっとだけ雑談を。
みなさんはテレビなどで同時通訳を観たことがありますか?
スポーツでも政治でも何でも構いません。
同時通訳のみなさまはこんな感じで話していませんか??
『今回のことは非常に喜ばしいことです、え~日本に来て、日本のみなさまに喜んでいただけて、そして大きな財産となりました、こういった経験ができたことが』とか
『非常に重要な決定となりました、双方にとって、日米にとって新しい融和的な条約を結べたことは』とか・・・。
日本語としてはおかしいですよね?
でも英語の語順はこうなんです。
これを踏まえて・・・。
本当に正しい読み方をすれば、以下のような難しそうに見える英文もすいすい訳せるようになります。
We can identify behavior in animals similar to the human behavior that enables us to assert that humans possess concepts.
・・・とその前に英文を読む上で大切なルールを再確認しておきます。
1.英文を絶対に後ろから訳さない(返り読みをしない!)
2.きれいな日本語にはこだわらない
3.文の要素(SVOC)とそうでないものをしっかりと分けられるようにすること
これは超重要です。
(1)については前回お話した通りですが、英語圏の方が英語の文章や会話を後ろから訳すなどということをしているかというと、当然そんなわけないです。
当たり前ですが前から前から情報を読み取って(または聞き取って)いるのであって、後ろから訳すという行為は日本人の都合でしかありません.
そして(2)ですが、国語の問題ではないのできれいな日本語の語順通りに解釈する必要は一切ありません。
英語を日本語の語順に置き換えて考えていると、時間がいくらあっても足りません。
(3)ですが、ここで取り上げるとものすごく長くなってしまいますので、今回は割愛させていただきます。
さあそれでは先ほどの文章を、日本語の語順ではなく、英語のルールに則って前から前から処理していきましょう!
We can identify behavior in animals similar to the human behavior that enables us to assert that humans possess concepts.
私たちは動物の行動の中に特定することができる / (どんな行動?)人間の行動と同様の行動を/ (その行動とは) 私たちに断定することを可能とする行動なのである / (何を?)人間が概念を所有する(と断定できる行動)
そう・・・日本語としては本当にきれいでないかもしれませんが、こうやって頭から必要な情報を読み取っていかなければなりません。
そしてこの文章、難解に感じるかもしれませんが、実は中学校3年生で学ぶ後置修飾と関係代名詞の問題なのです。
話を元に戻しまして。
この文章で1番必要な情報は頭で出きっています。
We can identify behavior .
ここまでがSVOですね。
『私たちは行動を特定できる。』
※ちなみに『identify』は他動詞なので、必ず直後に目的語を伴います。
similar to the human behavior 部分ですが、 similar to ~は形容詞句なので直前の名詞を修飾しています。
『人間の行動と同様の行動』という訳になります。
形容詞が2語以上になると後ろから修飾する、そう、これは中学校3年生の2学期で学んだ後置修飾なのです。
なのでここまでをくっつけると、
『私たちは動物の行動の中に特定することができる ⇒(その行動とはどんな行動?)人間の行動と同様の行動を』
そしてその後に出てくる『that』、これは見た瞬間に関係代名詞だと判断しなければなりません。
なぜなら『that』以下に主語がないから。
これも中学3年生の2学期から3学期にかけて学んだ内容ですね。
つまり直前の『behavior』が先行詞になっていて、『that』以下が修飾しているということになります。したがって・・・
・・・ behavior that enables us to assert that humans possess concepts.
行動 ⇒ (その行動とは) 私たちに、人間が概念を有することを、断定することを可能にする行動のことである
という風に読み取っていかなければなりません。
こんな感じで、英語は必要な情報を全て最初に言い切って、その後に情報をどんどん付け足していきます。
前回お話した、
I’m going to go to America to study English. にしても、
私は行くことを予定しています ⇒ (どこへ)アメリカへ ⇒ 英語を勉強するために
が正しい読み取り方で、断じて『私は英語を勉強するために、アメリカへ行く予定です。』、ではないのです。
これはこの文章が簡単だから日本語読みでも問題ないのであって、国公立 早慶上智 関関同立 センター試験レベルではこの返り読みでは手も足もでなくなります。
そして実は、どんなに難しそうな文章でも8割方は中学英文法の延長上にあります。
上の文章も単語の難しさ、文章の長さはさておき、実は中学英文法が100%で正しい読み方さえすれば読める文章なのです。
あ、一応完璧な日本語の訳も載せておきます。
We can identify behavior in animals similar to the human behavior that enables us to assert that humans possess concepts.
人間には概念を有すると断定することを可能にする行動があるが、それと似たような行動を、動物のなかにも見て取れることができる。
・・・なんや日本語の方が難しいやないかい!
このきれいな日本語を作るために、一文一文四苦八苦して時間が足りなくなってしまっている生徒が本・・・当にたくさんいます。
もったいない!
精読も速読ももちろん大切です。
しかし、『精読=英語を完璧な日本語に訳すこと』ではありませんし、『速読=とにかく速く読むこと』でもありません。
最初はゆっくりと、正しい読み方をマスターして、そのスピードを上げていく、これが精読であり速読です。
長くなってしまいましてすみません!
本日も最後までお読みいただきまして、本当にありがとうございました!