ちょっとした小話
日ごろからみなさんに、偉そうに英語についてあ~だこ~だ言っている自分も、海外へ行くと借りてきた猫のようになってしまいます。
『え?英語を教えてんのにそんなんでいいの??』・・・なんて思われるかもしれませんが、受験英語なんて海外では○○の役にも立ちません。
だって受験のように、じっくりと英文に目を通す、なんて暇はありませんし、ヤツラときたら『当然ここに来てるってことは、英語しゃべれるんだよね?忖度しないよ??』のスタンスで話しかけてきます。
ましてや会話だと、複数人が話すこともあれば、会話の途中で相手が口を挟むこともあり、もうてんやわんやです。
そんな山口ですが、海外へ行くとコミュニケーションの9割は奥さんが担当しております(※英検1級、ペラペラ)。
いや、一応山口も英検は1級ですし、TOEICも900点超えてますけど、やっぱり英語圏で数年生活していた英語話者に勝てるわけがないですね。
じゃあ残りの10%は山口が英語を話している、ということになるのですが・・・。
いや、これがなぜかですね、海外へ行くと山口、やたらと外国人に話しかけられるんです。
道歩いてても、ホテルのエレベーターに乗っていても、飲食店で食事していても・・・。
とにかくなぜか奥さんの方ではなく、山口の方に話しかけてくるんです!
いや、あんたらワシが英語ペラペラに見えるの?
どう考えてもお上りさんの、英語話せないおどおどした日本人ですやん・・・。
そんな山口ですが去年、ダイヤモンドヘッドに登ったときのことです。
飽きもせずに毎回必ず登っては写真を撮って帰るのですが、下山してしばらく歩いていたら前から女子大生と思われる外国人が・・・。
(うわ~・・・なんか嫌な予感がする・・・)と思いつつ、(絶対に話しかけるなよ!絶対に話しかけるなよ!!)と思っていたら、案の定話しかけられたのです。
“How long will it take to Diamond head’s entrance?” (多分こう言っていました、定かではありませんが)
『ダイヤモンドヘッドの入口までどれくらいかかりますか?』
なんでワシやねん!
どう考えても、ワテの他に英語話しそうな人おるやんけ!
そう思いつつ、相変わらずものすごくてんぱりながらも、
“A 5 minute walk will take you there!”
と答えることができました!
ちなみにですが、『5分も歩けば着きますよ!』と言ったのですが、この”A 5 minute walk”は複数形にはできませんし、単数扱いなので冠詞の”a”が必須です。
でもこんなの、高校受験や大学受験では習わないんですよね。
多分、
“It will take you 5 minutes by walk from here to the entrance.”
“If you walk for 5 minutes, you will get to the entrance.”
なんて表現を教わるはず。
もちろん全然まったく間違いではないですし、むしろネイティブスピーカーも、(あ、この人はきちんと英語を勉強した人なんだな)と思ってくれるはずです。
しかし受験英語一辺倒だと、なかなか生きた英語を習得するのは難しいですし、よく言われているように、『日本人はあれだけ英語を勉強しているのに、全然英語を話すことができない』、というのも事実だと思います。
でもですね、良いんですよ、別に英語なんて話せなくても。
日本に住んでりゃ英語を話せなくてもまったくもって困らないですし、仮に海外に行ったとしても、今や翻訳機の精度がものすごく上がっているので、多分大して困らないです。
でも受験英語は本当に大切。
みなさんは英単語を一生懸命覚えることによって、同時に日本語の語彙と表現力が高まります。
理路整然とした難解な英語の文章を一生懸命理解しようとすることで、論理的思考能力が飛躍的に高まります。
余談ですが山口、今では国公立記述対策を除いて、現代文の指導をすることはありません。
そんなことしなくても、英語の授業を受けてくれさえすれば、現代文の読解力は勝手に上がるからです。
みなさんは英会話ではなく、『難解な受験英語』を学ぶことにより、高い読解力と思考力を身に付けることができます。
それがみなさんが受験英語を学ぶ理由であり、難関とされる大学が受験科目に英語を指定している理由です。
もちろん、『聞く英語』『話す英語』もものすごく重要なのですが、それは正直受験英語の比ではないほどに難しいので、『外国語学部英米学科』を目指している受験生や、『将来英語で食べていくぞ!』と思っている受験生だけが頑張ればいいです。
巷ではさも受験英語を否定するかのように、『受験英語をどれだけ頑張っても、英語のコミュニケーション能力は向上しない!』などといった甘言蜜語が跋扈しておりますが、そもそも受験英語の目的はコミュニケーションではありません。
大学が見たいのは、『うちに入るために、どれだけ一生懸命英単語を覚えて、難解な英文法と英文和訳に取り組んできたのか?』という点だけです。
だから自信を持って、一生懸命英単語を覚えて、受験英語に取り組んでくださいね!
奇しくも〇原先生が、『数学の記述問題で、受験生がどのようなプロセスを辿り、どのような地図を描いたのかを見ることで、大学側が求める学生の基準に達しているのかどうかが分かる』と言っておりましたが(すみません、本当はもっとカッコいいこと言ってたんですけど失念しました)、英語もまさにその通り。
解答を見れば一瞬で、その受験生が3年間どんな勉強をしてきたのかが分かります。
だから中高生のみなさん!
一生懸命楽しく受験英語を勉強しましょう!!
・・・って話がそれました。
そんなわけで私山口、教室ではギャーギャー偉そうに言ってますが、海外では借りてきた猫状態です。
ホテルや飲食店でのやり取り、その他もろもろ全部奥さん任せ。
そんなもんです。